主人公の多家良啓介(向井理)は幹線道路の交差点で立ちすくみトラックと衝突寸前の男性を救助する。

 

幸い怪我はなく礼もほどほどに男性はその場を去るが、どこか上の空な様子を多家良は心配そうに見ていた。

 

数日後、多家良はその男性と品川南署で思いがけず再会。彼の名は岡田悠真(小林虎之介)

 

就職エージェントの御子柴武則(水橋研二)に、奨学金支援名目で400万円を騙し取られ、

 

被害届を出しに来たという。多額の奨学金を借りている時代のぴったりな話だ。 昨年春、福島から上京してきた岡田は、

 

御子柴の紹介でIT関連のベンチャー企業ワイルドホーク社に就職した。

 

この会社では新入社員を獲得するため、企業側が代理で奨学金を返済する制度を1年前から実施しており、

 

岡田は一括返済してもらえる特別枠に選ばれたのだ。それは罠だとも気づかずに。

 

 だが岡田はおきまりのパワハラで1年経たずして会社を辞めてしまう。自分が悪いと思っていたので、

 

事前に交わした覚書には3年以内に辞めたら違約金を支払うとの条項があり、

 

カードローンで400万円を御子柴に渡したが、実は岡田は特別枠には選ばれておらず、

 

月々返済する一般枠での採用だったことが判明。つまり会社が支払ったのは岡田が在籍した9ヵ月分のみで、

 

400万円は御子柴の懐に入る。詐欺だった。岡田は奨学金の残金と違約金、約787万円の債務を背負ってしまった。

 

 岡田の被害届の説明を受けた宮部ひかり(内田理央)は経緯を把握するが、

 

二課では捜査しないと知り驚愕。被害額1000万円以上の事件しか着手しないといい、

 

この一件は所轄に任せるという。正義感が強く納得がいかないひかりは、

 

堀北隆司(梶原善)に捜査させてほしいと訴える。その頃、交番では多家良が岡田に事情を聞いていた。

 

社長・猪俣充(塚本高史)が直接管轄する部署に配属された岡田は、期待に応えようと奔走。

 

厳しいながらも自分なりに食らいつこうとしていたが、次第にダメ出しがキツくなり体力的にも精神的にも限界となった。

 

 事故に遭いそうになったのはそんな最中の出来事だった。会社を辞めた上、福島で借金に苦しむ両親に

 

事実を言えないと涙ぐむ岡田を前に、静かな怒りに燃える多家良は、再び警察の帽子を脱ぎ、

 

経済誌のジャーナリストとして猪俣の会社へ潜入し、詐欺のからくりを探り始める。

 

そんな中、捜査二課には“詐欺師K”の調べを進める一課・坂本正隆(橋本じゅん)の姿が。

 

坂本はこれまで何かと情報提供してきたKの本性に迫りつつあった。

 

元は捜査2課にいた優秀な刑事だった彼が、どうして詐欺をだます詐欺になってしまったのか。

 

来週はその秘密も明かされていきそうだ。