JRAの現役最年長騎手、柴田善臣騎手がJRA賞特別賞を受賞しました。
私の競馬の原点は何度か語ったことがありますけれども、
1993年10月31日に行われた第108回天皇賞(秋)です。
勝った馬はヤマニンゼファー、そして勝利ジョッキーは柴田善臣、その人。
若手の田中勝春が手綱を取るセキテイリュウオーと最後の直線で激しい叩き合いで競り合った名レースの1つだといっても過言ではありません。
私の競馬との歩みは柴田善臣騎手と共にあったと言っていいでしょう。オフサイドトラップ、キングヘイロー、ナカヤマフェスタ、ジャスタウェイなどでGⅠを9勝、重賞96勝を含んで2,317勝を積み上げるまでの騎手になるとは思いもしませんでした。まさかまさか現役最年長として黄綬褒章を授与されるだなんて、誰か想像できたか。本人ですら思ってなかったのではないかと…。
ちなみにですが、そのヤマニンゼファーが勝ったその日に東京、京都、福島の3場で騎乗していた騎手のうち、現役なのは善臣ジョッキーを除くと武豊騎手、横山典弘騎手、田中勝春騎手、熊沢重文騎手の4人のみ、しかも福島で騎乗していた騎手はすべて引退しているというから、もう本当にすごいことだというのを実感します。
馬も騎手も個性派が幅を利かせるこの世の中で、往年の活躍からすると現在の成績は物足りないかもしれませんが、いぶし銀の渋いけど熟練の技をキラリと見せるのが善臣さんの真骨頂。本人もあと何年乗れるかわからないと言っていましたが、1日でも長くジョッキーとしてあり続けてほしいと思います。そして、鞭を置くその日まで怪我無く、無事に引退を迎えられることを祈念したいと思います。