【体験談】②「うつ」と診断された大学生が遠隔ココロ貯金で躍動した話(全3話)
こんにちは、東ちひろです。
いつもありがとうございます。
早速ですが、続きです。
「うつ」と診断された大学生が、遠隔ココロ貯金で躍動した話
①はこちら
■再出発
息子を駅まで送った日。
ゆっくりと動き出す新幹線を見つめていたら、不覚にも涙があふれてしまいました。
もし息子がひとりっ子だったら、きっと一緒に東京に行ったでしょう。
でも、家には娘もいるし、仕事もある。
——がんばれ。頑張って。
どうか、体だけは大事にして。
結局、わたしにできるのは祈ることだけ。
精一杯の想いをこめて、手を振り続けました。
■母のおにぎり
「お母さんのおにぎりが食べたい」
いつだったか、息子が言ったことがありました。
梅干しやおかか、鮭などを入れたごく普通のおにぎり。
けれど、彼にとっては何かが違うらしいのです。
そこで、たっぷりお米を炊いておにぎりをたくさん握って、冷凍して送ることにしました。
いつも使っている塩がついた長い海苔も同封し、「ラップじゃなくてアルミホイルで巻いてね」というメッセージをひと言添えて。
子育て心理学カウンセラー養成講座で教わった「腹貯金」の遠隔バージョンです。
授業の合間にお母さんのおにぎりを食べると、元気が出てくるんだよ——と、息子が笑って教えてくれました。
こうして、あの手この手で心と体を支えながら、浮き沈みの激しい日々を乗り越えていったのです。
そしてついに、第一志望だった東京大学に合格。
知らせを聞いたときは、心の底からホッとしました。
ところが——、
残念ながら穏やかな日々は、長くは続かなかったのです。
■深夜の電話
第一志望の大学に合格し、念願のひとり暮らしをスタートさせた息子。
けれども、大学生活の1年目は、決して順風満帆ではありませんでした。
当時はまだ、コロナ禍の真っただ中。
友達と顔を合わせる機会もほとんどなく、外出するのは、かなりブラックだった塾講師のアルバイトのときくらい。
そのような環境の中で、息子のメンタルは徐々に落ち込んでいきました。
あの頃、わたしがよくしていたのは、「話を聴く」ココロ貯金です。
「夜、電話していい?」
ピコンと届くLINEのメッセージ。
「何時ごろ?」とたずねると「23時」と返ってきます。
23時から3時間……。日付が変わっても、息子の話は止まりません。
「もう、お母さん眠いんだけど……」と言いたい気持ちをぐっと飲み込み、相槌をうちながら、ひたすら耳を傾けました。
モヤモヤを吐き出すことで、少しでも心が軽くなるなら。
“安心できる場所”があると、少しでも感じてくれるなら——そう願いながら、話を聴き続けた日々でした。
■見えなくなった未来
東大では、1・2年生の間は全員が「教養学部」に所属し、幅広く基礎的な知識を学びます。
そして2年生になると「進学選択(通称:進振り)」という制度で、3年生からの専門の学部を選ぶのですが——
この進振りの競争が、想像を超えるほど熾烈なのです。
息子が希望していたのは、人気の学部。
わずか5名の枠に、なんと400人が殺到したそうです。
結局、彼に与えられたのは「第8希望」だった学部。
あまりにも無残な現実に、体中の力が抜けてしまったようでした。
「なんのために、今までがんばってきたんだろう……」
そんなことを考えながら歩いていた通学中に、突然目の前が真っ白になり、そのまま倒れそうになったと言います。
「病院に行ったら、“うつ”って言われた」
彼の報告を聞いたわたしは、またしても東京行きの新幹線に飛び乗りました。
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【東ちひろ】
「不登校であっても、あなたの価値は何も変わらないのよ。」
私はスクールカウンセラーをしています。
子どもたちにそんな話をするんです。
そう言うとね、子どもを肯定したことになります。
自己肯定感もきっちり高まります。
自分を認めてもらえたのですから。
世の中に「困った子」はひとりもいません。
ただ、「困っている子ども」がいるだけです。