あっと言う間だけど…
本当にあっと言う間…
気がつけば東京公演は残り一週間となった。
この前始まったばかりと感じていたのに驚きだ。
その位集中しているのだろうか?
俺のやっている役は、ニューヨークに行きたいみたいに、ものすごく踊るわけでも、count down my lifeのように歌うわけでも、ラブリーラブリーのように台詞だらけでもない。
でも物凄く集中力が必要。
多分物凄く高い位置で、常に感覚を研ぎ澄ませている必要があるのだろう。
初演の時の自分では、とても見えなかった皆の動きや、場のエネルギーを感じ、それに反応して、常に心をグルグル動かしている。
人にもよるが、俺は舞台上でやることをシュミレーションしたりしない。
その場で感じたことに反応してふと出てくることをただやるだけ。それが理想だ。だからその動機を作っていく過程が大切。
そうじゃないとやっていて気持ち悪いからだ。
それを作るためには、一公演ずつ丁寧に積み上げていく必要がある。
そうやって積み上げても二度と同じことはできない。
それが舞台だ。
リアルタイムで繰り広げられるセッション。
JAMだね。
何が言いたのか?
「シラノ」観ておいた方が良いっ。絶対に。
特に若い俳優さん達にはオススメ。
2幕の2場。
俺は出ていない場だけど、文句なしの芝居と音楽の融合が観られる。
シラノがそこにいる。
そして散っていく、その様が美しい。
見た目の美しさよりも、その美しさは尊い。そして、強い。どんなシーンよりも戦っていて、どんなシーンよりも愛がある。
シラノはアラスの戦地に行ったり、ネール門での1対100の戦いがあったりするが、何故ロスタンがそのシーンを見せ場のように描かなかったのか?
それは、この2幕2場に勝る戦いは存在しないのから。
そんなシラノの究極の戦いを、是非観にきて下さい。
29日まで。日生劇場にて。
今日のお見送りの模様がシラノ公式Twitterで観れるかもしれないですよー!!
恭兵。