「えー、フィクションですが…」 | 【公式ブログ】 週刊「神田恭兵」―明日も絶対晴れるっしょ!―

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俳優・神田恭兵。その日々をちょこっと覗いてみませんか?

役を頂いた時、その人物になるために、その人の物語を考えたりすることがあります。

そんなアナザーストーリーを紹介するコーナー、「えー、フィクションですが…」のお時間です。

記念の第一回は、先日までやっていた、きじ丸の話でも。
小松さんも、ブログでスピンオフを書いていましたが、それとはまた別の物語です!!いつも本番前にこの話頭で考えてから舞台に立っていました。



「お頭ー!!佐助様の墓の脇にこんな赤子が捨てられております!!」

まだ7つになるかならない位の左馬乃助達が私の父の墓で赤ん坊を拾ってきた。
父が幸村様と共に去った、大坂の戦いから5年の月日が経っていた。

才蔵「荘次。どうするかの?」
荘次「私が育てましょう。秋葉には私から説明致します。(赤ん坊を抱き上げ)よし、今日からお前は、猿飛荘次の息子だ!!名前は、うーん、きじ!!きじ丸と名乗るがよい!!いいか、今日からお前は猿飛きじ丸だ」

妻の秋葉は身体が弱く、私達の間には子どもができなかった。そんな時に現れたきじ丸。私達は育てることが運命のように感じていた。

幼いきじ丸は、少し身体が弱かった。私の父は猿飛佐助。もちろん私も幼い頃から忍術などの武芸を父から教わってきたが、徳川のものとは言っても戦乱の世が終わったのだ。無理に厳しい訓練を強いるつもりはなく。きじ丸には、必要最低限のものを教えただけにした。

そんな折、隣国美濃で浪人による一揆が発生した。
尾張山中にある我ら里の近くを鎮圧に出た尾張徳川の兵が移動していた。

尾張徳川は我らの里がここにあることは知らない。もしもここの里がバレれば大変なことになる。

その予感は見事に当たってしまった。

美濃で鎮圧されかかった一揆の一団があろうことか、尾張の山中に逃げ込んできてしまったのだ。当然、徳川の兵も山中にやって来る。

私は、里の男達と共に結界守りを固めるため、山中に向かった。

続く

恭兵。