華やかなオールドバカラの時代 | 千葉ベル・アリタのブログ

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オールドバカラとオールド有田を中心に、楽しくご紹介致します♪

皆さまご無沙汰しております。

すっかり春らしくなりましたね照れ桜
いかがお過ごしでしょうか桜桜桜

今回はオールドバカラの歴史と愛らしいグラスをご紹介いたします。

バカラの歴史は古く、1764年、戦争で衰えた経済力を復興させようと、フランス・ロレーヌ地方の統治主 ルイ・ジョゼフ・ド・モンモランシー・ラヴァル(Louis-Joseph de Montmorency-Laval)司教が、国王のルイ15世に「国内にガラス工場の設立を認めてほしい」という請願状を送ったことから始まりました。

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ルイ・ジョゼフ・ド・モンモランシー・ラヴァル(Louis-Joseph de Montmorency-Laval)
     1724 -1808年  ※1

当時のカトリック社会の考えは、今日では考えられないほど保守的で「お金を稼ぐことより、祈ることが優先」という倫理観でした。ですから積極的にビジネスをすることは、国王の承認が必要なほど、相当の決意と能力が必要でした。

国王は、ガラス生産を他国に頼りきりなことに頭を抱えていました。それもあり、国王はこのアイディアを承認し、ロレーヌ地方の東部にあるバカラ村に工場が建てられました。

村には深い森と清流があり、窯に必要な薪を供給できる豊富な森林、工場のエネルギー源となる河川の水力といった、ガラス製造に必要な条件に恵まれていました。

ガラス工場は1789年のフランス革命の影響で一時、経営困難な状態に陥りますが、1816年に、若き実業家、エメ=ガブリエル・ダルティーグに買収されます。ダルティーグはこれをクリスタル工場へと変身させ、高級クリスタルの製造がスタートしました。

バカラ製品は王侯貴族に愛用されました。
また、パリ万国博覧会でも、多くの作品を出品し、グランプリにも輝きました。

20世紀に入り、バカラの創造の幅を広げたのが若手デザイナー、ジョルジュ・シュヴァリエでした。

シュバリエの作品

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オールドバカラ 金彩グラスG  LEILA (1945〜50年)
径 8.7㎝  高さ 21.0㎝  

Leila 
 (フランス語読みレイラ、英語ではLaylaライラ)

”Leila ”は、元々はアラブとペルシャの女性名。

イスラム文化圏で、親しまれている、『ライラとマジュヌーン』の悲しい恋の物語が題材にされているともいわれています。

家柄も教養も良く育ち、
互いに惹かれ合う2人ですが、主人公 カイス青年の、美少女 ライラへの想いが強すぎて、彼を発狂させ、マジュヌーン(狂人)と変えてしまいます。
ライラの両親は、ライラを案じて別の人と結婚させます。しかし、ライラもカイスのこと思い苦しみます。

カイスは、悲しみから逃れるために人里離れ、砂漠や山野で暮らしはじめました。
彼の心を癒し、彼を慕う動物たちとの、楽しい時間を描いているのではないでしょうか。

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鹿や兎、鳥やカタツムリなど、様々な生き物が描かれ、楽しそうに踊っているように見えます。


バカラの品々は、様々なデザインがあり、それぞれ物語を持っています。
当店で、扱っているオールドバカラの作品たちもそれぞれに物語を秘めています。

多くの人々を魅了し続ける、バカラ。
「最良の素材、最高の技術、そしてそれを受け継ぐこと」をモットーに作品が作られ続け、「王者のクリスタル」と呼ばれることになります。バカラのクリスタルが一つの形となるまでには50人以上の熟練職人たちが携わります。彼らの多くは、フランスで最優秀の職人のみに与えられるM.O.F.の称号を与えられました。

作り手の想いが詰まった、秀作たちを是非、見にいらしてくださいませ。

皆さまのお越しを心からお待ち致しております。



参考資料
※1