京都でのほほんと仕事をしてそうに見えるからか、経営者の知り合いや、バリバリ働くビジネスマンからよく悩み相談を受ける。と言っても、パターンはほとんど決まっており、「人」の問題である。お金とか営業のこととか、いわゆる「経営相談」というのはほとんどない。(僕に相談しても仕方ないと思うのかもしれない)
中には悩みすぎて顔色が悪くなっていたり、寝不足が続いていたりと明らかに健康を害してしまっている人もいる。
ので、まずはアドバイスする前に「旨いものでも食おう」と、安くて美味しい賑やかな居酒屋へ行くのだけれど、人間、ツラいもので、悩みの底にいる時は何を食べても味がしないものだ。酒だってまずくなる。
そんなことは、わかってるのだが、それでもやっぱり景気づけしないと話が始まらない。
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悩みの深い人のパターンというのは実は決まっている。
なぜ悩んでしまうのか?
それは、「他人(社員・上司・親・妻などなど)の考え方」とか「社内の評判」とか「同業他社からの評判」などのように、
自分ではどうやってもコントロールできないものをコントロールしようとしているから。
あるいは、どこまでいってもわからないものを、答えがあるのでは?とわかろうとしているからだ。
しまいには、その他人のことを悩みすぎて、その人と関係を持った自分にまで負い目を感じたり
悩んでしまったりするケースがある(なぜこんな人を雇ってしまったんだろう俺は、とか、なぜこの人と結婚してしまったんだ私は など)。
FBを見て落ち込むとかも同じパターンである。
原則として、大人どうしになれば、心の中までコントロールすることなんてできないと考える。
なぜなら、一見しておかしいとか腹が立つということでも、相手にしてみたら合理的に考えて
「これでいい」と思ってしていることだからだ。
仕事をサボってる人がいたとして、悪気はあるとしても、その人なりに「手抜きして給料がもらえるならそれでいい」と考えているのだ。ここにはその人なりの合理性がある。から、簡単に変えたくない。
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「いい」と思っていることを「やめよう」と思わせることほど難しいことはない。
そもそも無理なのだ。
また、その人なりの論理に対して「それはおかしい」とか思っても正直、意味がない。
自分から見たらおかしな考え方(サボって給料もらう)であっても、それはその人が時間をかけて構築してきた「信念」なのである。
あるいは、外部評価なんて、自分にはどうしようもない。
どれだけ良い行動をしていても、批判してくる人がいる。
裏側の努力を見ずに、目の前のパフォーマンスだけでその人(会社)を判断する人がいる。
そういう行動自体を自分が何か制御するのは不可能だ。
そんなわけで、変えるのは無理なのに、なんとかできないかとか、なんとかする方法はないかとか考えるから、
終わりのない沼にハマってしまうのだ。
どこまで考えても答えが出ないから、めしを食う時も風呂に入る時も、友達と遊んでいる時さえも、悩み続ける。
そしていつしか、悩むことが習慣化する。
悩んでいないと落ち着かなくなる。
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たとえば、何度言っても同じようなミスを繰り返してしまう部下がいるとする。
人の良い経営者、繊細な経営者ほど、
「なぜ何度言ってもできないのだろう?」
とか
「どうして私の気持ちが伝わらないのか?」
とか
「人柄は良いのに、なぜミスを繰り返すのだろう?」
とか、モヤモヤとした思いを繰り返し、思い詰めてしまう。
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繰り返しになるが、上記は「悩み方が悪い」のだ。
思いがどうとか関係ない。
ミスが起きたり手抜きが起きてるのが事実なので、そのことに一直線に対応すれば良い。
起きたことを直せば良い。
「人の思い」とか「背景」に気を配る必要などないのである。
起きた出来事を冷静にとらえ、「こと」にだけ目を向けるのだ。
「こと」に集中し、それだけ考えれば良い。
なぜなのか? とか なぜあの人は? など考える必要はない。
ミスを落ち着いて指摘し、直してもらえばそれで良い。
相手の人柄とか、思いとか、関係ないのだ。
ミスが起きている。そのミスを発見し、直してもらうのが仕事なのである。
ただ淡々とそれを進めれば良い。
このミスを防ぐにはどうしたらいいか?
どんな人でもミスをしない「やり方」はないか?
などの「こと」に目を向ければ、いくらでも「答え」が出て来る。
気持ちを切り替えて、その答えに取り組めばいい。
ミスではなく人を憎まず。
自分が悩みすぎているとか、いつも悩んでしまう人は、
きっと、手に負えないものを変えようとしてしまっているのだと思う。
人の気持ちとか評判とかはどうでも良い。
ただただ、目の前の「こと」に集中すること。
自分がやるべきことだけをする。
積めていないレンガを黙々と積むのである。
いつしか、悩みは少しずつ晴れていくはずだ。
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