京都西山(乙訓)地域で栽培される竹の子(筍)は、日本一との評価があるが、それには理由があ.る。良い竹の子が出来る条件として、土壌と日当たりの良さが挙げられ、京都の西山地域は日当たりの良い丘陵が多く、水はけの良い酸性土壌に恵まれている。しかしそれだけでは美味しい竹の子は出来ない。竹の子畑は一年を通じ、徹底的に管理される。
冬の間は竹の子畑一面に麦わらが敷き詰められる。その上に保水性の良い赤土重ね、ふんわりとした土を育てる。これを置き土という。こうすることで、雨も土の中に良く浸み込み、竹の地下の茎にもふんだんに水分が補給される。また土の中に敷いたわらの間には適度の空気が含まれ、時間の経過と共にわらは土と同化して質の良い肥料となる。こうして竹の子にとって最高の環境で育つので、肉質が柔らかで美味しい竹の子が出来上がるのである。
竹の子畑は収穫時期になると、親竹にするために残す竹と収穫する竹の子に見分けられる。そして収穫が終わる頃、親竹への栄養を充分に行きわたらせるため、育成の悪い竹や不要な下草の刈り取りが行わる。この作業は秋の頃まで2日に一度行われ、これを地域の人は「ムシャクシャ狩り」と呼ぶ。そうして残された親竹同士の間隔が2メートル以上になり、その適度な間隔のお陰でお互いの成長を邪魔せず、充分な日光も確保される。この他にも5月の中旬には、親竹が5~6メートルになると、根の成長を助けるため、先端が切られて葉や枝の成長を止め、日照効果と風で竹が折れるのを防ぐ。
このように徹底した管理の下で育まれた竹の子が、朝に掘られ、その採れたてを皮付きのまま釜茹でされたのが「釜ゆでたけのこ」である。魚でも鮮度を保つために”如何に早くしめる”かが勝負になるが、竹の子も同じで、掘りたてをすぐに釜ゆですることで、より美味しさが保たれる。このように多くの人の努力と情熱から生まれた竹の子が、美味しくないわけがないことを充分に納得していただいたと思う。
京都西山産の「釜ゆで竹の子」は、「特選京都」で販売している。時期と数量に限りがあるので、早めの申し込みが必要である。
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