この本が純粋な経済学の本とは、どうしても思えないのですが、
内容の方は興味深いものです。
どうして、女性が男性と同じだけ働いても女性の方が稼ぎが少なく、経営首脳が少ないか
教育格差を効率よく縮める方法は。
寄付の有効的な集め方
などが、「経済学」の見地から解決策が提示されます。
なかでも興味深かったのが
勉強とご褒美に関する考察です。
ご褒美につられて、勉強をさせることは、
誰しも思いつきますが、そのデメリットも怖いのではないかと
思ってしまいます。
実験を通じて
・ご褒美があると、事前の学習、試験対策に関わりなく、点数が伸びる
・事後に褒美をあげるよりも、事前に褒美を与えて悪いと取り上げる方式のほうが成果が上がる
・長期的な褒美(大学入学後とか)よりも、短期的な褒美(今回のテスト後)のほうが効果が高い
・ご褒美をやめても、効果が継続する
といったことが明らかにされます。
身も蓋もない結果とは思いますが、人間の基本的な行動が明らかにされており
勉強になります。
おすすめ度 ☆☆
その問題、経済学で解決できます。/東洋経済新報社
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