【美術館】木陰から見守っているのは…<作品紹介 ③> | 松花堂庭園・美術館のブログ

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今日は5月の最終日。令和となって最初のプレミアムフライデーとのことでしたが、ちょっと不安定なお天気の1日となりましたくもり

明日からの週末は今のところお天気となりそうですが、お出かけのご予定はお決まりですか??緑が深くなってきた松花堂庭園、そして初夏展「ご存知ですか?大坂画壇」を開催中の松花堂美術館へ、ぜひ遊びに来てくださいねウインク

 

さて、そんな初夏展の作品紹介でも、松花堂庭園と同様に緑の美しい作品を取り上げたいと思います。今回ご紹介するのは、森琴石 筆「松溪読書図」(個人蔵)です。

背後の高い山から流れてくる水のそばで、一人の人物が読書にふけっています。背景の山は、陽があたっているのか美しい薄緑色をしている一方、彼を取り囲んでいる松は深い緑色をしていて、画面全体が緑のグラデーションで彩られています。静かな水の流れと、ゆっくりと紙をめくる音が聞こえてきそうな、そんな作品です。

一見すると、画面の中で少し開けたところにいる人物だけが描かれているようですが、実はそのそばに、木陰でお茶を点てている侍者が描かれています。

木陰に腰掛けた彼は、風炉釜を団扇で仰ぎつつ、主人の様子を伺っているようです。ちょうどいいタイミングでお茶を入れようとしているのでしょうか。読書をしている人物よりもずっと年齢は下のようですが、そっと見守っているような優しげな視線が感じられます。どことなく、二人の信頼関係も伝わってくるようですね。

 

南画家として知られる森琴石は、幕末に生まれ、近代に活躍した絵師です。晩年には、文展の審査員をつとめたり、帝室技芸員に選ばれたりもしました。とても静かな雰囲気の作品でありながら、鑑賞者の心をぐっと掴む力もある作品を、ぜひご堪能ください!!なお、この作品は6月9日(日)までの展示となります。どうぞお見逃しなくキラキラ

 

その6月9日(日)に開催する2回目のプレミアムトークも、残席わずかとなってまいりました。参加をご希望の方は、お早めにお申し込みくださいねラブラブ

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