RETULのメリット&3月末に導入予定! | 京都→吹田 チャリンコ通勤!!

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3月末から店にRETUL(リトゥール)を導入する事になりました。

こんなヤツです。

 

これを導入する事のメリットや、何ができるようになるか少し書きます。

そもそもRETULっていうのは何かというと、MUVEっていうフィッティングバイクでポジションを出しつつ、VANTAGEっていうカメラでライダーの動作を撮影し、フィッティングを行います。

 

ライダーの足には3Dモーションキャプチャーに使われるようなポインターをつけて、より正確な骨の動きを見ていきます。

 

つまり、従来のボディージオメトリフィットは膝の動きの異常をフィッターの経験値により確認する職人技的な所があったのに対し、RETULはそこをコンピュータの動作解析ソフトに任せるのです。

 

ただ、正直それだけだったら、RETULを導入するメリットをあまり感じません。

おそらくRETULを使っても、普通にBGフィットを行っても結果は変わらないからです。

 

じゃあ、何でこんな機材を導入するの!?

って話になってきますが、大きく2つのメリットがあります!!

 

1.バイク購入前にポジションを先に出すことができる点

2.クランク長について煮詰めたポジションを出せる点

 

です!!

 

まず1つめの「バイク購入前にポジションを出すことができる点」っていうのは、そのままの意味で。。。

従来のフィッティングだと、バイクの購入後にフィッティングを行うか、2台目のバイクを買う前に1台目のバイクにフィッティングを施して、そのポジションを移植するかしかできませんでした。

 

しかし、RETULを導入すれば、従来のようにバイクがなくても、フィットバイクMUVEを使ってポジションを出し、決まったポジションを元に購入後のバイクをバッチリなポジションにして納車できます。

 

(こんな感じに出るそうです。)

 

また、TTバイクなど、サイズのイメージが付きにくいバイクなどはMUVEを使う事により、実はMサイズだと出したい低さのハンドル高が出なかった!
とか、XSサイズでいけると思ったけど、ちょうど良いアームレストの高さを出すには、スペーサーがギリギリ足りない!!

とか、思いのほかトップチューブが長すぎて、TTバーが短くなりすぎて不細工な感じになっちゃった。。。とか。

 

そういうトラブルを事前にポジションを出しておく事により回避できるのです!

 

次に2つめの「クランク長について煮詰めたポジションを出せる点」っていうのは、最近流行のクランク長についての話です。

 

クランク長に流行なんてあるの!?

って話ですが、あるのです。

 

チームSKYの選手は短いクランクを使う選手が多いです。

それはなぜかというと、前傾姿勢を深くするためです。

 

もう少し具体的な話をします。

ペダルを回転させる時、膝が上死点まで移動した時の、大腿骨と仙骨の角度が、その人の体の柔軟性を上回ってしまうと、パワーロスが発生しますし、痛みや故障の原因にもなります。

(体の柔軟性はフィッティングの序盤のフィット前アセスメントで調べます。)

 

フィッティングでは、まずクリートの位置、サドルの高さ、サドルの前後位置を決めてそれからハンドルの高さやステム長を決めるのですが、体の柔軟性の限界角度マイナス5°くらいの角度になるようにハンドルの高さの最低値を設定します。

 

タイムトライアルをやる人だけでなく、プロの選手や大きく逃げを打ちたい選手は、近年の空洞実験ブームも重なり、できるだけ空気抵抗を減らすために深い前傾を取りたくなってます。

 

では!

空気抵抗を小さくするために前傾を深くしつつ、体の柔軟性の範囲内でポジションを出すためにはどうすれば良いかという話になり、その一つの答えがクランク長を短くしてしまえ!っていう物なのです。

 

この考え方に基づき、チームSKYの一部の選手は短いクランクを採用して走っています。で、そこから短いクランク長は良いらしい。。。って話になって、今にわかに短いクランクブームが起きているのです。

(一部のマニアックな人ないしは勝利にストイックな人ばかりではありますが。。。)

 

ただ、手当たり次第短くすれば良いというワケではありません。

クランクの長さは、乗り手の大腿骨の長さとも関係ありますし、あんまり極端な事をやっても、ペダリングが変になったり、力を出せなくなったりします。

 

じゃあ一体どうすれば良いんだよ爆弾!!!

 

って話になってきて、ここでRETULが出てきます。

上の写真のように、RETULのフィットバイクMUVEは簡単にクランク長の変更ができ、実際にペダルを回転させて貰ったり、上死点に足を引き上げた時の、最低ハンドル高を比べたりできるのです。

 

従来のフィッティングでも、現状のクランク長が極端に合っていないかどうかは分かりますし、現状のクランク長に対して限界のハンドル高も出す事ができました。

 

でも、RETULを使えば、172.5mmのクランク長を167.5mmに変更すればハンドルの高さを○○mm落とせますよ!っていうような提案ができたり。

ライダーさんにも、「167.5mmのクランクって回しにくいな、170mmの方が良いかも。。。」っていうような気づきの場を提供できます。

 

こういう観点から、RETUL、前から導入したかったのです。

それが念願かなって導入と相成ったわけですラブラブ!

 

今回書かれている内容を見ていただければ察していただけると思いますが、私はフィッティングが大好きです。

この機械を導入するコストは正直バカにならないのですが、それ以上にサービスの質を向上させられるよう頑張ります!!

 

また、この機械を使ったフィッティングを学ぶため、研修に行くのですが!

研修の様子や、機械を使ってみた感じを紹介していきます♪