資源開発大手の石油資源開発は10月3日、秋田県由利本荘市の鮎川油ガス田の地下約1800mから、岩盤に含まれる新型の原油「シェールオイル」の試験採取に成功した。シェールオイル生産に向けて日本国内で取り出しに成功したのは初めて。東京電力福島第1原発事故を受け、日本でも資源多様化が求められており、未開拓資源の開発に弾みとなる可能性がある。


 3日午前の東京株式市場で、東証1部上場の石油資源開発の株価が上昇、一時前日終値比335円高の3545円を付け、上げ幅は10%を超えた。午前終値は160円高の3370円だった。


 取引開始直後は小幅高だったが、シェールオイルの試験採取に成功したことを受け急騰した。その後は利益確定の売りに押された。


 市場では「今回の試験採取がすぐに業績を押し上げるわけではなく、当面は思惑先行の取引になりそうだ」(大手証券関係者)との声が聞かれた。


 石油連盟が3日公表した国内の灯油在庫(9月29日時点)は、前年9月末に比べ約6%減の約315万キロリットルと、9月末としては過去3番目の低水準となった。昨年は節電需要を見込み元売り各社が在庫を積み増したが、今年はその反動から生産に慎重になっている。