神童寺 | 京都恋慕

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神童寺

 

今回は、木津川市にある神童寺についてご紹介します💁

 

 

 

概要

 

山号:北吉野山 開山:聖徳太子 宗派:真言宗智山派

 

 

歴史

 

神童寺は596年に聖徳太子が開いた寺と言われ、

創建当初は「大観世音教寺」と称していたそうです。

 

神童寺の御本尊は珍しい「蔵王権現気づき

652年、修験道の開祖・役行者が鷲峯山で修行し、

自ら蔵王権現を刻んで本尊としたといわれています。

 

その後、修験道の地の1つとして隆盛を誇ります。

神童寺にはかつての隆盛の様子を描いた絵図が残されており、

絵図にはお寺がある山全体に何十もの塔頭が建てられかつての賑いを感じられますにっこり


しかし、1180年の以仁王の挙兵に対し平重盛の次男・資盛の兵火により、本山や26坊を焼失。

復興できていない中、更に1331年の兵火でも焼失してしまいます。

 

その後、寺号を神童寺と改めました。

兵火にあったもの、数多くの藤原期の仏像が残されて、大切に保管されていますまじかるクラウン

 

 

境内

 

境内にはいると正面にご本堂があります。

 

 

1406年に再建された、山城町最古の建物ですびっくり

本尊や様々な仏像や宝物を安置しています。

本尊の蔵王権現を本尊とすることから蔵王堂とも呼ばれます。

 

仏像

 

神童寺といったら仏像キラキラ

珍しい仏像を多く所蔵しています。

仏像は撮影NGのため、こちらのフォトギャラリーをご参照くださいキラキラ

 

蔵王権現像

御本尊の蔵王権現像。

「蔵王権現」は修験道の本尊です。

正式名称は金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)や、金剛蔵王菩薩(こんごうざおうぼさつ)といいます

 

「金剛蔵王」は究極不滅の真理を体現し、あらゆるものを司る王という意味で

「権現」は「権(かり)の姿で現れた神仏」の意味があります。

仏、菩薩、諸尊、諸天善神、天神地祇すべての力を包括しているといわれています。

 

蔵王権現は、役行者が吉野の金峯山で修行中に現したという伝承があり、

釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩の三尊の合体したものとされています。

 

神童寺の蔵王権現像は、役行者が自ら刻んだといわれている彩色木造

ご本堂中央に安置されています。

私が拝観した際には、ご住職が御由緒から像の特徴まで詳しく説明してくださいましたニコニコ

 

向かって右に「前鬼像」左に「後鬼像」の三尊像が安置されています。

「前鬼像」と「後鬼像」の間には「役行者像」も安置されています

 

御本尊の蔵王権現像には、創られた際の逸話が残されています。

 

676年に役行者が寺を訪れ、鷲峯山で57日間の行法後に谷に下りて修行していたところ2人の童子が現れました。

童子らは「傍らの石楠花は霊木であり、これで仏を刻んで衆生救済しなさい」といい、天に飛び去っていきました。

 

その後役行者は37日間祈り続け、満願の日に大地が鳴動しました。

すると地中が光を放ち、忿怒の形相の蔵王権現が顕れてやがて虚空に消えいきました。

 

役行者はすぐに石楠花の木で蔵王権現を刻み始めます。

すると南から二人の神童が現れて像を刻む役行者を助け、

そのおかげで像はすぐに完成しました拍手

 

神童たちは「私たちは天八百日尊(あめのやおひのみこと)、天三下尊(あめのみさがりのみこと)といいます。末永く伽藍を守りましょう。」と伝えて去っていきました。

 

役行者は蔵王権現像を麓の精舎に安置し、

寺号も二人の神童に因み「神童教護国寺」に改められました。

そして手伝ってくれた二神童を、鎮守社の天神神社に祀ったといいます。

 

 

白不動明王像

三井寺の「金色不動明王画像(黄不動尊)」を模したものといわれています。

別名「波切(なみきり)白不動尊」「白不動」とも呼ばれる仏像です!

 

白い彩色が施されています。

また、不動明王の髪型は一般的には弁髪ですが、こちらの白不動明王は螺髪(らほつ)

 

弁髪とは、長い髪を左側に集めて束ねて耳の前に垂らすという髪型です。

螺髪とは奈良・東大寺の大仏(毘盧遮那仏)の頭ように、右回りに螺旋状になった円い髪の毛の固まりがいくつも並んでいる髪型のこと。

 

螺髪の不動明王はなんと全国に8体しかないんですびっくり

しかも彫刻に限ると神童寺と大原の三千院のみ!!

 

螺髪+白い不動明王は神童寺だけ!

全国で唯一の大変珍しいお姿ですにっこり

 

 

愛染明王坐像

12世紀後半の作といわれている像。

この像の一番の特徴は、弓を天に向けていること

この様式の愛染明王像は日本で3体しかなく、和歌山・金剛峰寺と山梨・放光寺のみ。

その中で神童寺の愛染明王像は最古といわれています。

 

肩から出た二手を頭上で天に向け、垂直に弓を射ようとしています。

このような珍しいお姿から、別名「天弓(てんきゅう)愛染」とも呼ばれますハート

 

キューピットのようで恋愛運を見守ってくださるかな…?ハート

 

神童寺の御由緒や仏像について、お茶の京都のYouTubeでご住職自ら解説されています

 

 

 

春のライトアップ

 

近年、神童寺では春のライトアップに力をいれています💪

今年は3月29日、30日の2日間行われます🌸

 

春の神童子はミツバツツジがとても美しいようで、

ご住職も「ぜひ春も見に来てくださいね」とおっしゃっていましたぽってりフラワー

 

春のライトアップの詳細はこちら🌸

 

アクセス

 

📍木津川市山城町神童子不晴谷112

⏰9:00~17:00

🪙拝観料:500円(ご住職による解説つき)

🚃JR「棚倉駅」下車、徒歩約40分(車がおススメ🚙)

 

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