#bookcoverchallenge
テルテルです。

僕はよく「落ち着いてるねー」とか「変わってるね」と言われることが多いんですが、(内心よっしゃーって喜んでます。)

私や同じように言われたことのある人も、その言葉を言ってくれた人も全て個性があり「変わってるね」なんですが、私の大好きな明治時代という時代に対する私のイメージに「個性の芽生え」「新しい言葉と世界に対する高揚」というのがあります。そのイメージに少なからず影響しているのが今日ご紹介する本です。

せっかくなので初版本のブックカバーでw

「吾輩ハ猫デアル」夏目漱石 著

旧千円札でおなじみの夏目漱石先生の本です。
私がこの本に出会ったのは小学5ー6年生だったように思います。中学一年生でも国語の時間に勉強する本でみなさんご存知の有名な本です。

吾輩は猫である。どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。なんでも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

という書き出しから始まるこの本との出会いは衝撃的で「吾輩」の視線から見る明治という時代や、個性的な登場人物がひょっこりとあの電信柱の影から顔を見せるのではないかと子供らしく思ったものです。
ラスト吾輩がビールに酔い水甕に落ちて亡くなるシーンはワンワン(そこはニャーニャーやろ!!!)泣いてしまいました。
当時の日本語や空気に触れたのが私が明治を好きになった理由でもあります。

明治時代中期になると文明開化の中で口語で書かれた小説というものが生まれ、夏目漱石をはじめ多くの作家が活躍しましたが、まだ新しい娯楽の小説の中では新しい日本語が多く登場することとなり、書名の「〇〇デアル」などは当時新鮮であったそうです。

また四民平等、身分制度や封建時代の制度が一旦無くなったことで「個」が重要になり、それがこの時代独特の高揚感もあわさり、個性が芽生え始めたのではないかと思っています。

「吾輩」の主人である苦沙味先生一家や客人達、恋猫や車屋の猫といった彼等の個性と、ある意味楽天的な現代にはないあの高揚感、ある意味風刺的でデタラメな会話、哲学的で理知的な文体は本当に見るものを引き込む素晴らしい本だと思います。

因みに私のお気に入りの登場人物は椎茸を噛んで前歯が欠けた水島寒月君です。

今日のバトンは次回以降に回します。申し訳ありません。