#17川渕から紹介を受けました#15田中雄太です。彼のマウンドでの闘志あふれるピッチングはまさに漢です。副キャプテンとしてもチームを気遣い、他の人が言いにくいことまで言ってくれていました。彼が偶に何かに怒っているのは周りが見えすぎるからなのかなと最近思っています。

 

さて最後のキセキを書くにあたって、何を書こうかと考えた時に僕は自分の想いや感情を表現するのがあまり好きではないので、さらっと思い出でも書こうかなとも思いましたが、#18そめぶっちーの熱いキセキの後に適当にかくと、また#staff赤尾に「情がない」と言われそうなので真面目に大学野球生活を振り返り、今思うことを綴ろうと思います。

 

 

この4年間野球が楽しいと思えることはほとんどありませんでした。入部して間もなく肩を痛め、原因もわからず、復帰の目途が立たないまま、気づいたら3回の春リーグが終わっていました。#1ひびきがリーグ戦デビューを果たし、2回生になって続々と同期がリーグ戦に出始め、野手転向した#8大川がチャレリでホームランを打ち、ひびきはエースになり、#6こだくんはベストナインを取った、この間、僕はリーグ戦はおろかオープン戦ですら登板できていませんでした。入部してから一歩も進めていなかった僕は完全に同期全員に置いて行かれていました。背中すら見えなくなり、グラウンドに向かうのが苦痛で仕方がありませんでした

 

 

3回生の春リーグが終わった頃に、近田さんの金言もあり、サイドスローに転向し、何とか投げられるようになりました。そうして3回生の8月にようやくオープン戦デビューすることができました。しかし、復帰の喜びをかみしめている暇もなく、最後の1が始まりました。投げられるようにはなったものの、急造のサイドスローでいいピッチングができるはずもなく、たった1年しかないという焦り不安と、依然と残る肩の痛み、そしてサイドスローにしたことでぶり返した腰の痛みから、楽しむことはできませんでした。

 

 

そうして焦ったまま、冬が終わり、キャンプで腰を壊しブルペンで立てなくなり、春リーグ前ギリギリで復帰できたものの、春リーグ登板できたのは最終節の1試合のみ、そしてそれも不甲斐ない結果で終わり、どんどん焦りに拍車がかかっていきました。焦ったまま、時は過ぎ、気づいたらもうラストシーズン、ベンチに入ることもないまま、残すはあと2となってしまいました。今残るのは、うまくいかない苦しさ、最後なのに応援することしかできない不甲斐なさのみです。

 

 

自分の可能性を試したくて入部したはずが、全力でプレーすることすらできませんでした。今でも思いっきりボールを投げることはできないし、何も考えずに思いっきり練習すると次の日歩くのも大変になるし、痛みで夜眠れないことだってあります。#31のように大学野球生活の思い出が美化されるにはまだ時間がかかりそうです。

 

 

 先日、#24有川が「野球だけが人生ではない」みたいなことを言っていました。この野球部のほとんどが大学で野球をやめ、野球をやめてからの人生の方が圧倒的に長いです。正直、このまま残り2節全敗して終わっても、このままスタンドで引退を迎えても、長い人生を考えたら大差ないのかもしれません。しかし、これまでの23年、野球を始めてから10数年、様々なものを犠牲にし、他のことが手につかなくなるほど真剣に悩み、野球がすべてだと錯覚するには十分なほど野球にのめりこんできました。そんな野球人生の最後だからこそ、今後の人生に大差はないかもしれないけど、最後を少しでも良いものにできるようにあがきたいと思います。

 

 

後輩たちへ

みんな僕より野球上手いし、僕から言えることはほとんどありませんが、一つだけ、


悔いを残さないように頑張ってください


「悔いを残さないように」という言葉は、自分の性格上悔いは絶対残ると思うし、耳障りがいい綺麗事のように聞こえてあまり好きではありませんが、あえて言います。これからうまくいかないことのほうが多いと思いますが、どんなに苦しくても死ぬわけではないし、長くても後たった3年間で野球は終わります。こんなに辛い日々だったのに、引退が近づくと野球ができなくなるのが寂しく感じます。残り短い日々を大切にし、目一杯野球を楽しんでほしいと思います。

 

 

最後に同期へ

みんなが頑張っている姿があったから、ここまで頑張ってこれました。ひびきがずっとチームの先頭で走り続けている姿を見て、頼りない後輩だと思っていた大川のリーグ戦でのホームランを見て、みんながリーグ戦で活躍するのを見て、自分もこのチームとリーグ戦でと、何とか心が折れそうなのを踏ん張って、頑張ることができました。野球が楽しくなかったと書いたけど、この京大野球部で過ごす時間はとても楽しかったです。ありがとう。この最後の秋リーグ、なかなか4回生に結果が出ず、優勝もなくなり、それぞれ苦しいと思いますが、同志社戦でのぶっちーの雄叫びはかっこよかったし、ひびきの立命戦での圧巻のピッチングにはめちゃくちゃ感動しました。#2悠真大川にヒットが出ると自分のことのようにうれしいです。みんなとまたリーグ戦のグラウンドに立つために僕ももう少し頑張ります。残り2節、笑って終われるように今できることをやり切りましょう。

 

 

ここまでネガティブな感情を書いてきましたが、これだけ真剣にまさに人生を賭けて打ち込めた野球に出会えて幸せだったなと今自分の中にある唯一のポジティブな感情を記して終わりにしたいと思います。

 



 

次のキセキは#12しっしーです。まだリーグ戦での出番はありませんが、彼のここぞの一打にみんなが期待していると思います。激熱なキセキお願いします。