こんにちは!ヴァイオリンの岩本祐果です。
『ドラマチック・ロシア』と題された今回の室内楽シリーズ、私が演奏するのはプロコフィエフの五重奏曲Op.39という作品です。
五重奏ということで5人の奏者で演奏します。
オーボエ、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス
(2/12リハーサル風景)
の五重奏です。とても変わった編成ですね。
なぜかというと・・・
この作品はもともと、ロシアのあるバレエ団に依頼され、バレエ音楽『空中ブランコ』として作曲されました。
そのバレエ団は小規模な旅一座で、音楽は上記の5人からなる小編成の楽団が担当していたそうです。その編成に合わせて作曲されたため、このような変わった編成になったのですね。
その後いくつかの楽章が再編され、室内楽作品となりました。
もともとのタイトル『空中ブランコ』のとおり、この作品の舞台はサーカスです。
道化の楽しさや幻想的な美しさを持ちつつも、しかし一方でどこかグロテスクで不穏であるというような、サーカスの持っている様々な世界観が次々と顔を出します。全6楽章、20分超の作品ですが、どの楽章もそれぞれ違う表情を持っているため、最後まで飽きることがありません。
そしてサーカスなだけに、かなりアクロバティックな技術が要求されます。
プロコフィエフ自身が「いくつか難しいリズムがある」と言っていたらしいのですが、正直申しましていくつかどころではありません。
この作品、京フィルでは私が入団する以前に一度取り上げているそうです。
今回私は初めて演奏しますが、私以外のメンバーが演奏するのは二度目なんだとか。
一度 目が終わったときはもう二度とやらん!と思うほど大変だった、と皆さん仰られていましたが、またこのようにプログラミングされたということは、それほど魅力的な作品ということなのでしょう。
5人の奏者の丁々発止のやり取りにぜひご期待ください。
岩本 祐果