今日は(も)、夕ご飯を作るのが非情に面倒くさかったので今日は混ぜるだけのパスタにする事にした。
旦那にはそれではあんまりかと思いナポリタンでも作るか、と思っていたがわざわざ作らなくて良いよ、と家にあるカップ麺と、後はお握りでも買ってくるから、と言う事に。
コンビニへ行く前旦那は台所へとやって来て、
『気になる漫画があって、女の人のアルコール依存症の話しのやつなんだけど』
と言ってきた。
『あ~、知ってる。あれ高いんだよね、970円くらいするよね』
『そう、だから相談してから買おうかと思って』
『うーん、読んだ所でためになるかねえ(笑)』
『そんなもんなの??』
『いや知らんけど…』
と話がアルコール依存症の方向へと流れた。
私は、
『先ずさあ。私達家族が嫌がってるから酒を止めるとかそんな理由だったら止めらんないよ。何かこう、もっと自分で信念を持って始めないと』
『うーん……』
『だってそうでしょ?普通に周りが飲むなって言うからじゃあ止めるなんて出来ないでしょ。それともさ、自分はもう死ぬまで飲み続ける、酒は止めん!て言うなら止めはしないけど、私はそんな人とは生活出来ないよ』
『そんな事はないけど…』
『飲みたいなら飲めばいいよ、その代わり』
『死ぬね』
『死ぬとかじゃなくて、それでまたぶっ倒れたりしたら私達はどうなる?』
『うん…そこまでは飲まないけど…』
『そこまではじゃないでしょ、減酒は無理だって先生も言ってたでしょ?肝臓がイカれてるって』
『うん。でも9%とかじゃなくて、もっと弱いお酒とかなら…』
『何言ってんの!?私が3%のお酒を少しだけ飲んで、顔が真っ赤になって、眠~…だる~…てなってるでしょ!?今のあなたはそれと同じなのっ!!もう飲めないの!下戸になっちゃってんの!』
『そうか…』
『しかもそれプラス睡眠薬なんて冗談じゃないよ、あっという間に認知症になるよ。今だって充分忘れっぽくなってるじゃないの』
こうなって来ると私の口はもう止められない。
『酒飲んでまた倒れて入院とかもう無理でしょ、少しのお酒も無理なんだってば、酒飲んで色々紛らわしてさ、じゃあ私達の気持ちは?私達はどうなっちゃう訳?』
『いやもう飲まないようにしてるよ』
『飲まないようにしてるじゃなくて、飲むのか、飲まないのか、二択しかないんだよ!どっちなの?』
『……』
『私達の気持ちも考えてる?年がら年中飲むか飲まないか不安になってんだよ。出張だってあるし』
『出張の時はさ、飲まされちゃうんだよ…』
ここでまた旦那の嘘が炸裂したと思った。
『断わりゃいーじゃんそんなの!僕アルコール依存症なんです、肝臓もイカレてて少しでも飲むと死んじゃうんです、くらい言いなさいよ!』
『ああ、喋ればいいってことだよね』
あ?何言ってんだろ???
『あなたの肝臓は殆ど機能してないの!ほんの少しだけ残った細胞達が一生懸命解毒処理してくれてんのよ!薬だってなんだってみんな肝臓で解毒してるんだよ!可哀想だと思わないの!?細胞達がっ!』
『確かに可哀想だな…』
『分かりやすく言うとね、私や次女の肝臓はスポンジで出来てるの、でもあなたの肝臓はタワシになってんのよ!硬ーくなって繊維状になっちゃってんの!わかる!?』
『なるほど』
『あとね、一つ言っておくけど。あなた飲んで直ぐには酒臭くならないから。飲んでから数時間後に酒臭いような変な臭いがしてくんのよ。いつも二階から変な臭いがしてくるから分かるのよ』
『そうなの?』
『そう。あと、隠れ飲みも止めて。欺かれてると思うとすっごく嫌だし。まあ素直に言われても先生に言うけどね。そしたらまたノックビン(抗酒剤)を再開するけどね』
ここが私の良くない所で、どうしてかいつも一言多いのである。
『うーん…』
『レグテクトは効いてんの?』
『まあそんなに飲みたくはならないかな…ただあれ飲むと変な夢ばっかり見ちゃって…』
『飲み始めはそんなもんでしょ。慣れれば見なくなるよ、脳に作用する薬だしね。あんまり何ヶ月も長引くようなら先生に相談すればいいし』
『こないだ出張行った時夜中にお化けが見えたって言ったじゃん』
旦那は先日の一泊出張の時、夜中に女の人が部屋に出ると言っていたのだが、私は『ふ~ん』で済ませていた。
『多分薬のせいでお化けじゃないよね』
と言ってやった。
それにしても、何を言っても手応えを感じない。
それでも私は続けた。
『入院でもしてみる?多分入院した所で何も変わらないと思うけど。後は断酒会とか。私は絶対に参加しないけどね』
断酒会がどのように効果があるか分からないが、私の貴重な時間をその様な事に使いたくはない。
『断酒会か……』
旦那もそこには興味を示さない、と言うか。
『あなたさあ、何か興味のある事とかないの!?何に対しても興味が湧かないんじゃない?』
『うん。何にも興味ない』
『そこが先ずダメでしょ!だから飲んじゃうんじゃないのよ』
『趣味を作れとは言われるけど…』
『とりあえずそこのバッティングセンターにでも行ってきなよ、スカッとするから(やった事ないクセに言う奴)、それか何でもいいから疑問に思った事を調べてみるとかさ、そこから視野が広がって行くから』
『う~ん…とくに疑問に思う事ない』
『何でも良いんだって!ちなみに私は今日、製薬会社と医者の闇を調べてたよ←何を調べてるんだか。まあ胸くそ悪くなって調べるの止めたけどね。調べてそれを誰かに披露するとかじゃないよ、自己満足の為に』
しかし。
本当に手応えが無いというか…
暖簾に腕押しと言うか…
何だか突然たった一人で街頭演説をしているような気分になった。
この人の頭の中というか、心の中は、体の中は一体どうなっているんだろうか!?
体を…メスか何かで切り開いたら、なんだかヨレた古い綿か何かが入っているんじゃないだろうか。
昔からこうだった?思い出せない。
それとも長年の飲酒で普通の臓器から、普通の脳から、綿に少しづつ変わっていった?
この旦那との話の後、奴はコンビニへと出かけて行き、私は次女のいる部屋へ行くと彼女は、
『今日酔っ払い!?』と聞いてきた。
『多分?分からないけど』
『やっぱり!何か嫌な感じがしたのよ~』
えっ。次女がそう言うのならば酔っ払いだったのだろう……。
そうか。
私は酔っ払い相手の綿に対して長い時間ああだこうだと話をしていたのか。
先程まで私は物凄く無意味な事に時間を費やしていたと言う事か。
クッソー…悔しい。
今に始まった事ではないが、物凄い虚しさと後悔に苛まれた。
私の『一人演説』を開催する位ならナポリタンでも作っていれば節約にも繋がっただろうし。
ここ数ヶ月の間に私は『ケチ&節約生活』がすっかり身に付いてしまっていたのだ。
ああ勿体無い。
時間もお金も労力も、利息を付けて返して欲しい所である。