近所のおじさん事情 | 怒涛の6年

怒涛の6年

旦那のアルコール依存症→精神科外来→離脱せん妄→借金地獄→断酒→スリップ→精神科入院→現在



私の実家の2軒先にはもう数十年前からおじさんが一人暮らしをしている。


奥様と合わず、離婚をして奥様は出ていったのだそうだ。

その後、その奥様は好きな仕事を自ら立ち上げ人生を謳歌している。

家に一人残ったご主人は、とにかくキッチリした性格で、一人になってからも常に庭も綺麗にして、カーテンなどの大物も毎日のように洗濯していたのだそう。

奥様は元々が大雑把な性格の方なので、
それが合わなくて出ていったのだろう。

最近になって母は、
『同じシャツが毎日1枚だけ干しっぱなしになっているのよね…』
近所の家をいつも細かくチェックしている母はすぐそんな些細なことに気付いた。

『庭も荒れてきたし、多分病気じゃないかと思うのよ』


『息子が前は全然来てなかったのに最近はしょっちゅう来てるしね』

まあ息子さんが来てるなら安心か…


私も以前住んでいたアパートの近くのおじさんを思い出した。(今の家からも近い)

子供達が幼い頃、よくゴールデンレトリバーのルビーちゃんを連れて散歩をしていた。

とても優しく、見てくれも良い身だしなみもいつも小綺麗なおじさんで
よく子供達に声を掛けてくれていた。

いつしか奥様が病気で亡くなられたと聞いた。

おじさんもルビーちゃんも
余り見かけなくなった。

長女が小学四年生になった時、私は近所でパートを始め、そこは大型ディスカウントの雑貨店だったのだが、

近所で販売員をやっていると、知り合いの近所の方によく会うようになる。
そんな時、あのおじさんが頻繁に買い物に来るようになった。
のだが……
おじさんはもう私の事は覚えてなくて、

おじさんは
凄く小さくなってしまっていた。
すっかり痩せて、と言うか萎んだといった感じで、いつも同じえんじ色のダウンジャケットを着ていたのだが、

そのジャケットが、
所々破けて、あちこちに染みができ、
お世辞にも小綺麗とは遠くかけ離れた風采になっていた…

なんだか悲しかった。

おじさんはいつしかお店に来なくなってしまった。

風の噂で、
おじさんは癌を患っていたと聞いた。

しばらく後、
おじさんの家の前を通るとそこには既に、
知らない家族が住んでいた。

おじさんは亡くなったのだろうか…
それとも何処か施設にでも暮しているのか…

なんだか切なかった。

母の友人達はご高齢の方が多いので、最近軒並みご主人を亡くしているが

皆さん
『ああ!せいせいした!やっとね!』と口を揃えて、第2の人生と言わんばかりに趣味に勤しみ、日々の生活を楽しんでいるそうだ。

母もせいせいしたとは言わなかったが、自由な時間を手に入れ、一人暮らしを楽しみ、最近何だか若返ったような気がする。

皆がみなそうではないが、
なぜ男の人と女の人はこうも違うのか。

実家の2軒先のご主人は若い頃に離婚して以来ずっと一人暮らしだったので、そう言う訳ではないけれど、
元気でいてくれれば良いなと思う。