神田一明、日勝展へ | マダムルージュ

神田一明、日勝展へ

待ちわびた展覧会「神田一明、日勝展」へ。

 

昨夜からの雪で15cm以上積もった雪の中を車で出かける。

 

美術館が開館する9時30分に間に合うようにと友人と待ち合わせ。

美術館の駐車場は除雪が間に合わなかったのか、雪が積もっている。

 

9時に始まったというオープニングセレモニーが長引き、

9時30分を過ぎても中に入れず、待っている多くの人は寒さでガタガタ。

 

中に入ると、神田一明さんと日勝さんの奥様のミサ子さんが歓談していらした。

 

 

会場は、まず神田一明さんの絵が30点ほど並び、

奥に日勝さんの絵という構成。

 

美しい青の時代の一明さんの作品。

朝日ジャーナルの表紙となった絵の紹介もあった。

 

 

奥さまがモデルか「彫刻する女」。

30点を一気に見ると、

あらためて神田一明という画家の凄さを感じて鳥肌立つ思いだ。

 

 

日勝さんは32歳という若さで亡くなられたので、作品の数は少ないが、

どれもテレビなどで紹介されており、よく知られた迫力ある絵が並ぶ。

 

気さくな神田ミサ子さんと少しお話しさせていただいた。

 

あまりにも有名な日勝の「室内風景」。

「この絵では、私が膝を抱えた格好でモデルになったんですよ。」とおっしゃる。

 

「寝ているところを起こされて、こういうポースをしろと指示されました。

ズボンのしわが、どのようになるのか知りたかったみたい」とミサ子さん。

 

こんな明るい絵もある。

 

「まさか、日勝が亡くなって50年以上たってから、兄弟展が開催されるなんて」と

感慨ふかげに話していらしたのが印象的だった。

 

写真で見る限り、頑強な体をしていた日勝だが、

日頃から「俺は早死にするから」と話していたそうだ。

 

 

今日は元京都造形代教授・藤村克裕さんが

「神田兄弟とその時代」と題して講演なさった。

当時の日本の絵画の状況を背景に

一明さん、日勝さんの絵それぞれについて解説してくださったが、

一明さんの絵について

「色彩感覚が図抜けて素晴らしい」「モノとモノの間の隙間のあしらいが卓越している」という言葉が印象的だった。

 

 

「兄弟ではあっても、画家としては、全く別の作家だから」

と一明さんはいつも言っていらっしゃる。

芸大の休みに帰省するたびに、日勝さんと熱い議論を戦わせたそうだ。

「日勝は議論好きでね。彼との議論の一言一言は、今でもはっきりと覚えている」

 

兄弟展が実現して喜びに溢れているような一明さんだった。

兄弟展の開催に関しては、奥さまの比呂子さんの尽力が大きかったという。

 

3月まで開催しているので、また何度も足を運びたいと思う。

そして、多くの方に見ていただきたい。