サピの算数テキストの仕組み | 私の王子様 〜開成ママの独り言〜

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息子の育児日記&主婦のお出かけ日記。

公文→サピα1→中学受験し、開成、聖光、渋幕を含め全勝。

【スマイルゼミ】タブレットで学ぶ幼児・小学生・中学生向け通信教育


せっかくサピに入っても、親御さんがサピの仕組みを知らないと効果的に子供に学習させる事はできません。まずテキストの仕組みを知る事から始めましょう。


他塾の人これからサピに入る事を検討している人も、サピ生がどのような学習方法で勉強して、あれだけの難関校の合格実績を作っているのかを少しでも知っていただけたらと思います。


また、難関校向けのαクラス(偏差値S60以上)とアルファベットクラスでは一体、どんな違いがあるのか、知っておいて損はありません。クラスによる宿題範囲の違い、学習の仕方の違い、小テストの違いなど、なぜ、多くのサピ生がαクラスにこだわるのか、どんな違いがあるのか、よく知るとその理由が見えてきます。



●算数テキストの仕組み●


サピのテキストは、毎回授業の時に冊子やテキストが配られる方式です。

上のクラスから下のクラスまで全く同じ物を利用するため、上位2割に合わせた内容で、クラスによって宿題の範囲が異なります。上のクラスほど範囲は広く、アルファ以上は全範囲が宿題となります。


すべてのテキストをやれば、算数は偏差値S58くらいまでの学校に対応していると思います。S58以上の算数対策は6年9月以降の志望校別のSS教材で仕上げます。


算数サピテキストは、平常では、この2冊となります。

◯メインのB4冊子

前半は、授業で使う用の「解説なしで答えのみ」のアプローチ問題。

後半に宿題用のA〜E問題(6年)

A〜E問題も授業でやる場合もある。(解説あり)。

4年や5年生だとA〜C問題までで、最後にサピアという、習った範囲で解ける入試問題がついている。

◯B5冊子(A〜E問題の類題専用)


数値変えの類題は4年〜6年のどの学年でも

①A〜E問題本体に一つ

②アプローチに1つ

③B5冊子に1つ。

の全部で3つ、必ず類題があります。


どの学年でもA〜E問題(5年まではA〜C)の表と裏面は全く同じ問題なので、まずは習ったら表面に直書き。何度も繰り返しやりたいお子様は、裏面も全く同じ問題なので、裏面をコピーしてやります。

なお、アプローチやB5冊子は裏面はないので、一度、やったら、おしまいです。


で、1ヶ月後のマンスリーテスト前にもう一度、A〜E問題の裏面をコピーしてやる。

もしくは、時間がない場合は、前回間違えた問題だけやり直します。


●算数デイリーチェックについて●

ある時から(5年くらいかな)デイリーチェックの内容は所属クラスによって大きく2つか3つにレベル分けがされるようになります。


レベルH(ハイレベル)→アルファクラス用

レベルM(ミドル)→偏差値50以上

レベルL(ロー)→偏差値50以下(Lは現在は廃止されたかも?)


昔はあからさまに(H)(M)(L)の表示があったのですが、最近はわからないように、テストのテキスト番号が微妙に変化してるようです。


息子は帰り道に小学校が同じで、サピのクラスが異なるお友達何人かと、当日のデイリーチェックの話をした時があり、友達が「今日の3の問題が解けなかった〜あれってさ、◯◯だよね」と言うものの、全く話が通じない時がありました。

なんか、おかしいぞ?とお互いのテストを見せ合うとテスト内容が違っていて、クラスによってテストが分けられている事に気づいたそう。

もちろん、順位が出る、組分けやマンスリーテストは当然ながら、上のクラスから下のクラスまで全く同じ問題です。ただ、普段の小テストである、デイリーチェックはクラスによって違うようです。


●算数だけの話●

筑駒、開成、聖光、渋幕、渋々、麻布などの難関校を受験するα(アルファ)クラス(S60以上)の場合、やるべき算数の宿題テキスト全部です。


更にαクラス以上は、6年頭から、授業時間内に中堅校の過去問(入試問題演習)を実際の入試時間より短くして実施し、点数上位だと全国順位を出します。


なお、アルファベットクラスの人は志望校が中堅校となる為、入試問題演習=中堅校の過去問なので、秋から志望校の過去問を自宅でやる為、入試問題演習はやらずにテキストを使った授業だけをします。



●お友達の話●
塾の帰り道、息子はサピに通う小学校の友達数名と帰るのですが、お友達(クラスはちょうど真ん中位)から「間違えた算数の問題はコピーして10回同じ問題をやっている」と聞き、とても驚いたそう。

息子は、4年から6年まで、全テキストをコピーもせず、テキストに直書き一回しかやらなかったからです。


時間的に考えて、10回も繰り返すのは無理では?

しかも同じ問題を10回もやったら答えを覚えてしまわないのかな?と私に聞いてきました。


宿題は、αクラスが基礎から応用まで毎週100問の宿題が出たとすると、例えばアルファベットクラス(S60以下)の中でも、真ん中辺のクラス(芝、巣鴨、本郷、浅野、攻玉社あたりの志望層)には、50問くらい出ます。また、1番下のAクラスだと基礎問題だけが10問出るような仕組みです。(宿題の出題数はあくまで例です)


時間的にアルファの人は100問こなさねばならないので一回解くだけで精一杯ですが、10問しか宿題がない人は全部を10回やっても時間的にできない事もない。


また、初めて覚える問題を何回で覚えられるかは個人差があります。αの人が算数テキストを一回(類題3回)で定着可能だとしても、普通は5回で定着する人、10回の人、20回の人、覚えてもすぐ忘れる人、などがいます。

でも、重要なのは、何回かかろうと定着するまでやり、穴をなくす事と、受験までに基礎を全て覚える事だと思います。


入試本番までに穴があると応用が解けなくなるので、、子供が何回繰り返す事で定着し、どのくらいの期間、覚えてられるのか把握するのが大事と個人的には思います。

それがわからないと、そもそも何回繰り返せば良いかわからず、子に無駄な繰り返しをさせたり、回数が少なくて全然定着しない場合もあるからです。


なので、その子の親は自分の子が必要な回数を繰り返す事で定着させ、入試で成功するよう、工夫しているんだ。という話をしました。

受験後に聞くと、その子は第一志望に受かったそうです。お子さんの繰り返し回数を親御さんが見定めて成功された良い例だと思いました。


ただ、算数に限っては、αの人は充分な問題数が解けても、半分より下のクラスの場合はテキストに入っている少しの基礎問題をひたすら繰り返して解く事になるので、基礎問題を補助する市販の問題集があると安心かもしれません。


●テキスト以外の市販はやるべき?●


算数だけは、クラスによって市販問題集を併用すると良いです。こちらはSの先生推奨の参考書&問題集で、テキストと同レベルの基礎問題が沢山あり、更に詳しい解説付き。サイズは公文と同じコンパクトサイズですが、辞書みたいに結構、分厚いです。

この問題集はSのテキスト(特に4年〜5年)通りの内容で、更にこれで予習すると、授業時の吸収も良くなります。


●算数問題の難易度●

算数の問題の難易度は星1〜星3で示され、星1は基礎で、星2が応用、星3は難問となります。

学年が上がるごとに、同じ問題が

→4年で星3で登場

→5年で星2で登場

→6年で星1で登場

だから、新単元では、前に習った事を基礎として思い出しつつ、必ずその単元の更に新規で知る難しい星3の問題もセットで習う事になる。

それがサピのスパイラル方式。

だから星3つがその時に出来なくても別に大丈夫なのです。来年、星二つで登場するから。

でも、星三つまで出来る方が、後が非常に楽です。


うちは星3つまでは確実にやり、サピア(入試問題)は解けるものだけやってました。サピアのできなかった問題は答えとセットでコピーして、別にまとめておき、長期休暇などの際にやっていました。


先生が言うにはアルワンの子は皆、記憶力が良いので、答えを覚える為、繰り返さず、一度やって終わりの子が多いそう。


周りのお友達を見ていると、最後までアルファに残る人は、最初から星3つまでできてる人が多かったです。星二つまでの場合は、最終的に中堅校(偏差値50〜55)に進学してる人が多かったかな。


不思議な事に、学年が上がるごとに何度、範囲なしテストを繰り返しても、クラス変動は上下各1クラス移動くらいしか動かなくなるのです。


●算数の見えない壁●

算数に限っては、偏差値帯によって解く問題の質が異なるので、S50、S58、S63辺りの偏差値の学校を境目にして算数の問題の質が変わります。

なので、志望校がこの壁のどの偏差値帯にあり、その学校を目指すには塾ではどの辺のクラスに居ないと、教わる事ができなくなるのか、を親御さんは意識する必要があります。


具体的にいうと、

①S50以上の学校に入りたいなら、星2つまでは解けないといけないし、真ん中より上のクラスにいないと厳しいです。


②S58〜S63(麻布、武蔵、駒東、海城、早稲田、慶應3校など)までの学校を目指すなら、テキストは全部解かないといけないし、αに居ないと厳しいです。


③S63以上(筑駒、開成、聖光、渋幕、渋渋)の学校を目指すなら、αの半分より上位にいる事は必須で、SSは「SS開成」一択です。どちらも満たさないと出題される算数を教われる機会がなくなります。


なお、他科目は壁はありません。


6年まで終えてわかったのは、4年〜6年前半までの算数テキストやα以上で実施する入試問題演習をこなしておくと、大体、偏差値58までの学校の算数ならできる状態になると思います。

しかし、58以上を目指すなら、習ったものは全部できて当たり前で、それ以上の内容は6年後期の志望校別SSで仕上げていく事になります。


●息子の場合●

算数の場合は、2回解いた問題は1〜2年経っても、どの問題集やテキストで解いたかを大体覚えていたし、一度解くと、1ヶ月くらいは問題の答えを覚えたくなくても勝手に覚えていたので、

①4年から6年まで、算数の宿題はテキスト直書き1回

②1ヶ月後のマンスリー前にもう一度A〜Eを解く

事で定着させてしました。


なお、算数テキスト内には類題3問が必ず入っているので、全テキストを一回やるだけで、定番問題の類題を最低3回は繰り返しています。


息子は、6年夏前まで算数のテキストは一問残らず解いてましたが、9月以降は過去問とSSが増えるので、量の関係で段々とこなせなくなり、B5冊子を全部解くのは辞めて間違えた問題の類題のみ、解く事にしました。


●記憶が残るシステム

エビングハウスの忘却曲線に沿って、サピは自動的に塾の宿題やテストを利用して、実施してくれてます。


①当日、塾で習う。(例:速さ(1))

②翌日、宿題を解く。

③1週間後のデイリーチェック(4科目あります)

④ 2週間後の基礎力定着テスト(算数だけあります)

⑤1ヶ月後、マンスリーテスト

⑥3ヶ月後、組分け


また、更にスパイラル方式で同単元の応用問題が何度も出現。

⑦半年後、①の同単元の応用問題が出現(例:「速さ(2)」)

速さ(2)について①〜⑥を繰り返す


⑧一年後同単元の⑦の応用問題が出現(例:速さ(3))

速さ(3)についても①〜⑥を繰り返す


サピはこれだけ繰り返すので、長期記憶に残ります。