合成麻薬の原料物質 愛知県が扱い業者の管理状況立ち入り検査

                2025年07月01日    NHK 東海

 過剰摂取による死亡が アメリカで社会問題になるなどしている合成麻薬の「フェンタニル」

について、愛知県は、原料となる物質を取り扱う薬品会社などで 物質が適切に管理されて

いるかを確認する立ち入り検査を 1日から始めました。

   立ち入り検査は 厚生労働省からの通知を受けて愛知県が始め、1日は担当職員2人が

名古屋市内の小売業者でフェンタニルの原料になる物質の取り扱い状況を調べました。

   検査の結果、この小売業者では 最近2年ほどの間、原料になる物質の取り扱いは

ありませんでした。

    愛知県は 普段、取り扱いのない販売先からの発注や不自然な量の発注など、原料になる

物質の違法な取り扱いが疑われる場合は届け出るよう 小売業者に求めたということです。

    愛知県によりますと県内には、フェンタニルの原料になる物質を取り扱う薬品会社など

卸や小売の事業者は あわせて26あるということで、県は、今月10日までに順次、

立ち入り検査を行うことにしています。

 愛知県医薬安全課の※ハマ島直樹担当課長は「 今後、疑わしい取り引きがあった場合には

速やかに届け出をしてくださいと、いま一度お願いしていく 」と話していました。

                                                                   ※ハマは眉浜。

 

🔷グラス駐日米大使、フェンタニル「日本経由の密輸防止を」 

   中国共産党の関与訴え

      2025年6月27日    日本経済新聞

      グラス駐日米大使は 26日、合成麻薬「フェンタニル」について、日本経由での不正取引を

  防ぐ必要性について コメントした。X(旧ツイッター)への投稿で「 日本と協力することで

  (フェンタニル原料である)前駆体物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の

  地域社会と家族を守ることができる 」と述べた。

    フェンタニルは 米国で中毒者の増加が社会問題になっている。グラス氏は「 中国共産党は

  この危機を意図的にあおっている...

 

 

 🔷 米国へのフェンタニル密輸、日本経由か 中国組織が名古屋に拠点 

                                                    2025年6月25日             日本経済新聞

    合成麻薬「フェンタニル」を 米国に不正輸出する中国組織が 日本に拠点をつくっていた

疑いが判明した。日本経済新聞の独自調査でわかった。中心人物が 名古屋市に法人を登記

し、少なくとも 2024年7月まで 日本から危険薬物の集配送や資金管理を指示していた姿が

浮かび上がった。日本は 米中対立を招いたフェンタニル危機の最前線となっている恐れが

ある。

 米国ではフェンタニルの乱用で 年間 数万人が死亡し、大きな社会問題にな...

 

 

合成麻薬フェンタニルの闇、名古屋が結節点

 アメリカ・中国・メキシコつなぐ地下経路

            (米中「新アヘン戦争」の裏側狙われた日本・上) 

                                              2025年6月26日    日本経済新聞

  ・・・

 2023年5月、フェンタニル密輸組織に対する DEA(米麻薬取締局)の逮捕状請求書

       危険薬物を 米国に違法流入させた疑いで、DEAは 23年6月に中国籍の男「王慶周

   (Wang Qingzhou)」と女「陳依依(Chen Yiyi)」を逮捕した。

    捜査の過程で浮かんだのが「日本にいるボス」の存在だ。 ・・・

   ・・・「 弊社には 2人のボスがいる。1人は 日本にいて、もう1人が この私(王)だと

       クライアントには 理解してもらいました 」・・・

 

・・・

    25年2月、Amarvel Biotech裁判をめぐる米検察側の意見書

      王らは 中国・武漢の化学品メーカー「Hubei Amarvel Biotech(湖北精奥生物科技)」

    の幹部だった。法に反して フェンタニル原料を 米国に持ち込んだとして 米裁判所から

    有罪評決を受ける。公判で「日本のボス」と目される中国人男性の名前が明らかになる。

・・・

    「 陳は Fengzhi Xiaが投資する Amarvel Biotechなど4社で働いていたと証言した 」

・・・

 浮かび上がる「日本のボス」

  日本経済新聞は 計100本を超すAmarvelの裁判資料を調べ、膨大な文書のなかから

    「日本のボス」は「Fengzhi Xia」という人物である可能性をつかんだ。記述は わずか数行

    のみだ。米当局も 詳細を把握できていないのか、漢字名などは伏せたままになっている。

        取材班は 大量のSNS情報にあたった。そして Fengzhi Xia本人が使っているとみられる

    アカウントを見つけた。

 

    この人物は 実名制のフェイスブックで 別の名前も登録していた。

     「夏」姓の3文字の漢字名だ。中国語の発音を示す ピンイン「Xia=夏」と合っており、

    とくに 下の名前「Fengzhi」にあたる漢字の組み合わせは 中国でもそう一般的ではない。

 

    1人しかいないフォロー先は ベトナムの薬品関係者だった。

       SNS「微信(ウィーチャット)」や 通信アプリ「テレグラム」、決済サービス「ペイパル」

   でも 同じ名前のアカウントを見つけた。それぞれ自身を紹介するプロフィル写真は

   フェイスブックのものと酷似している。

・・・

   中国企業データベースの天眼査 「富仕凱貿易(武漢)」

        夏は 中国各地にある 少なくとも16社で株主になっていた。このうち武漢にある「富仕

 凱貿易」は 夏が100%出資する。24年7月に辞めた監査役の「王慶周」は ニューヨークの

    裁判で有罪になったAmarvel幹部と名前が一致した。・・・

 

    Firsky International Trade (Wuhan) のホームページ

       富仕凱は 中国語読みに近い「FIRSKY」というブランド名で活動していた。幅広い化学品

    を扱う とあり、日本とみられるオフィスビルも写っている。

   「 弊社は 日本が100%出資する企業です。武漢に拠点を持ち、日本 FIRSKY と 強力な

    提携関係にあります 」。自社紹介で使う工場写真は すでに閉鎖したAmarvelのサイトと完全

    に同じだ。

 

    登記事項証明書 「FIRSKY株式会社」

        FIRSKYは 日本でも法人登記していた。代表者は で、名古屋市西区が 本店所在地

    なっている。21年6月に那覇市で設立し、22年9月に移転した。

 

      「会社目的: 建築材料、化学品及び材料に関する輸出入……」「代表取締役: 夏……」

 

      取材班は 中国や日本の企業データベースを使い、夏の記録を追った。たどり着いたのが

   中国・武漢の富仕凱であり、名古屋の FIRSKYだった。

   両社は 実質 同じ組織とみられ、米国で 幹部が有罪になったAmarvelともつながっていた。

      米国で Amarvelの裁判が進む 24年7月、名古屋のFIRSKYは ひっそりと清算していた。

   後に有罪となった王慶周が 武漢の富仕凱を辞めた時期に重なる。

      夏は Amarvel裁判で明らかになった「Fengzhi Xia」と同一人物で、組織のリーダー格

   だった可能性が高い。名古屋市に法人を作り、少なくとも 24年7月まで 日本から危険薬物

   の集配送や資金管理を指示していた姿が浮かび上がってきた。

      米中対立を生んだフェンタニル危機は 人ごとではない。日本も最前線となっている恐れ

   がある。

 

 

                          

                 「 日本は フェンタニルも含めた麻薬の密輸拠点になっている 」

 

   取材班は 危険薬物の国際ネットワークを追ううちに、麻薬組織に詳しい複数のメキシコ人

専門家らの協力を得た。彼らが決まって指摘するのが「日本ルート」だったのだ。

しかも 経路は いくつも存在しているという。

    実際、その根は 予期せぬところにまで広がっていた。

 

   愛知県名古屋市西区――。

自動車など 日本の製造業を支える中枢都市だ。ここに 密輸団の一つは静かに、かつ巧妙に、

世界をつなぐ活動の結節点を設けていた。

 

  フェンタニル密輸、「ボス」が執着した日本 

   見えてきた偽装のしかけ 

    (米中「新アヘン戦争」の裏側 狙われた日本㊥)

 

        「善意の同胞」隠れみのに 華僑社会に紛れたフェンタニル組織

              (米中「新アヘン戦争」の裏側 狙われた日本・下) 

 

 

 

 

 

🔷 財務省職員 不正薬物密輸の容疑者など書かれた文書紛失

              2025年2月10日   NHK

 財務省は 関税局の職員が、酒を飲んで帰宅する途中、不正薬物の密輸の容疑者など

187人分の氏名や住所が書かれた文書を紛失したと発表しました。

発表によりますと 文書を紛失したのは 財務省関税局調査課の職員です。

    今月6日、横浜税関で打ち合わせをしたあと 税関の職員とともに 横浜市内の飲食店で

酒を飲み、帰宅途中、JR錦糸町駅で電車を降りた際、かばんを紛失したことに気がついた

ということです。

     かばんの中には 当日の打ち合わせで受け取った不正薬物の密輸入の容疑者や大麻の実の

受取人など 187人分の住所や氏名、事案の概要が書かれた行政文書9枚のほか、自身や

調査課の職員の個人情報が含まれた業務用のノートパソコンなども入っていたということです。

職員は飲食店で午後6時ごろから午後11時までビールを9杯飲み、紛失した場所は覚えていないということです。

財務省はこれまでのところ、これらの情報が不正に使われたという連絡は入っていないとしています。

財務省は「国民のみなさまの信頼を大きく損なうもので深くおわび申し上げる」としたうえで、紛失した職員については厳正に対処するとしています。