年齢別の事故率は?10代・20代と高齢者、どっちが高い? 

  高齢者の交通事故について 報道の影響から増えているように感じている人も多い。

   しかし、長期的なトレンドとしては高齢者の交通事故件数は減少している。

 高齢者人口の増加の影響を除くために、免許保有者10万人当たりの事故件数の推移をみると

 10年前と比べて大きく下落している。

 

  高齢化により高齢者人口が全人口に占める割合が増えている。それに伴い、全事故に占める

 高齢運転者による事故の割合も増えている。

 それゆえ、高齢者による事故が増えていると感じるのだと考えられる。

 

 

 

 

           年次

年齢別人口の推移  日本の総人口

              65歳以上人口       65歳以上の割合

              75歳以上人口   75歳以上の割合

  2005      2010    2011   2012   2013        2014       2015       2016        2017       2018   

 127,768    128,057   127,799   127,515   127,298   127,083   127,095  126,933  126,706   126,443     

 25,759   29,483  29,753   30,792  31,899   33,000  33,869  34,593  35,151  35,580

 11,638   14,193  14,708   15,192  15,604   15,918  16,323  16,910  17,481  17,975

   20.2   23.0  23.3  24.1  25.1  26.0  26.6  27.3  27.7  28.1

   9.1         11.1      11.5     11.9      12.3      12.5      12.8      13.3      13.8      14.2

 

 

           総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

 

 

 

    しかし、

     ⇩

 

  令和5年における交通事故 の発生状況について - 警察庁

    P3 1-3 交通事故死者数・重傷者数の推移 3 
    (注)・国際道路交通事故データベース(IRTAD)資料(令和6年1月16日時点)
     国別状態別30日以内死者数の構成率比較 【2022年】
    ● 日本は欧米諸国と比較して 30日以内死者数に占める「歩行中」の割合が高い 
    ● 日本は欧米諸国と比較して 30日以内死者数に占める「65歳以上」の割合が高い
 
     P6  3-2 自転車関連交通事故の状況 
    ● 自転車対歩行者事故の構成率は 近年増加傾向(平成25年 3.4% → 令和5年 4.9%)
        ● 歩道における歩行者死亡・重傷事故では
                         自転車運転者の多くが 25歳未満、歩行者の多くが 65歳以上
 
 
   他の国と比べてみて、
  歩行中、自転車乗用中、二輪車乗車中による死亡者が、
  乗用車乗車中の死亡よりも大きな割合を占めており、
   しかも、
  他の国の死亡は、乗用車乗車中が かなり大きな割合を占めている。
 
 
 
   これらが示しているのは、
  ”日本の道路のあり方に問題がある”ということだ。
 
   歩道と車道および自転車道の区別が曖昧か、
   それらが近接していて、
   分離していない道路がほとんどである。
 
  つまり、日本の道路行政が、
  住民(人間)の生活よりも、
  経済優先で行われてきた結果ではないか?
 
    自動車社会の負の面(事故や騒音振動等)のカバーを、 
    経済界に対してではなく、
    住民に強いる
 
    という 日本の道路行政の思想そのものが、
    歩行者や高齢者の死傷者を
    大量に生んできたのである。
 
                     合掌