新型コロナウイルス 

旭川厚生病院の医師「通常業務全くできず 医療崩壊と思う」

                2020年12月8日       NHK

  新型コロナウイルスのクラスター=感染者の集団が 国内最大規模で発生している、旭川市の

   旭川厚生病院に勤務する医師が、NHKの取材に応じ、「 通常業務は全くできず、医療崩壊、

   機能不全に陥っているのではないか 」と深刻な医療体制の現状を語りました。

      旭川厚生病院では、先月20日から21日にかけて 患者と職員合わせて 29人の感染が確認されて

   以降、急速に感染が拡大し、感染者は 230人を超えて 国内最大規模となっています。

 

             市長:西川将人   2006年(平18)11月17日 ~2021年(令3)8月31日

        今津寛介   2021年(令3) 9月26日 ~

       医療体制がひっ迫する中、旭川厚生病院に勤務する医師が 匿名を条件にNHKの取材に応じ、

   これまでの院内の様子を語りました。
      この中で医師は、院内での感染が始まった当初の様子について「 看護師1人が発熱して

   新型コロナに感染していることが確認され、接触した可能性のある入院患者や看護師などを

   検査したところ、感染が広まっていることが分かった 」と述べました。

       そのうえで「 予想していた以上に感染のスピードが速かった。ある程度の人数で抑えられる

   とたかをくくっていたが、こんなに一気に感染が広がるとは思っていなかった 」と振り返りました。


      現在 院内では、診療科にかかわらず 新型コロナウイルスに感染した入院患者を専用の病棟に

   集めていて、医師は「 感染を これ以上広げないため、回診は 当番の医師が行い、結果を それぞれ

   の主治医に報告する形をとっている 」と説明しました。

      そのうえで「 通常業務は全くできていない。医療が崩壊し、機能不全に陥っているのでは

   ないかと思う 」と述べ、新たな感染者の発生が続く中で 医療体制がひっ迫して十分な診療を

   行えない現状を明らかにしました。

     そして、医療従事者の現状について「 特に看護師が疲弊していると思う。精神的に耐えられなく

   なって休んでいる看護師もいる。本当に使命感、自分がやらないとだめだという使命感だけで

   やっている。そういう状況の中で耐えられない人がいても やむをえないと思う 」と述べ、

   ギリギリの状態で治療を続けている厳しい実情を訴えています。

 

  院長 症状ある人への対応だけで 防ぎきれない実態

      旭川厚生病院の森達也院長は 7日、NHKの取材に応じ、最初に感染者が確認された当時の様子

 やその後の対応を語りました。
     この中で森院長は「 無症状の人が非常に多く、そうした人から 次々と感染が広まったとみられる。

   無症状でも これだけの感染力があり、ここまで拡大したことに驚きと怖さを感じる 」と述べ、

   症状がある人への対応だけでは防ぎきれない実態を証言しました。

      病院では その後、新型コロナの感染者を2つの専用の病棟に移したうえで、感染した人と

   感染していない人の行動範囲を切り離すなどの 感染拡大の防止策をとっていて、森院長は

   現状について「 累計では増えているものの、陽性の患者は少しずつ減ってきている 」と

   説明しました。

      さらに 森院長は、医療体制のひっ迫に拍車をかける一因として、看護師などが 子どもを

   保育所に預けようとして拒否され、働けなくなってしまうケースが起きているとしたうえで

  「 そうしたことがなくなれば、もう少し働ける人が増えると思う 」と述べ、医療現場への理解

   と支援を訴えています。

 
            2021年6月17日   朝日新聞デジタル
 新型コロナウイルス患者受け入れを巡る不適切発言 や パワーハラスメントなどが問題になって
いた 国立の旭川医科大学(北海道旭川市)の吉田晃敏学長が 17日、辞任を表明した。
    吉田氏は 自身の処分について検討する同大の学長選考会議の姿勢を批判。 代理人弁護士が
会見で問題点を挙げた。その主な項目と これまでの吉田氏を巡る問題の経緯は 次の通り。

    吉田氏の代理人弁護士が文書で指摘した「学長選考会議の問題点」
    ・ 会議は、国立大学の学長の解任請求に対する議決という重要な意思決定を行うにしては、
     あまりに拙速な進行だ。
    ・ 解任請求理由が、吉田氏と代理人に対し 具体的に明らかにされていない。
    ・ 会議内に設置された調査委員会で、吉田氏に対するヒアリングが、必須ではないとして、
     なされなかった。
    ・ 調査委員会の報告書の内容が、吉田氏と代理人に開示されていない。
    ・ 会議の構成員に関する議事内容が、辞任の意思がない委員をいったん辞任したことにして
     議事を進めてしまっているなど、明らかに迷走している。
               ※17日の会見で示した文書から

旭川医大の吉田学長を巡る問題
      2019年3月        吉田氏が学長に再任される。4期目。任期は23年6月まで
      20年12月     ・「文春オンライン」が新型コロナのクラスターが発生した民間病院
                          をめぐる吉田学長の不適切発言を報じる
                        ・ 付属病院の古川博之院長(当時)が 朝日新聞の取材に、吉田病院からの
                          コロナの軽症患者の受け入れの許可を 吉田学長に認められず、「 代わりに
                          お前がやめろ 」と言われた、と明らかに
      21年1月       ・ 付属病院の古川院長が 院長職を解任される
                         同月 吉田学長が 滝川市立病院からアドバイザーとして 14年にわたって
                         高額報酬を受け取っていたことが明らかに
            2月        ・ 古川前院長が 記者会見し、吉田学長のパワハラなどを訴え
                         ・ 学内の教職員が 吉田学長の解任を求め、学長選考会議に署名を提出
            3月        ・ 学長選考会議が第三者委員会を設置し、調査することを決定。
                         ・ 大学の医学部医学科同窓会が 学長選考会議に 吉田学長の解任を要請。
            6月        ・ 第三者委が「 お前がやめろ 」発言の事実を認定。
                         ・ 吉田氏が  15日付で辞表を 萩生田文科相に提出
 ・・・
 
            2021/02/01     読売新聞