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県警不祥事隠蔽「意図した指示一切ない」

…本部長が前生安部長の主張を否定会見 県議会委は11日に集中調査

              2024/06/08    南日本新聞 

 

 国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕、送検された 前鹿児島県警生活安全部長

無職男(60)=鹿児島市紫原5丁目=が「 野川明輝本部長が 県警職員の犯罪行為を隠蔽しよう

としたため漏らした 」と主張していることについて、野川本部長は7日、「 隠蔽を意図した指示

は一切ない 」と否定した。

 県警は 同日夕、記者クラブの加盟社に急きょ連絡し、県警本部で説明した。

 
野川本部長は 6日の報道陣の取材に「(隠蔽かどうかは)捜査の中で必要な確認を行う」と述べ、

否定も肯定もしていなかった

 翌7日の説明では、容疑者の主張について「 動機に関することであり、なぜ そのような主張を

したのか、捜査で必要な確認を行う 」と強調。「 捜査終結時に、説明できることは しっかり説明

する 」と述べた。

 関係者によると、容疑者が漏らしたとみられる文書の中に、野川本部長が 隠蔽を指示したと

うかがわせるような記載はなかった。

 県警によると、容疑者は 県警の他の部長を問い合わせ先と記した上で、公表を望んでいない事件

の女性被害者の名前などを第三者に漏らしたとしている。南日本新聞の取材では「他の部長」は

前刑事部長。 容疑者が漏らしたとされる事案の内容については、2023年に 男性警察官が、市民の

情報をまとめた「巡回連絡簿」を使い、県内の女性に携帯電話で 性的な内容を含むメッセージを

送った可能性がある。
 容疑者は 鹿児島簡裁で 5日あった勾留理由開示手続きで、トイレに侵入して女性を盗撮した

として逮捕、起訴された巡査部長の事件対応と合わせて、県警側を批判していた。

◇県警不祥事を11日に集中調査 県議会総務警察委

 鹿児島県議会総務警察委員会は 11日、前鹿児島県警生活安全部長が 国家公務員法(守秘義務)

違反の疑いで逮捕、送検された事件など 県警の一連の不祥事について集中的に調査する。事件を

巡る 野川明輝本部長の対応などについて、質疑を交わすとみられる。

 議会事務局議事課によると、同委員会は 当初 11日の冒頭に県警本部の一般調査を行う予定だった。一連の不祥事を受け、調査終了時間が読めず 他の部局の審査・調査に影響があると判断した。

同日最後に組み替え、調査する予定。調査時間が足りないと判断した場合は、12 日の予備日も使う

可能性もある。

 同委員会は 西村協委員長(自民、枕崎市区)ら計10人で構成。他委員会の議員の傍聴や質問も

可能で、複数議員から参加を希望する声が上がっている。

 

 

 

   鹿児島県警の前生活安全部長を逮捕 職務上知りえた秘密漏らした疑い  2024/05/31

     鹿児島県警は31日、職務上知り得た秘密を職を退いた後に漏らしたとして、

    国家公務員法違反容疑で前県警本部生活安全部長(60)=鹿児島市紫原5丁目=を逮捕した。
     前部長は2022年3月25日に生活安全部長就任、24年3月25日付で県警を退職した。

    逮捕容疑は退職後の3月下旬、鹿児島市内で、在任中に入手した警察情報が印字された書面

    を第三者に郵送してその内容を閲読させ、職務上知り得た秘密を漏らした疑い。 

 

 

         納得できる県民いるのか…相次ぐ現職警官の逮捕は「コロナで人間関係が希薄になった

            のが一因」 鹿児島県警トップ、県議会で答弁      2024/05/31

               県警の警察官が相次いで逮捕された事態を巡り、野川明輝本部長は30日、一因として

    「 新型コロナウイルス禍など社会情勢の変化を受けて人間関係が希薄になった。非違事案

     の兆しを組織として把握できなかった 」などと説明した。同日の県議会本会議で、自民党の

             角野毅議員(鹿屋市・垂水市区)の代表質問に答えた。
              計304人分の個人情報が漏えいした事件への対応を問われた野川本部長は

            「(逮捕された元巡査長が)業務を円滑に進め、組織での評価を高める目的で情報漏洩した 」

             とし、従来の公表内容を繰り返すにとどめた。その上で「 適正な業務評価で勤務意欲を

             高め、帰属意識の醸成を図る。その根幹となる良好な人間関係の構築に取り組むことこそ、

             抜本的な再発防止策になる 」と強調した。
               角野議員は「 組織の根幹に関わる 極めて重大で由々しき事態だ。多くの疑問が残り、

             野川本部長の答弁に納得できる県民は 本当に少ない 」と指弾した。

             同日は 県民連合の湯浅慎太郎議員(姶良市区)も代表質問し、「 県警の信頼は 地に

             落ちたと言わざるを得ない状況だ 」と言及。県警を管理する県公安委員会の増田吉彦委員長

             に見解を求めた。増田委員長は「 極めて深刻な状況だと受け止めている 」とした上で

            「 野川本部長に対し、警察に期待される役割を 改めて認識し、失墜した信頼の回復に全力

             で取り組むよう要請した 」と明らかにした。

 

        「警察は何をやっているんだ」 現職警官の逮捕相次ぐ鹿児島県警に怒りや批判

           …「県民に寄り添った対応に努める」と言うが、情報漏洩被害者への謝罪は原則「電話」

                                                                     2024/05/30

      鹿児島県警の警察官3人が 4月以降、捜査情報漏えいと不同意わいせつ、盗撮の疑いで

     相次いで逮捕された事態について、県警は29日、県民などから 約240件の批判や意見が

             寄せられたと明らかにした。西畑知明警務部長は「 信頼を失い失望させてしまった。

             士気を高め、県民に寄り添った対応に努める 」と話した。
              県警本部で同日定例会見があった。内訳は 情報漏えい 約90件、不同意わいせつ 約50件、

     盗撮 約100件。「 警察は何をやっているんだ 」という厳しい批判が多く、一部は「 信頼を

             取り戻す努力をしてほしい 」という声もあった。
             個人情報が漏えいした被害者 全304人への通知と謝罪は、28日時点で 県内外の258人

             に対して終えた と説明。 被害者の一部から批判される電話連絡による対応は、基本的に

             変更しておらず、直接会ったのは 10人以下と回答した。
             29日は 県下地域課長等会議もあり、関係幹部ら 65人が参加。野川明輝本部長は

            「 巡回連絡などの活動により、統計だけでは分からない 治安課題を把握することができる。

             その解消が 安心感や体感治安向上につながる 」と訓示した。

 

 

          県警トップが「前例ない」説明会見に立ったが、詳細は明かさず 

               被害者への謝罪手法も疑問残るまま 鹿児島県警・捜査情報漏えい    2024/05/21

               鹿児島県警の捜査情報を第三者に漏らした疑いで、現職警察官が逮捕された事件を巡り、

             県警本部で20日あった調査結果の会見では 野川明輝本部長が説明、謝罪した。

               県警によると、本部長が 直接説明した前例はない。事態を深刻に受け止めたとみられる。

             一方で 漏らされた被害者が 県警の謝罪対応を批判している点については「 今後も 被害者の

             心情に配慮し、真摯(しんし)に対応する 」と述べるにとどめた。
              西畑知明警務部長と牛垣誠首席監察官も同席した。漏えいした経緯など詳細については

             「 捜査の根幹に関わる 」として明かさなかった。
               記者からは 漏えい先や情報管理体制、被害者対応などに質問が相次いだ。

             「 これ以上の漏えい拡大はないか 」と問われた西畑警務部長は、言葉を選びながら

             「 拡散の状況は特定できていない部分がある。さらに広がる可能性は残っている 」

              とこぼした。
                今後も捜査を続けるかどうかについては「 回答を差し控える 」と明言を避けた。


                 被害者への通知と謝罪は 電話を使っていると説明。一部の被害者から上がる「不誠実だ」

              といった批判の声に対して、西畑警務部長は「 さまざまな意見があることは承知している。                速やかに確実に通知を行うべく、今回は電話を用いた 」と強調した。今後の被害者との

              接触の有無や連絡の予定については「検討する」とし、具体的な回答はなかった。

               野川本部長は、現職警察官が相次いで逮捕される原因として「 警察官と県民との意識の

              乖離(かいり) 」を挙げた。「 異常事態に向き合う環境に日々置かれている警察官の

              意識と、県民の常識には ずれが生じかねない 」とした上で「 警察官としての自覚を

              持たせるため、組織としてサポートを続ける 」と言及。「 通抜本的な改革のため、今後は

              部門横断的なプロジェクトチームをつくり、対策を進めていく 」と述べた。

 

 

     どこまで踏みにじれば…捜査情報を第三者に漏えい、

            謝罪を進めるが一部被害者の面会拒否、

                   ようやく会っても「上からやってくれと言われている」      2024/05/17

            捜査情報を第三者に漏らした疑いで 鹿児島県警の警察官が4月に逮捕された事件を巡り、

            県警は 個人情報が漏えいした被害者らに通知し、謝罪している。適切な説明と対応が

            求められる中、謝罪を受けた一部の人から「誠実さを感じない」と批判の声が上がっている。 

              南日本新聞に寄せられた複数の訴えによると、対面の謝罪を拒まれ、電話で済まされた

            事例もあった。被害者らは「 ますます信頼を失う姿勢を残念に思う 」と憤る。
             県内の40代女性は 4月中旬、県警からの電話連絡で漏えい被害を知った。「 法律で

            通知義務がある 」などと言われ「 電話で説明したい 」と求められたという。女性が

           「 自分にとっては一大事だ。直接説明してほしい 」と何度も食い下がり、後日面会する機会

            を得た。
             面会で 女性は「 第三者は犯罪組織なのか 」などと不安を訴えたが、訪れた警察官は

           「 答えられない 」の一点張り。「 漏洩の広がりを どこまで追いかけられるか責任は取れ

            ない 」「 正直 私たちも上から こういう仕事をやってくれと言われている身ですから 」と、

            人ごとのような言動もあった。

              別の女性も 県警から電話で知らされ「 訪問での謝罪はしていない 」と面会を断られた。

            親族の男性は「 悔しさが募るが『警察に意見することが怖い。もう関わりたくない』と心を

            閉ざしてしまった 」と代弁。「 被害者を軽んじたアリバイ作りでしかない。ゆがんだ対応

            だ ということに気付くべきだ 」と強調した。

             事件は、告訴、告発事件の処理経過を管理する文書「告訴・告発事件処理簿一覧表」を

            印刷した書面などが漏れたとして、現職警察官が 4月8日に逮捕、同29日に再逮捕された。

            県警は 少なくとも「 100件を超える資料が外部に漏れた可能性が高い 」としている。
             政府の個人情報保護委員会によると、個人情報保護法の解釈指針は漏えいが発覚した際

           「 合理的かつ適切な方法により、本人にとって分かりやすい形で通知することが望ましい 」

            と示している。
             捜査情報漏えい事件を担当する県警 プロジェクトチーム (西畑知明警務部長)は5月16日、

            謝罪態度への批判を把握しているかを問う 南日本新聞の取材に「 捜査、調査中であり

            現時点の回答は差し控える。しかるべきタイミングで説明できることは説明させていただく 」

            とコメントした。

 

         また現職警官の逮捕か 買春、強制性交、盗撮

           …5人が性犯罪 県民に広がる怒りと不信「最低限の理性すら保てないとは」   2024/05/15

              「被害者のトラウマ(心的外傷)は計り知れない」-。トイレに侵入し 女性を盗撮した

            疑いで 鹿児島県警の巡査部長が逮捕されてから一夜明けた14日、警察官の性犯罪関連での

            相次ぐ逮捕に 県民からは怒りの声が上がった。2020年以降5人目で「警察は信用できない」

       「組織的問題と受け止め、二度とないように対策を」 と厳しい意見が聞かれた。
             「 ショックだし、残念 」と鹿児島市の20代女性は驚きを隠さない。「 警察官は真面目で、

            社会の模範となる存在だと思っていた。最低限の理性すら保つことができないとは 」と声を

            落とす。かつて 職場で性被害に遭った経験があるという 県内の30代女性会社員は「 容疑者

            が警察官とは 本当に許せない。今後も逮捕者が出てくるのでは 」と怒りをあらわにする。
             近年、刑法は厳罰化したり規定を見直したりするなどして、性犯罪の抑止を狙っている。

            未然に防ぐとともに、加害者側へ向けられる目は 一層 厳しさを増しているにも関わらず、

            県警では  20年2月に 女子中学生へのみだらな行為、21年7月には 同僚女性宅への侵入、

            23年10月には 13歳未満の少女への強制性交、24年4月には 不同意わいせつの疑いと、

            逮捕事案が続発している。幼児の娘を持つ 同市の40代主婦は「 また逮捕かという感じ。

    もう警察は信じられない 」と語気を強めた。
             性犯罪の撲滅を訴え、性被害者が思いを語る場を設けている県内の50代女性は「 性被害を

            告発するのは 本人にとっては非常につらいこと。県警が信用できないとなれば、誰が被害者

            を守ってくれるのか 」と憤る。
             その上で、23年10月に強制性交の疑いで 警察官が逮捕された際、記者会見を開かなかった

            県警の対応を疑問視する。「 逮捕された警察官個人の問題と矮小化したからこそ 逮捕が

            続いている。県警全体の問題として受け止め、具体的な対策をとってほしい 」と訴えた。

 

   「なぜ捜査情報を漏らしたのか」

    …現職警官逮捕に同僚ら怒りと恥辱「県民の信頼失い、正義は消えた」 鹿児島県警

                       2024/04/09

     個人の犯罪経歴情報などを第三者に漏らした疑いで 現職の警察官が逮捕された8日、

    鹿児島県警の警察官は「激震が走った」「県民に信用してもらえなくなる」と口々に嘆いた。
            事件を耳にしたベテラン警察官の胸に込み上げたのは激しい怒りだった。それからすぐに、

            県民への申し訳なさ と 自分たちの組織はどうなるのかという不安や悲しみが押し寄せた

            という。県民から寄せられる情報がなければ、治安は維持できない。

           「 捜査全体に対する信頼を崩しかねない。県民に信用してもらえなくなるのが怖い 」

            と嘆いた。
            別の警察官は「 どんな理由があったとしても許されない。情報を漏らされる被害者のこと

            を全く考えていない、正義の消えた行為で恥ずかしい 」。中堅警察官は「 絶対に表に

            出てはいけない情報で、激震が走った。調べれば 誰が閲覧したのか分かるのに、なぜ 

            多くの情報を流出させようと思ったのか 」と話した。

             今回の事件は、一部ウェブメディアがインターネット上に一覧表を掲載したことを受け、

            県警が始めた捜査で発覚した。情報がウェブメディアに流出したとみられる事件の関係者は

           「 捜査情報が 捜査以外のために使われることがあって良いのか 」と怒りを隠さない。

           「 ウェブメディアが掲載した、捜査資料のような断片的な情報は 臆測を呼び、さまざまな

            不利益を生む。なぜ ここまで情報をさらされなければいけないのか 」と嘆いた。

 

         現職警察官が捜査情報を外部に漏らした鹿児島県警

                       …抜本的な組織改革なしに県民の信頼回復なし     2024/04/09

              (解説・現職警察官の捜査情報漏洩問題)
             鹿児島県警の捜査情報を現職警察官が第三者に漏らした疑いで逮捕された事件は、

            警察組織のあり方そのものが問われる事態だ。県民の安全安心を守る「最後のとりで」

            として、抜本的な改革案を示せなければ、信頼に足る組織に立ち戻れない。
             県警は これまでに、個人情報を含む100 を超す事件資料が流出した可能性が高いと発表。

            松村祥史国家公安委員長が「 必要な指導を徹底する 」と言及するなど前代未聞の経過を

            たどっていた。今回の逮捕が 全容解明の端緒となるのか、事件の背景や構図、動機の解明は

            待ったなしと言える。
            県警は 県民の寄る辺だ。同時に、圧倒的な権力を持つ捜査機関でもある。だからこそ、

            個人の資質による事件と過小評価すべきではない。100件を超える事件資料が漏れた可能性

      があるという重大性に組織全体で向き合い、県民が覚える不安に耳を傾けるべきだろう。
            県民対応を巡っては、県公安委員会から「 相談者の心情に配慮した誠実な対応を 」と

            指導されたことが明らかになったばかり。信頼回復へ向け、徹底的な検証と意識改革が

            求められる。

 

 

         スマホのアプリで捜査情報を漏らした疑い、49歳の巡査長を送検     2024/04/09

         49歳巡査長が捜査資料漏えい スマホアプリで第三者に送信、鹿児島県警が容疑で逮捕

                  一部ウェブメディア掲載との関連性は「捜査中」   2024/04/08

         コロナ療養施設で強制性交捜査 鹿児島県警内部資料がウェブメディアに流出か 

                    被害者側「謝罪申し出あった」    2024/03/01 

          強制性交罪で起訴 28歳警官を懲戒免職 少女とホテルで…「13歳未満とは知らなかった」    

                                                    2023/11/30

          少女と性交、麻薬、拳銃の不適切管理…続く警官の不祥事「組織に課題」 

              鹿児島県警本部長が会見      2023/10/27