【スクープ】警察庁官房長が事実と異なる国会答弁か

…広島県警「隠蔽工作」の証拠録音を入手、その内容とは

                                          2024年5月28日          SlowNews

 

警察庁官房長の国会答弁がおかしい

   フロントラインプレスが 昨年から報じてきた広島県警の福山北警察署警備課の公金詐取事件

(カラ出張)が先ごろ、参議院の質疑で取り上げられ、答弁に立った太刀川浩一・警察庁長官官房長

が 事実と異なる答弁をしていた疑いが浮上した。それを裏付ける録音を フロントラインプレスは

入手した。

 

   この事件は 福山北警察署の警備課長による指示で 課員らがカラ出張を繰り返したとされるもので、

2023年8月に発覚した。同12月には 警備課長ら3人が懲戒処分を受けるとともに詐欺と虚偽公文書

作成・同行使の容疑で 広島地検に書類送検。 その後、全員不起訴処分となり、課長は 依願退職して

一件落着したと見られていた。

 

   問題の質疑があったのは、5月16日午後の参議院内閣委員会。

                                                 参議院インターネット審議中継 

 

   広島県警は これまで、カラ出張発覚の経緯について、同警備課に勤務していた巡査部長・粟根康智氏

(現在は退職)が 在職中の2022年3月に行った 内部告発(公益通報)によるものとし、

  「 その1年前に 県警本部の監察官室に匿名の投書があり、内部で不正経理が露呈した。しかし

   監察官は カラ出張を指示していた警備課長に投書を見せたため、課長が 課員の口封じに動いた

という粟根氏の主張を真っ向から否定していた。

 

   参議院内閣委員会では、この経緯が取上げられ、井上哲士氏(共産)が「投書」は どう取り扱われ

たのかを質問した。 投書が届いていたのであれば、監察官室は 本来、警備課長を調査・捜査の対象

とし、事案の全容を解明しなければならない立場にあるが、仮に「課長に見せた」が事実であれば、

監察官ぐるみで事件の隠蔽を図ったことにもなりかねないからだ。

 

   井上氏の質問に対し、答弁に立った太刀川浩一・警察庁長官官房長は「 これまでの本件に関する

広島県警の調査の結果、ご指摘のような文書を 対象者(警備課長)に見せたというような事実は確認

できなかった との報告を受けている 」と言及。 投書を見せた事実はないと明言した

 

   しかし、それは本当に事実なのだろうか。

  フロントラインプレスは 5月28日までに、警備課長による 当時の口封じの様子や監察官の対応など

を記録した複数の録音(音源)を入手した。

その1つには、当時、警備課長が 監察官に投書を見せてもらったと明言したうえで、課員に口封じを

重ねていた などと語る様子が そのまま記録されている。

広島県警は「投書」をめぐる状況を詳しく把握しながら、警察庁に報告していなかった可能性がある。

 

事件を振り返ると…

   フロントラインプレスが入手した録音は 複数で、警察関係者から提供を受けた。録音の総時間は

約5時間30分。 一連のカラ出張を内部告発した粟根氏は フロントラインプレスによる録音内容の

確認要請を拒んでいるが、フロントラインプレスは 関係資料などとの照合を続け、本物に間違いない

と判断した。音源が入った記録媒体は フロントラインプレスの顧問弁護士が保管している。

 

   録音に 何が記録されていたかを記す前に、事件の経緯を振り返っておこう。

画像

 

    警察庁の太刀川・官房長は 国会答弁のなかで、匿名の投書が実際にあったかどうかについては

明言を避けつつ、以下の2点については「 事実は確認できなかったとの報告を受けている 」として

否定した。

 ① 匿名の投書を 監察官がカラ出張の指示役とされる警備課長に見せたこと

 ② 警備課長は それに基づいて課内で口封じを図ったこと

 

   フロントラインプレスが入手した複数の音源は この答弁を覆すものだ。

このうち、2021年2月19日のものと思われる録音には、カラ出張を指示していた福山北署の警備課長

(当時)が 部下だった粟根氏と面談した際のやりとりが残されている。

 

 

まだ 真相は明らかになっていない

   広島県警は、関係者の書類送検によって 事件の幕引きを図りたいと考えているようだが、真相は 
まだ明らかになっていない。 粟根氏や代理人の弁護士らによると、3つの点は 未だ解明されていない。
 
   まず 一つが、先に述べた 監察官室による公益通報の漏洩を認めていない点だ。
それについては 証拠の録音もある。
   次に、そもそも 送検容疑など 県警が認定した事実は、粟根氏自身の経験と大きく食い違うことだ。
罪を認めて自首した形の粟根氏は 書類送検もされず、カラ出張で 不当に得た金額も県警の認定金額
と食い違っている。
   3つ目は 捜査協力者に渡ったはずの「 捜査費(国費)」の行方が確認できていないことだ。
捜査費とは 表に出せないものであり、協力者と対面して現金で渡されるケースが多いが、出張そのもの
が架空だったことから、多額の捜査費にも 不正があった疑いが出ている。
 
   粟根氏は 今も、真相を埋もれさせてはいけない、事実を徹底解明してほしいと強調している。
 
 
 
 
🔶大河原化工機 外事警察捏造事件
 
 
🔶 鹿児島県警でも
 
 
🔶 露木警察庁長官の
      木原事件の事件性なし発言
 
 ゲスト :元警視庁捜査一課  佐藤誠氏 
     :RMCA副理事長/広報コンサルタント 石川慶子氏
 

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