ロイター 2024年4月30日

イスラエル首相らに逮逮捕状準備か、ICC 政府内で懸念

[エルサレム 29日 ロイター] - 国際刑事裁判所(ICC)がパレスチナ地区ガザでの戦闘に

絡み、イスラエル政府当局者に逮捕状を発行する準備を進めている可能性があり、イスラエル政府内

で懸念が強まっている。

     イスラエルのメディアなどによると、ICCは 昨年10月7日に起きたイスラム組織ハマス

によるイスラエル奇襲とその後 イスラエル軍のガザでの軍事行動を巡り調査を進めており、

ネタニヤフ首相ら イスラエル政府高官は、戦争犯罪や人道に対する罪などに問われる可能性がある。

ハマスの指導者に対する逮捕状の発行も 検討されているという。

   イスラエルのカッツ外相は 28日、ICCが近く、政府および軍の高官に対し 逮捕状を発行する

可能性があるという報道について、そのような状況にならないことを期待するとし、「 われわれが

頭を下げることはない。戦い続ける 」と言明した。

   カッツ外相はさらに、イスラエルの大使館に対し「 深刻な反ユダヤ主義 」に直面するリスクが

あるとし、警備を強化するよう警告した。

ネタニヤフ首相は先週末、「 自衛に対する基本的権利を損なうICCのいかなる試みも 決して

受け入れない 」とし、「 ICCの決定は イスラエルの行動に影響しないが、兵士や公人を脅かす

危険な前例となる 」と述べていた。

 

 

 

A。イスラエル軍、ガザ南部ラファ空爆 25人死亡 負傷者多数

 [カイロ 29日 ロイター] - イスラエル軍は パレスチナ自治区南部ラファにある住宅3軒に対する

空爆を行い、少なくとも 25人が死亡した。負傷者も多数出ているという。医療関係者が29日、

明らかにした。

   イスラエル国防軍(IDF)の報道官は ラファに対する夜間の空爆について「 ガザ南部の民間人

居住区内で活動していたテロリスト 」を標的に戦闘機で攻撃したと表明。ただ、詳細については

明らかにしなかった。

   保健当局によると、イスラエル軍は ガザ地区北部のガザ市でも住宅2軒に対する空爆を実施し、

少なくとも4人が死亡した。

 

   イスラム組織ハマスは この日、イスラエルが提示した段階的停戦案に対する回答を協議するため、

エジプトのカイロで協議を行う。

 

B。パリのソルボンヌ大学でガザ抗議活動、警察が排除 キャンパス閉鎖 

[パリ 29日 ロイター] - パリのソルボンヌ大学で29日、パレスチナ自治区ガザでの軍事行動

    に対する学生による抗議活動が行われ、数十人のデモ参加者が警察に排除された。これを受け

    ソルボンヌ大学は この日、キャンパスを閉鎖した。

       全米各地の大学で ガザでの軍事行動を巡りイスラエルに対する抗議活動が広がる中、

    フランスでは3日前に パリ政治学院で学生がデモを実施。

    ソルボンヌ大学の学生は 記者に対し「 米国の大学のように、われわれも(抗議のために)テント

    を張った 」とし、「 ガザ地区で続いている大量虐殺について人々の意識を高めるために全力を

    尽くしている 」と述べた。

 

C。米英外相、ハマスにガザ停戦案合意呼びかけ 「正しい決断を期待」

   [リヤド 29日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は29日、イスラム組織ハマスに対し、

   パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放に向けたイスラエルの提案に合意するよう呼びかけた。

      ハマスは イスラエルが提示した停戦案に対する回答について、この日に カイロで仲介役を

   果たすカタール、エジプトと協議を行う。

     ブリンケン長官は サウジアラビアの首都リヤドで開かれている世界経済フォーラム(WEF)で

  「 イスラエルは ハマスに対し 極めて寛大な提案を行った 」とし、「 ガザの人々と停戦実現の間

   に立ちはだかっているのは ハマスだけだ。ハマスは 迅速に決断しなければならない。正しい決断

   を下すと期待している 」と述べた。

     イスラエルによる ガザ最南部ラファ侵攻計画については、民間人が被害を受けないと保証でき

   なければ、米国は 侵攻を支持しない と改めて表明した。

     英国のキャメロン外相も WEFで、イスラエルの提案は「寛大」とした上で「 ハマスが この

   提案を受け入れることを望んでいる 」と語った。キャメロン氏によると、提案には 40日間の

   戦闘停止と人質解放のほか、拘束されている数千人のパレスチナ人の釈放の可能性などが含まれて

  いる。

     WEFに参加するために米英のほか、フランス、ヨルダン、エジプトなどの外相も リヤドを

  訪問している。

  ブリンケン長官は リヤドで サウジアラビアのムハンマド皇太子と会談。米国務省によると、この

  地域の緊張緩和の緊急的な必要性について協議した。

    ブリンケン氏は、サウジとイスラエルの国交正常化に向け 米国とサウジは 過去数カ月にわたり

  緊密に協力してきたと言及。「 正常化を進めるには、ガザ地区の平和とパレスチナ国家樹立への

  確かな道筋が必要になる 」と語った。

 

D。米国務長官とサウジ皇太子、地域の緊急緩和の必要性巡り協議

 [リヤド 29日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は 29日、サウジアラビアの首都リヤドで

    でムハンマド皇太子と会談し、地域における緊張緩和の緊急的な必要性について協議した。

    米国務省が発表した。

       発表によると、ブリンケン氏はまた、パレスチナ自治区ガザへの人道支援の継続的な増加や

    人質解放を確実にし 紛争のさらなる拡大を防ぐ 即時停戦の達成の必要性を強調した。

 

 

E。ハマス代表団、停戦協議でカイロへ 米・イスラエル首脳は電話協議

                                                    2024年4月29日

  [カイロ/ドーハ 28日 ロイター] - イスラム組織ハマスの代表団が 29日、パレスチナ自治区ガザ

       での停戦に向けた協議のため エジプトのカイロを訪問することが分かった。ハマス関係者が

       28日、明らかにした。

           ハマスが 仲介役のカタールとエジプトに渡した停戦案と それに対するイスラエル側の反応

        について協議するという。

           交渉について説明を受けた関係筋によると、ハマスは 27日に示されたイスラエルによる

        最新の段階的停戦案に回答する見通し。イスラエルで収監されているパレスチナ人の釈放と

        引き換えに、40人以下の人質解放に応じるほか、「平穏持続期間」を含む休戦の第2段階

        への合意が含まれているという。

           この関係筋によれば、イスラエル側は 第1段階の後に ガザ南部と北部の間の自由な移動を

         認めるとともに、ガザから部隊を 一部撤収させる見通し。

 

           一方、バイデン米大統領は28日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話協議した。

         米ホワイトハウスによると、両氏は 人質解放と即時停戦に向けた交渉を巡り協議した。

         新たな検問所開放の準備など 人道支援の搬入加速についても話し合った。バイデン氏は

        イスラエルが計画するガザ地区最南部ラファへの侵攻について、自身の「明確な立場」を

        改めて伝えたという。

           イスラエルのカッツ外相は 27日、人質解放で合意できれば ラファ侵攻を見合わせる

        可能性があると述べた。

           また、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は28日、イスラエルが

    ラファ侵攻に踏み切る前に 米側の懸念に耳を傾けることに同意したと述べた。