温室効果ガス排出量「G7は 30年までに58%削減を」 独研究機関

         2024.4.29   (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

 産業革命前からの世界の気温上昇を 1・5度に抑えるという世界共通目標の実現には、日本を含む

主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)は 2030年までに 温室効果ガス排出量を 19年比で 少なくとも

58%削減、35年までに 75%削減する必要があるとの報告書を、ドイツに拠点を置く 研究機関

「クライメート・アナリティクス」が公表した。 

   イタリア・トリノで 30日まで開催されている G7気候・エネルギー・環境相会合は、気候変動対策

などが主要議題となっている。 報告書では、G7とEUが掲げる 30年までの目標水準は 19年比で

40~42%で、「不十分」と評価した。

   また、各国・地域の現在の政策のままでは 30年までに 19~33%削減にとどまると分析している。

 

 各国・地域は 35年を期限とする排出削減目標を来年までに 国連に提出することが推奨されている

報告書は 野心的な35年目標設定と同時に、30年目標を強化する必要性を強調。途上国は エネルギー転換

に時間がかかるため、技術と資金のある先進国が 早期に脱炭素を実現し、途上国での削減にも役立つ

ような技術面での波及効果を生み出すことが重要だとした。

  また、二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力発電については 30年まで、ガス火力発電は 

35年までに 段階的に廃止することが必要だと指摘。国連に 35年までの排出削減目標を提出する際に、

全廃期限を明記するよう求めている。

 

  G7では 昨年、化石燃料の段階的廃止に合意したが、その期限は定めていない。報告書執筆者の

ニール・グラント氏は「 G7は 脱炭素化に向けた野心的な行動を取り、化石燃料から脱却する期限を

設定することが最低限必要だ 」とコメントした。