【解説】米国各地のキャンパスで親パレスチナの学生らが要求していること
2024.4.26 クーリエ・ジャポン
米国各地の大学キャンパスで、イスラエルのガザ攻撃を糾弾する 親パレスチナの学生らによる
抗議行動が激化しており、警察当局による逮捕者も続出している。
米紙「ワシントン・ポスト」によれば、ニューヨーク市にあるコロンビア大学で 4月18日、
キャンパス内で野営していた親パレスチナの抗議者100人超が ニューヨーク市警に逮捕されたこと
をきっかけに、連帯の意を示す 同様の抗議行動が 各地の大学に飛び火したという。
同紙は 別の記事で、こうした抗議行動で逮捕者が出た大学についてまとめている。
それによれば、コロンビア 大学以外では、イェール大学(コネチカット州)で 60人、ニューヨーク大学
で 120人、テキサス大学オースティン校で 50人超、南カリフォルニア大学で 90人超、エマーソン大学
(マサチューセッツ州)で 100人超、エモリー大学(ジョージア州)で 数十名超、その他の大学で
数名ずつが 身柄を拘束されているという。
親パレスチナの学生たちが要求していること
こうした親パレスチナの抗議者らは、ただイスラエルのガザ攻撃を糾弾しているだけではないようだ。
英紙「ガーディアン」によれば、「 イスラエルからの投資撤収 」が ひとつの共通した要求だという。
なぜ 大学のキャンパスで そんなことが要求されるのか。同紙によれば、大学は 寄付金で研究費
や奨学金を賄っており、そうした寄付金は たいてい企業や未公開株式ファンドやヘッジファンドなど
の資産クラスに投資されている。つまり 学生らは、ガザでの戦争に荷担していると 彼らが主張する
企業への投資を売却せよと 大学に要求しているというわけだ。
同紙は、各キャンパスで 槍玉に挙がっている企業についても報じている。コロンビア大学の学生ら
は 大学に対して、イスラエル国内で、もしくは イスラエルとビジネスをする企業への直接投資を
やめるよう要求しているという。
そのなかには、イスラエル政府と 12億ドル(1900億円弱)のクラウドコンピューティング契約を
結んでいる「アマゾン」と「グーグル」や、イスラエル防衛省と市民局がサービスを利用している
「マイクロソフト」、この戦争で 利益を得ている「ロッキード・マーティン」などの防衛関連企業も
含まれている。
イェール大学 や コーネル大学(ニューヨーク州)の学生団体は 大学当局に対して、とくに
武器製造業者からの 投資撤収を訴えている と同紙は伝える。
同紙によれば、化石燃料への投資撤収の要求を織り交ぜている学生組織もある。化石燃料への
投資撤収は この10年、キャンパス活動家らのあいだで 格好のターゲットになっており、ガザでの
戦争に対する抗議でも同様だという。