三井化学が市原工場のフェノールプラントを停止する背景

            2024年04月08日  ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 三井化学は、市原工場(千葉県市原市)のフェノールプラントを2026年度までに停止する。

中国を中心としたプラント新増設に伴う供給過多や、国内需要の縮小などが響いた。合理化に

取り組んできたものの、生産を維持するための収益確保が困難だと判断した。

これにより、フェノールの生産能力は単純計算で約3割減となる。

   市原工場におけるフェノールの生産能力は 年19万トン。対象製品は フェノール、アセトン、

α―メチルスチレン。フェノールの生産は 市原工場のほか、大阪工場(大阪府高石市)、合弁会社

による中国上海市の工場の3拠点で手がけている。

市原工場は 1970年にフェノールの生産を開始した。

                                 

                             ※  三井化学 - Wikipedia

 

 

倒産速報 | 株式会社 帝国データバンク

2023/10/13  パナソニック液晶ディスプレイ株式会社IPS液晶製造   兵庫県姫路市

  当社は、2004年(平成16年)10月に設立。(株)日立製作所、(株)東芝、松下電器産業(株)

 〈現:パナソニックホールディングス(株)〉の3社によって、薄型テレビ向け液晶パネル事業の

 合弁会社として発足した経緯を持つ。日本を代表する家電メーカーの技術力を活かし、広視野角

 ・高画質な「IPSαパネル」をメインに 各メーカー向けの液晶パネルを生産。当時の薄型テレビ需要

   もあり、2008年3月期には 年売上高 約1523億9300万円を計上していた。
    その後、東芝保有分や日立グループ保有分の株式をパナソニックへ譲渡し、2010年10月には

   現商号へ変更のうえ 千葉県茂原市から兵庫県姫路市に本店を移転。以降は パナソニックグループ

   の液晶製造部門として、2013年度には 32型換算で 1500万台/年の生産能力を有していた。

   パナソニック製品のみならず 他社からの受注にも対応し、液晶パネルに バックライトを取り付ける

   液晶モジュール(半製品)の出荷も行える体制を構築。
     しかし、2016年9月末に テレビ用液晶パネルの製造からの撤退を発表して以降、徐々に生産量

   は減少。近年は採算性の高いタブレット(多機能携帯端末)など ICT用途や医療用モニター、

   車載用(カーナビゲーションシステムなど)などの製造が主体となり、同分野において「4K」「8K」

   など高画質パネルの製造にも注力していた。
    激烈な価格競争を受けて 車載・産業分野向けへと注力市場を転換したが、米中貿易摩擦等による

   市況悪化の影響が 車載・産業分野にも波及。さらに 海外の液晶パネルメーカーとの激しい価格競争

   により、設立以降、黒字化することはなく 100億円を超える赤字が続いていた。事業継続は 困難

   であると判断し、2019年11月に 生産終了を決定、2023年3月末で 事業活動を停止。

   2023年度に入り、所有する資産(兵庫県姫路市の工場等)の処分・移管が完了する見込みとなった

   ことから、7月31日に 東証プライム上場のパナソニックホールディングス(株)(TDB企業コード

   :580001548、大阪府門真市)は、連結子会社である当社を解散し、特別清算を申請することを

   発表。当社の存続期間を 2023年8月31日までとし、翌9月1日付で解散したうえで、9月19日に

   特別清算を申請していた。
     負債は2023年8月31日現在で約5836億円。

 

 

 

パナソニックが業務用AV機器の中心拠点である岡山工場を閉鎖

              2020年10月05日    MONOist

  パナソニック コネクティッドソリューションズ社(CNS社)は 2020年10月1日、業務用AV機器事業

の強化に向けた改革の一環として、岡山県岡山市の岡山工場を閉鎖すると発表した。

 

 市場変化により 業務用AV機器には、商品性能や価格対応力だけではなく、課題解決力が求められる

 

ようになっている。そのため、開発・製造・販売が緊密に連携し、よりスピーディーな対応が必要

となる。そこで CNS社では 今回、開発力強化と生産の効率化、高度化を目的として、業務用AV機器

のモノづくり機能を、CNS社のメディアエンターテインメント事業部(以下、MEBD)の中心である

大阪の北門真拠点周辺拠点(大阪府門真市)に移管、統合することを決めた。これにより、

開発・生産・販売の一体運営を図る。

 

 これに伴い、長らくパナソニックの業務用AV機器事業を支えてきた岡山工場を 2021年9月末を

めどに閉鎖する。岡山工場は、もともとは 1973年に据え置きVTRの製造工場として設立された歴史

ある工場だ。 近年は、放送局や映像制作市場向けの 業務用AV機器の主力生産拠点としての役割を

担っていた。カメラレコーダーやスタジオカメラ、インテグレーテッドカメラなどのカメラ商品群

に加え、複雑な映像切り替えに対応するライブスイッチャーなどを生産している。

   土地面積は 8万1293m2で、従業員数は 301人。閉鎖後の従業員については 北門真拠点などへの

異動を基本とし雇用は維持する方針だとしている。

 

     パナソニックが半導体事業を台湾Nuvotonに譲渡、60年の歴史に幕

   2019年11月28日、パナソニック セミコンダクターソリューションズ(PEMJ)を中心に

  運営する半導体事業を、台湾のWinbond Electronics傘下のNuvoton Technologyに

  2020年6月1日に譲渡することを決めた。同社では 不採算事業の整理を急いでおり

  2019年11月21日には、液晶パネル生産の終了なども発表している。

   パナソニックの半導体事業は、AV機器などデジタル家電分野から車載、産業分野へのシフトを

  進め、イメージセンサーなどの「空間認識」技術、リチウムイオン電池保護回路用MOSFETなど

  の「電池応用」技術を注力分野と位置付けて、事業運営に取り組んできた。

   一方で、アセットライト化に取り組み 2014年4月北陸工場の半導体ウエハー製造工程

      イスラエルの半導体ファウンドリ企業であるタワーセミコンダクター社との合弁企業に移管

      している。さらに 2014年6月には シンガポールとインドネシア、マレーシアにあった

      半導体組み立て工場香港のUTACマニュファクチャリングサービシーズ(UTAC)に譲渡する

      など、資産の整理を進めてきた。

       しかし、半導体市場は競合関係の激化に加え、投資の巨額化業界再編などが加速しており、

      今後の事業拡大のためには、新たな枠組みが欠かせない状況となっていた。2019年11月22日に

      「Panasonic IR Day 2019」で事業説明したパナソニック インダストリアルソリューションズ社

  (IS社)の社長・坂本真治氏は 半導体事業について「 さまざまなアプローチで方向付けを

      決める。2019年9月以降、赤字を大きく圧縮できているが、社外のパートナー含めてさまざまな

      可能性を考えていく 」と述べていたが、今回 事業譲渡を最終的に決断したことになる。

 

     パナソニックが液晶パネル生産を終了、中小型に注力するも市場環境の激化で

         2019年11月21日、2021年をめどに液晶パネルの生産を終了すると発表した。市場環境の

      激化により事業継続は困難であると判断した。

      液晶パネル製造会社である パナソニック液晶ディスプレイ(兵庫県姫路市、以下「PLD」)

      姫路工場の建屋や土地は売却しない方針だ。同社従業員は 約500人で、「基本的には希望する

      従業員の全員を再配置する予定」(同社広報)。同工場は 第8.5世代マザーガラスを用いた

      液晶パネル生産能力を有しており、工場の一部では 車載用電池の生産も担っている。

      液晶パネル生産終了後に発生したスペースの活用は 現時点で未定としている。