米当局、資産運用会社の銀行投資巡り調査=WSJ 

                 2024年4月3日  ロイター 

     [2日 ロイター] - 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は2日、

      米連邦預金保険公社(FDIC)米資産運用大手ブラックロック(BLK.N)

      バンガードステート・ストリート(STT.N)3社による銀行への投資を巡って

      調査をしていると報じた。

       WSJによると、FDICの理事会メンバーのマカーナン氏は 調査中に資産運用会社が

      FDICの規制下にある銀行の株式の10%超を保有することを禁止する措置を支持

      している。

       情報筋の話として、マカーナン氏と、FDIC理事会メンバーのチョプラ米消費者金融保護局

      (CFPB)局長が ブラックロック、バンガードとの会合で 両社の保有株について議論

                  したとも伝えた。

        資産運用会社は、投資先企業の経営に 不当な影響力を行使しているとして しばしば

      批判の的になっている。今回の動きは 新たな課題を突きつける可能性がある。

      議員らは、資産運用会社が 金融目的よりも 政治的な動機を優先しているとして批判

      してきた。一例として、ブラックロックは 投資で 環境・社会・ガバナンスの要素を

      利用しているとして共和党から非難を浴びた。 

       資産運用大手3社はJPモルガン・チェース(JPM.N)バンク・オブ・アメリカ

      (BofA)(BAC.N)ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)シティグループ(C.N)など

      米大手銀の上位株主となっている

 

 

岸田文雄首相、米ブラックロックCEOと面会 

                                 2024年3月21日         日本経済新聞

    岸田文雄首相は21日、首相官邸で米資産運用大手ブラックロックのラリー・フィンク最高経営

責任者(CEO)と面会した。政府が進める「資産運用立国」や足元の株高の状況などについて意見

を交わした。

   首相周辺によると フィンク氏は 海外からの日本への投資意欲が高まっていると伝えた。賃上げ

や資産運用立国に基づく 政府の取り組みを評価した。「脱炭素分野に関心がある」と述べた。

首相は デフレ脱却に向けた賃上げや所得税・住民税減税の取り組みを紹介した。

   2023年10月に 同社が都内で主催した世界の機関投資家らとの夕食会でも フィンク氏と意見交換

した。24年3月19日には米国教職員退職年金保険組合(TIAA)のシャサンダ・ブラウン・ダケット

CEOと会った。

 

 

       ブラックロック・ジャパンが

     NTT都市開発リート投資法人<8956>株式の変更報告書を提出(買い増し)

                              提出日 2021年2月19日 | M&A Online

     2021-02-19

      東のNTT都市開発リート投資法人<8956>について、ブラックロック・ジャパンが 2月19日付

    で 財務局に変更報告書(5%ルール報告書)を提出した。

      提出理由は「・株券等保有割合が1%以上増加したこと」によるもの。

      報告書によると、ブラックロック・ジャパンのNTT都市開発リート投資法人株式保有比率は、

     6.78% と1.12%買い増しした。                 報告義務発生日は、2021年2月15日。

 

  ブラックロック・ジャパンが保有する銘柄一覧と評価額  

          2023年5月9日    パフェットコード

   保有銘柄   ブラックロック・ジャパンは現在326銘柄を保有しています

 

 

岸田文雄首相、世界の機関投資家と夕食会 ブラックロックCEOら

                                  2023年10月5日          日本経済新聞 

    岸田文雄首相は5日都内の迎賓館で 世界の機関投資家らとの夕食会に出席した。

米資産運用大手ブラックロックが主催した。同社のラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)など

国内外のおよそ20機関のトップらと意見交換した。

   首相は 日本のコーポレートガバナンス改革などの取り組みを紹介し、日本への投資を呼びかけた。
アセットオーナー(
資金の出し手)として アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系 
ファンド

ムバダラ・インベストメントや、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスが

参加した。
   米投資ファンドKKR や 米ファンドのグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズといった

資産運用会社も名を連ねた。みずほフィナンシャルグループ や 第一生命グループ、ゆうちょ銀行の

関係者なども出席した。

   参加者からは「 日本はグローバル市場の他のマーケットに比べても有望で、この数十年で最も

ポジティブに捉えている 」との趣旨の発言があったという。
   政府は 資産運用立国の実現を掲げる。松野博一官房長官は 5日の記者会見で「 世界の投資家の

ニーズに沿った改革を進める。今後 様々な方の意見を聞き、年内の政策プランの策定にむけて議論

を進めたい 」と強調した。
    政府と金融界は 9月下旬から「Japan Weeks(ジャパンウィークス)」を開催し、日本の金融資本市場の

魅力などを発信している。

 首相は6日 首相官邸で、夕食会に参加した機関も含めた海外のアセットオーナーやアセット

マネジャーらと意見を交わす。エマニュエル駐日米大使 や 日本の金融機関の関係者が同席する。

 

 

 

資産運用立国へ、日本経済は「驚異的に変貌」-ブラックロックCEO 

            萩原ゆき    Bloomberg

 

 世界最大手の米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は 6日、

首相官邸で開かれた国内外約30社の機関投資家らとの意見交換会で、資産運用立国を掲げている

日本が「 驚異的な経済的変貌の途上にある 」との認識を示した

 フィンク氏は「 歴史は繰り返す 」とした上で、日本経済が急速な成長を遂げた「 1980年代の

奇跡の再現が起きようとしている。この奇跡は長く続くと考えている 」と語った。

 

 岸田文雄首相は「 グローバル投資家とのラウンドテーブル 」と題し、年金・保険などを運用する

海外の機関投資家や資産運用会社のほか、国内金融機関の代表らを 官邸に招待。日本の資産運用業

への新規参入促進に向けた取り組みなどを紹介し、日本に必要な改革について ヒアリングをした。

 岸田首相は 資産運用立国の実現に向けて、日本独自のビジネス慣行、参入障壁の是正や

「資産運用特区」の創設などを相次いで提唱した。同会合では「 国際金融センターを目指す日本の

変革への決意を感じ取っていただけたと確信している 」とアピール。

   これらの改革を 世界の投資家のニーズに沿った形で進めていくため、「資産運用フォーラム」の

開催に向けて準備委員会を 年内に立ち上げる方針を表明した。

 

 政府と金融界は 海外の投資家や資産運用会社に 日本の金融資本市場としての魅力を発信する

「ジャパン・ウイークス」を先月25日から2週間に亘って開催。この日の会合は 締めくくりイベント

となった。

 

 参加者は フィンク氏の他、米プライベートエクイティー投資会社KKRのスコット・ナトール

共同CEO、シンガポールの政府系投資機関テマセクのディルハン・サンドラセガラCEOなどの

機関投資家幹部、国内からは 三菱UFJフィナンシャル・グループの亀沢宏規CEOら。

 

 政府は、2000兆円を超す 家計金融資産の約半分を占める現預金を投資に呼び込み、企業の

持続的成長を通じて 金融資産所得の増加につなげる取り組みを経済政策の柱の一つに掲げている。

昨年の少額投資非課税制度(NISA)拡充に続き、改革による運用業の活性化で「 成長と分配

好循環 」の実現を目指す。

 

 

 

          分配戦略 | 首相官邸ホームページ

      (3)家計の資産形成支援

       長年の懸案である「貯蓄から投資へ」の流れを実現できれば、家計の金融資産所得の

      拡大と、成長資金の供給拡大により、成長と資産所得の好循環を実現できます。
       国家戦略として資産形成の支援に取り組み、長期的には、資産運用収入そのものの

      倍増も見据えて対応していきます。

     新しい資本主義|岸田内閣主要政策|首相官邸ホームページ

 

            成長と分配の好循環 "新しい資本主義"問われる実現する力

                                                 2021年11月19日      NHK解説委員室

 

 


 

 

  その規模はなんと1000兆円! 

   世界最大の資産運用会社ブラックロックとは何者なのか 

               2022.1.3   クーリエ・ジャポン

   世界最大の資産運用会社「ブラックロック」をご存知だろうか。創業者は、一代で1000兆円

  にものぼる運用資産を築き上げた天才トレーダーのラリー・フィンク。いったい彼は何者なのか。

  英紙「フィナンシャル・タイムズ」がそのすべてを解き明かす。

   

  「あなたの会社を丸ごと売ってくれ」

   2009年4月16日、ブラックロックの創業メンバーで 社長のロバート・カピートは ブロンクス

      に完成したばかりの真新しいヤンキー・スタジアムに向かった。今日のカードは、ニューヨーク

      ・ヤンキース対クリーブランド・インディアンズだ。

         米国のモーゲージ危機が 世界の金融システムに波及したことで 経済は大混乱に陥り、

      ウォールストリートで働く人々は ストレスを発散できる場所を求めていた。もっとも、この

      はげ上がった元トレーダーは 野球の試合を見に来たわけではない。

         カピートは ブラックロックの資産だけでなく、金融業界の様相さえ一変させるような極秘の

       任務を負っていた。ヤンキー・スタジアムのコーポレートボックス席では、英バークレイズ・

       キャピタルの最高経営責任者(CEO)ボブ・ダイアモンドが試合を観戦していた。

       カピートは、この古い友人と 急いで内密の話をする必要があった。そのためにダフ屋から

       チケットをもぎ取り、ブロンクスにやって来たのだ。

          バークレイズは 2008年にリーマン・ブラザーズが破綻した際、その北米部門を買収すること

       で飛躍的な成長を遂げた。しかし、この買収は すぐにバークレイズの足を引っ張ることになる。

       2009年初頭になると、バークレイズは 英国政府からの資金注入を回避し、この危機を脱する

       ための資金調達に奔走した。虎の子の事業、たとえば 先駆的な資産運用部門のバークレイズ・

       グローバル・インベスターズ(BGI)さえ売却候補に挙がった。買い手がつくなら BGIの一部を

       切り売りすることもやぶさかではなかった。

         4月上旬、バークレイズは ロンドンのプライベート・エクイティ・ファンドCVCの買収提案を

       受け入れ、急成長していたBGIの上場投資信託(ETF)部門、iシェアーズを 42億ドルでCVCに

       売却することで合意した。この合意には 45日間の「ゴーショップ」条項が含まれていたため、

       バークレイズは CVCよりも有利な条件を提示する買い主と交渉できることになっていた。

       ブラックロックにとっては 千載一遇のチャンスだ。しかし、使える時間は限られていた。

         その晩、ヤンキースは クリーブランドに敗れる。カピートは 結局、試合をすべて見逃して

       いた。彼は バークレイズのコーポレートボックス席に駆けつけると、ドアをノックする。

      「 話があるから出てきてほしい 」── そうダイアモンドに声をかけた。ダイアモンドは

       うなずき、二人は散歩に出掛けた。そして ブラックロックの社長カピートは、ダイアモンドに

       自分の提案をプレゼンする。

          BGIから iシェアーズだけを切り出して CVCに売却するのではなく、BGIをまるごと

       ブラックロックに売ってほしい、売ってくれるなら 見返りとして 多額の資金と合併会社の株式

       を提供しよう ── カピートは そう訴えた。

         この条件なら、バークレイズは 公的資金の注入を避けるための資金を確保できるだけでなく、

       遠からず 投資業界の雄となるブラックロックの持分の相当部分を手に入れ、同社の資金運用事業

       が生み出す利益の一部も 懐に収めることができる。

        「 非常に興味深いアイデアだ 」とダイアモンドは答えた。実際、ダイアモンドは 取締役会から

       BGI全体の売却を検討することも認められていたため、ブラックロックは 最適な買い手のように

       思われた。彼は 上司のジョン・ヴァーレイを連れて、翌日に カピートとブラックロックのCEO、

       ラリー・フィンクを訪問すると約束した。

 

         2ヵ月後、ブラックロックによるBGIの買収(当時の価値にして135億ドル・約1兆5000億円)

       が決定し、世界に向けて発表された。

         初期には 多少のトラブルもあったが、この買収は大成功を収めた。ブラックロックは世界最大

       の資産運用会社となり、年金受給者から 新興財閥、政府系ファンドまで、あらゆる投資家の

       資金を運用するようになった。ブラックロックは 現在、米国の ほぼすべての大企業の主要株主

       となっているほか、多くの外国企業の株式を保有し、世界中の企業や政府に多額の融資を行って

       いる。同社の技術プラットフォーム「アラディン」も、世界中の投資会社を支えている。

          ブラックロックの運用資産は 2020年6月末に 9兆5000億ドル(約1000兆円)に達した。

       現在のペースで成長すれば 運用資産が10兆ドルを突破するだろう。2021年末には、この数字は

       さらに増えているはずだ。


          ブラックロックの運用資産は、世界のヘッジファンド、プライベート・エクイティ、

       ベンチャーキャピタル業界を併せた数字に ほぼ匹敵する。現在68歳のラリー・フィンクは、

       金融業界の大物の一人という評価を超えて、ファーストネームだけで認知される、一握りの

       経営者の仲間入りを果たした。

         現在の「ラリー」は 誰もが認めるウォールストリートの帝王だ。彼が30年前に立ち上げた

       小さな債券投資会社は、歴史上類を見ない巨大な金融帝国へと成長したしかし、影響力の拡大

       とともに 監視の目も厳しくなり、今では 政治的右派からも左派からも批判を浴びている。

          ブラックロックの事業規模の大きさには、ウォールストリートの大物たちでさえ 不安を

       隠しきれない先日は 中国で ブラックロックをめぐる論争が起きた。習近平国家主席率いる

       共産党が 中国経済の支配をますます強めるなか、ブラックロックが 投資家の資金を中国に投入

       していることは「悲劇的な誤り」だ と著名投資家のジョージ・ソロスが非難したのだ。

         
ブラックロックの影響力をめぐる懸念は 今後 ますます高まっていくだろう。本稿では、

       フィンクが いかにして世界の金融界を牛耳る存在となったか、大統領や首相の相談役となり、

       世界中の ほぼすべての大企業の役員室で 影響力を持つようになったかを論じる。