「初めて明るいニュース」と赤木さん 

「不開示の決定を取り消すべき」との答申 森友文書改ざんで

        2024年04月01日  関西テレビ放送 カンテレ

    森友学園に関する公文書の改ざんをめぐり、財務省が自殺した財務省職員の妻に対し関係の文書

を開示しない決定をしたことについて、国の審査機関が決定を取り消すべきとの判断を示しました。


 財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(当時54)は 2018年、学校法人「森友学園」に関する

公文書の改ざんを指示され、うつ病を発症して自殺しました。
   財務省と近畿財務局は、豊中市の国有地を 8億円以上値引きして森友学園に売却した問題と、

関連する公文書を改ざんした問題について、大阪地検特捜部から捜査を受けました。
この捜査の過程で、財務省と近畿財務局は 特捜部に関係資料を提出していたとみられ、自殺した

赤木さんの妻の雅子さんは、提出資料の開示を 財務省と近畿財務局に求めました。

   しかし、財務省側は「 捜査の手法などが分かる恐れがあり、将来の捜査に支障が及ぶ恐れがある 」

などとして、資料が存在するか否かも明かしませんでした。
いわば、「ゼロ回答」で、これを受けて雅子さんは、国の審査機関「情報公開・個人情報保護審査会」

に 2022年1月に調査を求めました。

    ■ 開示は「できないとは考え難い」と審査会審査会は 3月29日、「 文書の存否が捜査機関の

 手の内を明かす情報には該当しない 」ほか、「 不開示の情報を記載しないように 財務省などが

 対応を工夫すべきで、できないとは考え難い 」と判断。

   文書が存在するか否かを明らかにし 改めて開示決定等をすべきとして、不開示決定を取り消すべき

との答申書を、財務大臣あてに交付しました。
   審査会の判断に強制力はありませんが、財務省などは、答申を受け改めて開示について検討する形

となります。

    ■ 大阪地裁に訴えを退けられた雅子さんは、文書不開示の決定取り消しを求める民事訴訟

 起こしていて、去年、大阪地裁は「 文書を公開すれば 捜査の手法などが分かる恐れがあり、

 将来の捜査に支障が及ぶ恐れもないとは言えない 」などと訴えを退けました。

雅子さんは 控訴して、現在は 大阪高裁で審理が続いています。

    ■「 国の言いなりになって 出した地裁の判決は間違いだと思います 」

   審査会の判断を受け、雅子さんは「 この裁判で初めて明るいニュースだと思います 」と

 コメントしました。

また、国に対して「 今後の捜査に影響がない という答えをしっかり受け止めて、黒塗りのないもの

を開示してほしいです 」と要望したほか 裁判所に対しては「 国の言いなりになって出した地裁の

判決は間違いだと思います。高裁の裁判官に期待しています 」と述べました。