TSMC9000億円、ラピダス5900億円支援を補正予算へ-自民・関氏

               2023年10月25日   Bloomberg

 自民党の半導体戦略推進議員連盟の事務局長を務める 関芳弘 衆院議員は、半導体受託生産大手の

台湾積体電路製造(TSMC)が検討を進める熊本県内の第2工場に 最大9000億円、次世代半導体

の量産を目指す ラピダスに 5900億円を支援する方針を明らかにした。いずれも 2023年度補正予算

に計上する見通しだ。

 

 関氏は 25日のインタビューで、TSMC 第2工場の投資額は 2兆円規模で、基本的には補助金は

総投資額の3分の1だが、日本のエンジニア育成や共同開発といった日本へのメリットを主張して

いくことで 半分近い補助率に見合う内容を求めていきたいと述べた。ラピダスへは 今回が最後では

なく、継続した財政支援が必要とした。

 補正予算の最終決定は これからで、支援額についても変わる可能性がある。

 

   政府は 2021年6月 経済安全保障リスクやデジタル化等に対応するため 半導体・デジタル産業戦略

を策定。TSMC が 熊本県菊陽町で建設を進める第1工場に最大4760億円、ラピダスには計3300億円

の助成を決めていた。

 今回の支援規模は さらに手厚く、国内で 先端半導体の生産基盤を整備し、安定供給確保につなげ

ようとする政府の本気度の表れとなった。

 TMSCの劉徳音会長は 6月、日本で2つ目の工場建設に向けた補助金を巡り、日本側と協議を

続けていると述べていた。10月の来日時にも 西村氏と会談した。

 半導体産業への資金支援については朝日新聞などが先に報じていた。

 

 

1社だけに異例の補助金1兆円 半導体復権へ、支援合戦に加わる日本

                                            2023年11月23日        朝日新聞デジタル 

  政府が臨時国会に提出した 13・1兆円の2023年度補正予算案のうち、1割以上を占めるのが

半導体産業への支援だ。半導体を「戦略物資」と位置づけ、国内生産の強化に前例のない巨費を

投じている。欧米と比べて 手厚い補助ともいえいるが、「国丸抱え」で民間事業を支える構図には、

危うさがつきまとう。

 13日、米サンフランシスコ。アジア太平洋経済協力会議(APEC)にあわせて 訪米した西村康稔

経済産業相は、エヌビディアやマイクロソフトなど 世界的な半導体・AI企業の幹部と日米連携

について意見交換する場を設けた。

 米側から 7社を招いた一方、日本側から参加が認められたのは 1社のみだった。トヨタ自動車

筆頭に名だたる企業が出資し、官民合同で 次世代半導体の国産化をめざす「ラピダス」。

日本の半導体復活をかけた国策会社だ。

 

 経産省によると、同社の小池淳義社長は 27年の量産開始へ計画が順調に進んでいることや、

米西海岸に事業拠点を置くことなどをアピール。 呼応するように 西村氏は「 世界最先端の技術の

粋を集めて挑戦するのがラピダス。政府として しっかり応援していく 」と、記者団に語った。

 

国費1兆円 前例なき巨額投入

 今年度補正に盛り込まれた半導体産業への支援は、約2兆円にのぼる。際立つのが、ラピダスへの

支援で、国の基金に 最大6773億円が積み増される。すでに 3300億円の補助は決まっているため、

国費で 1兆円規模が投じられる。・・・

 

 

【独自】ラピダスに 最大5900億円追加支援へ 政府・経産省

                                             2024.04.01         テレ東BIZ

    経済産業省は、次世代半導体の開発・量産を目指す Rapidus(ラピダス)に、最大5900億円を

追加支援する方針を固めたことが テレビ東京の取材でわかった。経産省は これまでに3300億円の

支援を決めており、合計で 1兆円近い支援をすることになる。

   ラピダスは、回路の線幅が 2ナノ(ナノ=10億分の1)メートル相当の次世代半導体の量産を

目指し、アメリカのIBMと共同で開発を進めている。 回路の線幅が細いほど処理能力が高く 消費電力

を低減できると言われており、多くの電力を消費するAI や 自動運転などにも 次世代半導体は

欠かせないと見て、経産省は 開発を加速させる必要があると判断した模様だ。
   ラピダスは、北海道・千歳市で 建設中の生産工場に製造装置などを年末までに搬入し、来年前半

には試作品の生産にかかる予定だ。5900億円のうち、550億円超は 半導体生産の「後工程」と

呼ばれる先端パッケージング技術の新たな研究開発事業にあてられ、残りは 建設費の一部や最先端の

製造装置の導入費用などにあてられる見込みだ。
   政府は、
台湾のTSMCが 熊本県で手掛ける半導体生産工場に 最大約1兆2000億円の支援を決める

など、かつてない規模で 半導体の国内生産基盤の強化を進めていて、半導体産業を中心とした

国内産業全体の成長につなげたい考えだ。