小林製薬は「いのち輝く」大阪万博メインパビリオンに5億円協賛

                                                         …同社の対応は?

                                      2024/03/29     日刊ゲンダイ

  一難去る間もなく、また一難だ。2025年大阪・関西万博に、新たな懸案が浮上している。

「 紅麹 」サプリ摂取者の5人が死亡し、商品の自主回収を決めた小林製薬が、目玉パビリオンに

出展予定なのだ。「いのち輝く」万博にふさわしいのか。小林製薬を直撃すると──。

  ◇  ◇  ◇

 小林製薬は 28日、大阪市内で 定時株主総会を開催。 「紅麹」サプリの健康被害問題について、

小林章浩社長は「 被害の拡大防止と原因究明に全社を挙げて全力で取り組む 」と謝罪した。

株主は「 情報公開が遅い 」「 管理体制がまずい 」などと怒り心頭だった。

   小林製薬によれば、サプリ摂取と死亡との関連が疑われる事例が5件、摂取後の入院事例は106件

に上る。同社に 摂取と健康被害の因果関係について尋ねると、「 詳細を確認中 」(広報IR部)

とだけ回答した。その後、厚労省によると サプリを服用して入院した人は 重複計上などがあったため、

106人から93人に修正された。

 さらなる問題は 万博との絡みである。大阪府・市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」。

「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のメインテーマを具現化する施設に、小林製薬は

「プレミアムパートナー」として協賛しているのだ。
 プレミアムパートナーは 協賛金5億円以上が条件で、パビリオンに 企業ブースを出展できるほか、

パビリオンの公式ロゴ(青いたまごマーク)を 広告や頒布品、景品などに使用できる。

 プレミアムパートナー以上の企業は、最上位ランクの「スーパープレミアムパートナー」

(協賛金10億円以上)を合わせても 20社に過ぎない。そんな超大口スポンサーのひとつが健康被害

で糾弾されているのだ。すでに 逆風すさまじい万博にとって、まさに弱り目にたたり目。もはや

呪われているとしか言いようがない。

 

「 あったら ダメなをカタチにする 」

   健康被害問題を受けてパビリオンへの出展を取りやめるのか、小林製薬に問い合わせると
「 今のところ 予定通り出展します 」(広報IR部)と回答した。出展内容については「検討中」
(同)だという。「『あったらいいな』をカタチにする」のCMでお馴染みだが、「いのち輝く」万博
のメインパビリオンに「あったらいいな」とは、とてもじゃないが言えないだろう。

 27日に大阪市が小林製薬に下した製品回収の行政処分を受け、府は同社と2018年に結んだ
包括連携協定に関し、「協定に基づく具体的な取り組みを中断した」(公民連携グループ)と説明
した。「(協定を)破棄したわけではないが、(連携活動の)再開めどは立っていない」(同)のが
実情だ。
 府が包括連携協定を中断した事例を踏まえれば、府・市が主体のヘルスケアパビリオンでも、
小林製薬側に「出展中止」を要請する可能性があるのではないか。府の所管部署に改めて問い合わせ
ると、「 パビリオンの協賛にあたっては、包括連携協定のようなガイドラインが存在しない 」
「 事実関係を確認している段階なので、(出展中止を)要請するかどうかも含め、お答えできない 」
(出展企画課)とのことだった。

 万博開催まで残り1年余りなのに、ことごとく「あったらダメな」をカタチにしてばかり。
まったく、どないすんねん。

■小林製薬製の紅麹製品  厚労省が 原料入手の173社を公表
  厚生労働省の専門調査会は 28日、小林製薬の紅麹原料を使用した製品について、今後の対応を
協議した。厚労省は原料を入手した173社を公表。各社に対し、来月5日までに健康被害の有無を
報告するよう求める対応案が了承された。
   小林製薬から原料を直接入手した 52社には、29日までの報告を要請する。調査会には小林製薬の
役員らも出席し、製造工程や品質管理体制などを説明した。同社は近く「紅麹コレステヘルプ」など
のサンプルを提供し、国立医薬品食品衛生研究所が解析を進める。
 
 
 
                                   2024/03/29      日刊ゲンダイ
 小林製薬の製造・販売するサプリメント「紅麹コレステヘルプ」で健康被害が相次いでいる問題で、
同社は 29日会見を行った。また新たに 1人死亡者が出たと発表し、これで関連が疑われる死亡者が
5人になった。
 同社によると このサプリには想定されていない「未知の成分」が含まれているという。
成分については 今後明らかになるが、今回の健康被害を受けて、反応しているのが ワクチン副作用
に疑問を投げかける “反ワクチン”派の声だ。

 「 一時X(旧ツイッター)のトレンドに『コロナワクチン』が入りました。SNSでは 小林製薬の
問題に重ねて《 コロナワクチン被害の方が はるかに多い件については? 》《 死亡は 新型 コロナワクチン
のせいです。紅麹に謝れ 》などの声があふれています。
   コロナワクチン摂取直後に亡くなった事例は 複数報告されていますが、因果関係が認められた
ケースは ほとんどなく、厚労省のHPでも《 接種後の死亡事例は報告されていますが、現時点で、
引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとされています 》と記載
している。小林製薬の件は すぐに問題になっているのに と引き合いに出し、納得がいかないと
騒ぎになっています 」(ヘルスケア系ライター)
   厚労省の公式Xでは、「 小林製薬が販売した紅麹に関連した食品の自主回収情報をお知らせします。
この製品を購入した方は、直ちに 喫食を中止し、身体に異常がある場合には、医療機関を受診するか
最寄りの保健所にご相談ください。」と 注意喚起のポストをしているが、ここで また “反ワクチン”派
と攻防が繰り広げられている。

■反ワクチン投稿を非表示に
  「 厚労省のXのポストの右下にある『Hidden replies』欄に注目が集まっています。これは
ユーザーが ポストに無関係な発言や誹謗中傷を排除する(隠す)ための機能ですが、隠された投稿
は すべて反ワクチン投稿だからです」(前出)

《 厚労省が、「 コロナワクチンも回収してください 」などの返信を非表示にしていますが、
国民の声を 政府機関が 自ら封じるのはいかがなものでしょうか。》《 厚労省、非表示使うんだ?
へぇ。困るから?どっち向いて仕事してるのですかね。》《 非表示のリプ欄 地獄だろ 》

 紅麹も コロナワクチンも健康被害の因果関係は これから解明されるとして、厚労省が国民の声を
排除しているのは対応がまずかっただろう。