🔶小林製薬、遅かった自主回収の判断 積み上げた信頼に傷 

          工場管理に落とし穴も

                                                     2024/3/22       イザ! 

   医薬品や生活用品で 数々のヒット商品を生み出してきた小林製薬。販売した機能性表示食品を

服用した13人が 腎疾患を発症したことは、企業としての信頼を傷つけ、経営を揺るがす事態だ。

健康食品の需要は 増加傾向にあるが、思わぬ事故や副作用のリスクが改めて浮き彫りになった。

  「 結果として 調査に時間がかかった。(自主回収の)判断が遅かったといわれればそれまで 」。

同社の小林章浩社長は 会見でそう唇をかんだ。

 

   同社によると 1月中旬以降、患者を診察した医師から問い合わせが相次ぎ、小林氏 は最初の報告

を受けた 2月6日には「 何らかの回収になるだろうと覚悟した 」という。

ところが、紅麹(こうじ)原料などの生産データを再確認し、「未知の成分」の存在を示す分析結果

が出て 自主回収を決断したのは3月中旬だった。

   当初の検査では、紅麹菌がつくることが知られる有毒性の「シトリニン」が検出されず、

アレルギーという個人的な原因も疑った。その間、原料に含まれる未知の成分を検出できる分析方法

への着手が遅れたといわざるを得ない。

 

    紅麹原料は 昨年12月まで 大阪市内の自社工場で製造し、協力会社で製品を生産していた。

山下健司執行役員(製造本部長)は「 工場では きっちりと入室管理し、決められた従業員しか

入れない 」などと説明し、人為的な異物混入の可能性を否定した。しかし、工場の管理体制に

見えない落とし穴があった可能性が高い。

   同社は 疾患と製品の因果関係の解明を急ぎ、問題が判明した場合は すみやかに対応する誠実な

対応が求められる。(牛島要平)

 

   原因特定まで「あと1~2カ月」 小林製薬、サプリで健康被害

  小林製薬「想定していない成分含まれていた」 紅こうじサプリ摂取6人が腎疾患などで入院

 

 

 

🔶原因は “未知の成分”? 小林製薬サプリ摂取者に健康被害

            …腎疾患相次ぎ重篤で入院も

               2024/03/22   朝日

 小林製薬は22日、サプリメントの自主回収を発表しました。腎臓の機能が悪化する健康被害が

相次いで起きていて、重篤なケースで入院に至った人もいることから、ただちに使用を中止する

よう求めています。
■腎疾患相次ぐ…重篤で入院も

 小林製薬 小林章浩社長
 「 弊社が販売する『紅麹コレステヘルプ』を摂取された方において、腎疾患などが発生していて、

   成分分析した結果、一部の紅麹原料に 本来想定していない成分が含まれている可能性があること

   が判明。お客様の健康被害の拡大を防ぐため、関連製品の自主回収をします 」

   自主回収を発表したのは 『紅麹コレステヘルプ』 『ナイシヘルプ+コレステロール』

『ナットウキナーゼさらさら粒GOLD』の3つ。コレステロールや血圧を下げる効果をうたった

サプリメントです。これまでに 106万個が販売され、回収の対象は 全ての商品で30万個に上ります。

小林製薬 小林章浩社長
  「 健康を害されている お客様に深くおわびを申し上げるとともに、使用されているお客様は

   直ちに使用中止をお願いします 」

  最初に 腎臓の病気が確認されたのは 今年1月。現在までに報告されている患者は 40〜70代まで

の男女13人です。そのうち、一時 6人が 入院(そのうち5人退院)、7人が通院が必要になった

といいます。心配なのは その症状です。

小林製薬 渡邊淳信頼性保証本部長
  「 なかには 一時的に 透析が必要になった方もいます。その方は 透析から離脱ができて、今は

   退院されております。症状は 腎臓の機能が悪化するので、むくみが出る、尿が出にくくなる。

  (Q.今後、症状の広がりは)正直分からない。1人だろうが 人数が多いかではなく、ここで

   服用をやめていただくことで 発生を未然にふせぎたい 」

   サプリメントによる健康被害の可能性に、不安の声も…。
60代
  「 年齢とともに 基礎代謝も落ちてくるし、動くこともできなかったりするので、飲むことも

   あるが、それを吟味するのは 消費者としては難しい」
50代
  「 信頼して買っていますので ショックですね。体にいいと思って買っているので残念。

   社会的な信用もあるし、そこを含めて選択しているので本当に残念 」

■原因は“未知の成分”?
    健康被害を引き起こした原因は なにか。小林製薬では緊急対策本部を設置し、複数の仮説を

立てて検証したといいます。
   原料の紅麹に由来する病気を引き起こす可能性のある物質や、有害なカビ毒、個人のアレルギー

反応などを検証した結果、明確な原因とは言えず。有力な原因として浮上しているのが “想定して

いない成分” です。

小林製薬 渡邊淳信頼性保証本部長
  「 本来、我々が想定していない成分が 中に含まれているのではないか。まだまだ、これが 本当

   の物質と特定・断定まではできていない。仮設段階では、カビから作られるものがあるのでは 」

  小林製薬では 大学などと協力して、この物質の特定を急ぐとしています。