PFAS ――― やっときた米軍からの回答は? 東広島市 

                           ゆる~い 吉備中央町・健康影響対策委員会(PFAS)

 

 

高濃度のPFASが検出されている化学工場の元従業員

血液検査で全国平均値の20倍超の濃度検出=静岡市

                                 2024年3月2日               SBS NEWS | 静岡放送

     発がん性が指摘される有機フッ素化合物=PFASが、静岡市清水区の化学工場周辺で高濃度で

   検出されている問題を巡り、この工場に勤務していた元従業員の血液から、全国調査の平均値

   の20倍を超える濃度が検出されたことが分かりました。

      静岡市清水区の「三井・ケマーズフロロプロダクツ清水工場」の周辺では、発がん性が指摘

   される有機フッ素化合物「PFAS」が高濃度で検出されています。
   工場側は先月、2013年までに、PFASの一種「PFOA」を扱っていた従業員を対象に、血液検査を

   行いました。
      その結果、元従業員の男性から、国が2022年度行った全国調査の平均値の20倍を超える濃度が

   検出されたことが分かりました。
     この工場では、素手で PFOAを扱っていた従業員もいたとされていますが、血中濃度との因果関係

   は不明で、会社側の真摯な対応が求められています。

 

 

三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社

    清水工場周辺において検出されたPFOAについて

               

 

   当社では PFOA に関し、下記の通り取り組んでまいりました。 

2006年  米国環境保護庁による 2010/15 PFOA Stewardship Program(PFOA 自主削減 プログラム)

  に対し、米国デュポン社(当時の親会社、以下デュポン社)を含む世界のフッ素化学メーカー8社

  が参画しました。 当社も 当該プログラムへの協力要請を デュポン社より受け、参画しました。 2007年  デュポン社の安全基準に従い、PFOA を取扱う製造工程における作業環境改善 2008年 

      清水工場における PFOA 全廃プロジェクト開始 

2013年  清水工場における PFOA 全廃プロジェクト完了 

      清水工場において フッ素樹脂製造時の重合助剤として PFOAを 1965年より使用しており

      ましたが、2013年 12月に使用を中止し、以後、使用しておりません。

2023年 11 月、三者連絡会(三保地区連合自治会、静岡市、当社)発足 12 月、清水工場敷地内に

      浄化設備(1 号機)を設置し、稼働予定

 

 

 

静岡 PFAS続報 清水区三保に続き折戸・駒越でも目標値越える濃度検出 

                                                 2023年12月18日       NHK

    静岡市清水区の化学工場周辺の井戸水などから有機フッ素化合物の「PFAS」のうち有害性が

 指摘されている物質が 高い濃度で検出された問題で、静岡市は、工場付近のポンプ場の排水を

 検査した結果、最大で 国の暫定目標値の220倍にあたる濃度が検出されたと発表しました。

 工場のある地区の近隣地区の井戸水からも 目標値を超える濃度が検出されたことがわかり、

 難波喬司市長は、当面 これらの地区で井戸水を飲むのを控えるよう呼びかけました。

    三保雨水ポンプ場 目標値の220倍

    アメリカの化学メーカー「デュポン」社が出資する会社が 静岡市清水区三保で運営していた
 化学工場では、フッ素樹脂を製造する過程で「PFAS」のうち 発がん性などの影響が指摘されている
 「PFOA」が 2013年まで使われていて、工場付近の水路 や 井戸水から高い濃度の「PFOA」が検出
 されたことから、市は 調査範囲を広げるなどして水質検査を進めてきました。

     12月12日、静岡市の難波市長が 臨時の会見を開き、この水質検査の結果を公表しました。

  それによりますと、11月22日から28日にかけて、工場の付近にある「三保雨水ポンプ場」の排水を

  連日検査した結果、国の目標値の78倍から 220倍の濃度が検出されたということです。
    市が ポンプ場への流入経路となっている「雨水幹線」を調査した結果、工場の西側で 国の値の

  500倍の濃度が検出されたことから、工場内の高濃度の地下水が 何らかの原因で 雨水幹線に

  入り込んだことが考えられるということです。
     市は、現在 工場を運営している「三井・ケマーズフロロプロダクツ」に対し、工場内の地下水が

  流入しないようにする対策を求めているということです。

    静岡市 難波喬司市長
    工場敷地内の地下水の濃度が 極めて高く、それが 周囲に拡散している状況が確認され、おそらく

  間違いないと思うので、会社側には 対策をしっかりと取ってもらいたい。

   折戸地区と駒越地区でも検出

     また、12月12日の会見では、三保地区の近隣に位置する 折戸地区と駒越地区で 11月、井戸水を

  検査した結果、折戸地区では 最大で国の値の7.2倍、駒越地区では 最大で4.2倍の濃度が検出された

  ことも発表されました。難波市長は、三保地区と折戸地区、それに 駒越地区では、当面、井戸水を

  飲むのを控えるよう呼びかけました。

   静岡市 難波喬司市長
     水道水を飲んでいるかぎりは 健康への影響はないと思われるので、過度な心配はいただかなくて

  よいと思うが、そうは言いながらも 不安はある と思うので しっかりとした情報提供を行って

  いきたい。

     市は今後、三保半島で 土壌調査を行うほか、工場の排水が流れ込む 折戸湾で海水の検査も行う

  方針です

     一方、静岡市の検査結果を受けて、「三井・ケマーズフロロプロダクツ」は、地下水をくみ上げて活性炭

  を使った浄化装置で処理してから排出する対策を 12月18日から始めるほか、敷地の境界の地下に

  遮水壁を設置するなどの中長期的な対策を検討しているということです。

   自治会会長「早急に対策を」

    静岡市の検査結果について、清水区の三保地区連合自治会の櫻田芳宏会長に話を聞きました。

   清水区 三保地区連合自治会 櫻田芳宏会長
    予想よりも 濃度が高い印象で、間違いなく工場からは影響がでていて、土壌に蓄積されている

  だろうと感じた。対策については 早急にできるものと簡単にいかないものがあると思う。特に

  土壌の浄化は難しく 長期戦になると思った。
    工場の周辺では 高い濃度が検出されているので、自治会としては それを早急に下げる対策を

  お願いしていきたい。

   専門家「土壌に相当量のPFOA」

    また今回の調査結果と会社側が取り組む対策について、PFASの環境省専門家会議のメンバー

  でもある専門家は 以下のように指摘しました。

   京都大学大学院 原田浩二准教授
 
    排水として このレベルの濃度が出ることは まれで、雨水は 結局のところ工場の敷地を通って

    くるので、いまだに 表層の土壌に相当量のPFOAが残っていないとこのような高い値にはならない。

   (会社側の)一番濃度の高いところの地下水をくみ上げる、もしくは 遮水壁を設置するという

    対策は、周りに広がるのを抑える という点では効果はあるかもしれない。ただし、それで十分

    なのかということについては しっかりした評価が必要だ。

 

 

     🔶  従業員の血中から高濃度のPFAS検出 デュポン社出資の化学工場 静岡

                                                 2023年10月20日      NHK

      有機フッ素化合物の「PFAS」のうち有害性が指摘されている物質を かつて使用していた静岡市

    の化学工場で、従業員の血中から高濃度のPFASが検出されていたことが、当時の親会社が作成

    した内部文書で分かりました。アメリカで 健康へのリスクがあるとされる指標の400倍を超える人

    もいるということです。

           この内部文書は、アメリカの化学メーカーの「デュポン」社が出資していた「三井・

      デュポンフロロケミカル」が運営していた静岡市清水区の化学工場で、2008年から2010年の

      間に製造部門を含む 24人の従業員に行った血液検査の結果を記したものです。
        文書は
親会社のデュポン社が作成したもので、当時、この工場では PFASのうち発がん性など

      が指摘されている「PFOA」を取り扱っていました。
      

        文書によると、従業員からは アメリカの学術団体が健康にリスクがあるとしている「血中

       1ミリリットル当たり20ナノグラム」という指標の最小で 3.4倍の69ナノグラム、最大で

       418.5倍の8370ナノグラムが検出されたということです。

          この内部文書は、アメリカで「PFAS」をめぐる裁判に取り組む弁護士から NHKが入手した

       もので、現在、運営を引き継いだ「三井・ケマーズフロロプロダクツ」はNHKの取材に対し、

      「文書については コメントを控える」とする一方、この時期に デュポン社の要請に基づいて

       従業員への血液検査を行い、「PFOA」が検出されたことは認めています。
           そのうえで、「 健康影響は報告されておらず、検査後の健康調査は実施していない 」と

       説明しています。
          会社側によりますと、工場では フッ素樹脂を製造する過程で「PFOA」を1965年から2013年

       まで使用していて、従業員への血液検査は、2000年と、2011年から2013年の間にも行われた

       としていますが、「 詳細については 対外的な説明を控える 」としています。

         会社側は 今後、在籍中の従業員や工場で勤務していた退職者のうち希望者を対象に、社内の

       診療所での健康相談や血液検査を実施することにしています。

           デュポン社の資料とは

         今回、明らかになった文書は 静岡市清水区の工場で「PFAS」の一種の「PFOA」が使われて

       いた当時の親会社のアメリカの化学メーカー「デュポン」によって作成され、2000年頃から

       工場で実施されていた「PFOA」に関する調査の結果が示されています。
         その後、アメリカで起こされた デュポンに対する裁判の過程で 原告側の代理人のロバート・

       ビロット弁護士が入手しました。
       ビロット弁護士によりますと、このうち 工場の従業員の血液検査の結果は 2010年にデュポン側

       からアメリカの環境保護庁に提出された文書から明らかになったということです。
          また 2002年に 工場と その付近の地下水から「PFOA」が検出されていたことを示す文書は、

       訴訟のなかで ビロット弁護士らのチームが デュポンから直接、入手したということです。

          ビロット弁護士の著書によると、アメリカでは 1999年にデュポンの工場周辺の住民が

       デュポンを相手に起こした裁判をきっかけに 健康被害を訴える裁判などが相次いで起こされ、

       デュポン側が 多額の和解金を支払うなどしています。

         ビロット弁護士は 最初の裁判をはじめ 数々の裁判に関わって「PFOA」の危険性を訴えてきた

        ということで「 デュポンは 少なくとも 1981年には この化学物質の懸念について 

        日本の この工場ともやりとりしていたことが文書からわかっている。訴訟で入手した文書は

        アメリカの環境保護庁に送って、日本でも それが公になり 人々に伝わることを願っていたが、

        残念なことにそうはなっておらず、何十年も続いてきた問題が 今になって ようやく人々の知る

        ところになってきたということは とても悔しい。製造工場から化学物質が排出されてきた

        ことは しっかり調査されるべきだ 」と話しています。

 

       過去に敷地外から暫定目標値の6120倍「PFOA」検出も

   静岡市清水区の工場をめぐっては、過去に敷地外の側溝から 現在の国の暫定目標値の6120倍

      にあたる「PFOA」が検出されたとみられることも 入手した資料から分かりました。
         アメリカの化学メーカー「デュポン」に対する裁判の原告側の代理人のロバート・ビロット

      弁護士からNHKが入手した内部資料には、2002年8月に清水区の工場の敷地内 や その付近の

      合わせて 10か所で行われた地下水のサンプル検査の結果が記されています。
        それによりますと、いずれの地点も、検出された「PFOA」の値が国の暫定目標値の「1ℓ

  当り50ナノグラム」を大幅に上回っています。

  このうち、敷地外の公道沿いの側溝からは、目標値の 6120倍に当る 1ℓ当り30万6000ナノグラム

  の「PFOA」が検出されたと記載されています。
  また、敷地内から外の水路に排出される水からは、目標値の3万800倍にあたる、1ℓ当り

  154万 ナノグラム の「PFOA」が検出されたと記載されています。

         現在、工場を運営している「三井・ケマーズフロロプロダクツ」は NHKの取材に対し、

      「 デュポン社の文書については 回答いたしかねる。工場排水については 適切な管理を行って

      きている 」と説明しています。
         また 工場の敷地内の水質検査については「 一定頻度で調査を行っているが、データは開示

      していない 」としています。

 

     元従業員「物質の有害性 何も知らされず」

         静岡市清水区の工場で、10年余りにわたって「PFOA」を扱っていたという76歳の元従業員

      の男性が NHKの取材に応じ、物質の有害性について 何も知らされなかったとして、「 不安を

      抱えたまま生きていくのはつらい 」と訴えました。
        男性は 1965年から2007年まで工場で勤務していて、入社して 半年後から10年余りの間、

     「テフロン」と呼ばれる フッ素樹脂の製造を担当していました。
                                                    
 三井・ケマーズフロロプロダクツ株式会社
        当時、現場では「PFOA」について、「Cー8」という呼称を使っていたということで、男性は

     スコップで 粉末をすくって計量するなどの作業を素手で行っていて、防じんマスクを着用して

     いなかったため、吸い込んだ可能性もあるということです。
       また、「PFOA」の有害性などについては、これまで 会社側から何も説明を受けておらず、

     一部の従業員を対象に血液検査が行われたことも知らなかったということです。

       男性は、従業員を対象に行われた血液検査の結果、高濃度の「PFOA」が検出されたことを記す

     内部文書について、「 あまりにも 異常な値でびっくりしました。会社側は、危険性を認識して

     いたのであれば、何らかの対策をとらなければいけなかったのではないか 」と述べました。
  男性は 2年前に舌がんを患い、今も 治療が続いていますが、「PFOA」との関係性は分かって

    いません。  男性は「 不安を抱えたままずっと生きていくのはつらい。会社側には、工場で

    働いていた すべての従業員を対象に血液検査をしてほしい 」と訴えました。

 

    静岡市 工場周辺の水路や地下水の水質検査実施

       この問題をめぐって、地元の静岡市は 今月から工場周辺の水路や地下水の水質検査に乗り出し

    ました。 静岡市によりますと、先月、市内の大規模な事業所を対象に、「PFAS」の使用について

    聞き取りを行い、清水区の化学工場からは「 以前は 使用していたが、2013年12月までに取り

    やめた 」と回答があったということです。
      これを受けて 市は今月、工場の周辺で水質検査を行うことを決め、これまでに工場近くの水路

    のほか、4か所の井戸で水を採取し、民間の検査機関に分析を依頼しました。
  検査の結果は 来月末までに公表することにしています。
      静岡市の難波喬司市長は 今月13日の定例会見で「 まずは どういう状況にあるか確認することが

    大事だ。土壌が汚染されている不安もあるので、どうやって分析するかは 今回の調査結果を

    踏まえて検討したい 」と述べました。
      また、難波市長は、市の「環境保健研究所」で PFASを継続的に検査できる体制を 年内に整備

   する方針を示しています。

     専門家「周辺にも影響があると考えて今後の調査を」
     PFASの環境省専門家会議のメンバーでもある京都大学大学院の原田浩二准教授は
  「 PFASを扱う工場で働いていた人は、特定の病気などになりやすかったという海外の報告もあり、
   注意が必要だ 」と指摘しています。
      そのうえで、原田准教授は「 同じように PFASを使っていた大阪にあるフッ素樹脂化学工場周辺
   では、今も 地下水などからのPFASの高い濃度での検出が続いている。そういった点で 工場の
   敷地内だけの問題ではなく、周辺にも影響があると考えて、今後の調査を行う必要がある 」と
   指摘しています。