ウクライナ侵攻2年:50超の国・地域がロシア軍の即時撤退訴え 国連が会合開催 

                                           2024/2/24     毎日新聞

    国連の安全保障理事会と総会は 23日、ロシアによるウクライナ侵攻開始から24日で2年になる

のに合わせた会合を それぞれ開いた。安保理会合に先立ち、ウクライナと日米、欧州諸国など

50以上の国・地域の代表は、ロシア軍の即時撤退を改めて求める共同声明を発表。

北朝鮮とイラン、ベラルーシを名指しし、ロシアへの武器供与と軍事支援の停止を訴えた。

 侵攻開始1年の節目に開かれた昨年2月の国連総会では、ロシア軍に即時撤退を求める決議を

141カ国の賛成で採択したが、今年の総会会合では 決議案の提出は見送られた。戦況の手詰まり状態

による国際社会の「ウクライナ疲れ」や、イスラエルが パレスチナ自治区ガザ地区で続ける戦闘の

影響もうかがわせた。

 

    閣僚級による安保理会合では、ウクライナのクレバ外相が「 平和を願うのであれば、ウクライナ

の民間人を守るための防空システムと弾薬を提供してほしい 」と呼びかけ、追加の軍事支援の必要性

を訴えた。一方、ロシアのネベンジャ国連大使は いずれの会合でも ウクライナ に対する「特別軍事作戦」

の完遂を主張した。

 日本の辻清人副外相は安保理会合で「(ロシアの侵攻は)欧州だけの問題でも、いわゆる『ロシア

と西側』の問題でもない。力による 一方的な現状変更の試みは 世界のどこであろうと容認しては

ならない 」と述べた。

   スイスのカシス外相は、ウクライナの要請を受けて 今夏までに和平に関するハイレベル会合を

開催する意向を表明し、ウクライナ和平に向けた「 共通の基盤を見つける 」ためとして全加盟国に

参加を呼びかけた。

 フランシス国連総会議長は、戦闘に伴って 化学物質の拡散や温室効果ガス排出の増加が続いている

と指摘。「戦争の静かな犠牲者」として地球環境問題への悪影響を危惧した。

                                                                        【ニューヨーク八田浩輔】

 

侵略開始2年、国連総会でロシア非難決議の採択なし

                   …ウクライナ外相は和平案への支持訴え

                                     (読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

【ニューヨーク=金子靖志】国連総会は23日、ロシアによるウクライナ侵略開始から2年に

合わせた会合を開いた。米欧各国は ロシアの侵略を非難したが、対露非難決議は採択されなかった。

ウクライナが 非難決議案の提出を見送ったためで、昨年のように 多くの支持を得られないと判断した

とみられる。

   侵略1年に合わせた昨年の国連総会では、対露非難決議が141か国の賛成で採択された。

ウクライナは 今年、昨年よりも 賛成票を減らすとみて決議案の提出を断念した 」(国連外交筋)

という。パレスチナ自治区ガザでの戦闘に 各国の関心が分散しているとの見方もある。

 ウクライナのドミトロ・クレバ外相は23日の総会で演説し、「 この2年間で ロシアは多くの兵士

を投じ、ウクライナの子どもを誘拐し、民間人を人質に取ってきた 」と非難した。

露軍の完全撤退などを盛り込んだウクライナの和平案について、「 唯一の解決策だ 」と強調した。

 これに対し、ロシアの代表は「 ウクライナの平和のために、我々の『特別軍事作戦』を遂行し

なければならない 」と主張した。

 23日には 安全保障理事会の閣僚級会合も開かれた。会合に先立ち、日米など50か国以上が

ロシアの侵略を非難する共同声明を発表した。

 

 

 

 

 

 

英が新たにウクライナ支援策、砲弾供給網強化へ470億円

…スナク首相「必要なことは何でもする」 

                2024/02/24   読売新聞

【ロンドン=蒔田一彦】英国防省は 24日、ロシアによるウクライナ侵攻開始から2年となるのに

    合わせ、新たなウクライナ支援策を発表した。米欧諸国からの支援停滞で ウクライナ軍の

    兵器不足が指摘される中、2億4500万ポンド(約470億円)を拠出して砲弾の供給網を強化する。

  英国のグラント・シャップス国防相は今回の支援策について、「 ウクライナにとって極めて

  重要な砲弾の備蓄を増強するものだ 」と説明した。英政府は 1月、2024会計年度の軍事支援額

  を前年度より2億ポンド増やし、25億ポンド(約4800億円)にすると表明している。

      スナク首相は 23日の声明で「 今こそ、我々が これからも ウクライナと共にあることを

    改めて表明する時だ。どれだけかかったとしても、彼らが勝利するまで 必要なことは 何でもする

    用意がある 」と強調した。

 

 

 バイデン氏「プーチンに屈しない」、ウクライナ支援継続訴え

    …最大規模のロシア制裁も発表 

                2024/02/24   読売新聞 

【ワシントン=池田慶太】米国のバイデン大統領は23日、ホワイトハウスで ロシアの ウクライナ侵略

     について演説し「 米国は 自由のために立ち上がる。プーチン(露大統領)に屈することはない 」

     と述べた。

        ウクライナ支援予算が米議会下院で承認されず、支援が中断していることについて、

    「 この重要な時に ウクライナ支援に失敗することが、歴史上、忘れ去られることは決してない 」

     と指摘し、「 下院は 法案を通さなければならない 」と訴えた。

         米政府は 23日、侵略開始後では 最大規模となる対露制裁を発表した。バイデン氏は

     先進7か国(G7)首脳とオンラインで会談し、対露制裁などでの連携を確認する意向も示した。

 

 

 

   国連総会の緊急特別会合 ロシアを非難する決議 賛成多数で採択

                   2022年3月3日   NHK 

    ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐって開かれていた国連総会の緊急特別会合で、

   ロシアを非難し、軍の即時撤退などを求める決議案が賛成多数で採択されました。

         決議案には 欧米や日本など合わせて 141か国が賛成し、ウクライナ情勢をめぐる ロシアの

         国際的な孤立が いっそう際立つ形となりました。

             ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐる国連総会の緊急特別会合は 2日午前、

         日本時間の3日午前0時すぎから 3日目の日程が アメリカ ニューヨークの国連本部の総会議場

         で行われ、各国の代表などが演説しました。
            先月28日からの3日間で、193の加盟国のうち およそ120か国の代表が演説を行い、最後に

         アメリカなどが提出した決議案の採決が行われました。

            決議案は、ロシアがウクライナで軍事作戦を行うと宣言したことや、核戦力の準備態勢を

         強化するとした決定を非難するとしています。
            また、住宅や学校など 民間施設への攻撃や民間人の犠牲者の報告に 深い懸念を表明する

         としたうえで、ロシアに対して 完全かつ無条件での軍の即時撤退などを求めています。

            採決は 日本時間の3日午前2時前に行われ、賛成が欧米や日本など合わせて141か国、

         反対が ロシアのほかベラルーシや北朝鮮など合わせて 5か国で、3分の2以上の賛成を得て

         採択されました。
            中国やインドなど合わせて 35か国は棄権しました。

            国連では 安全保障理事会で 先月25日、ロシア軍の即時撤退などを求める決議案が

         ロシア自身の拒否権で否決されました。

            国連総会での決議には法的な拘束力はありませんが、すべての国連加盟国が参加できる

          国連総会で 非難決議が採択されたことで、ウクライナ情勢をめぐるロシアの国際的な孤立が

          いっそう際立つ形となりました。

            決議案 反対 5か国     棄権 35か国

            決議案に反対したのは、  ▽ロシア、▽ベラルーシ、▽シリア、▽北朝鮮、▽エリトリア

          の5か国です。
            決議案に棄権した35か国は以下の通りです。
          ▽アルジェリアアンゴラアルメニアバングラデシュ ボリビアブルンジ
          ▽中央アフリカ中国 コンゴ共和国キューバエルサルバドル赤道ギニアインド

          ▽イランイラクカザフスタンキルギスラオス マダガスカルマリモンゴル
          ▽モザンビークナミビアニカラグアパキスタンセネガル南アフリカ 南スーダン

          ▽スリランカスーダンタジキスタンウガンダタンザニアベトナム ジンバブエ

 

       グテーレス事務総長「一刻の猶予も残されていない」

            国連総会の緊急特別会合で、ロシアを非難し 軍の即時撤退などを求める決議が賛成多数で

         採択された後、国連のグテーレス事務総長は 記者団に対し「 決議に寄り添い その目的を達成

         することが事務総長としての私の責務だ。ウクライナでの敵対的な行為を終わらせ、武器を

         置き、対話と外交への扉を開くよう求める総会のメッセージは明確だ 」と述べました。
            そのうえで「 国連憲章に沿ってウクライナの領土と主権は尊重されなくてはいけない。

         もはや 一刻の猶予も残されていない。平和に向けた交渉を直ちに始めるために力を尽くす 」

         として、引き続き外交的な解決に向け全力を尽くす考えを示しました。

 
       バイデン大統領 棄権した中国とインドを名指しで批判

            アメリカのバイデン大統領は 2日、決議案が賛成多数で採択されたことについて、

         中西部ウィスコンシン州で行った演説の中で「 141か国が ロシアを非難した。いくつかの国は

         棄権した。中国は 棄権した。インドも 棄権した。彼らは孤立している 」と述べ棄権した

         35か国のうち 中国とインドを名指しで批判しました。
             そのうえで「 彼らは NATO=北大西洋条約機構やヨーロッパ、そして アメリカを分断する

          ことができると考えているのだろう。そんなことは誰にもできないと世界全体に示そう 」

          と訴えました。

 

        米国連大使 国際社会の結束を訴え

             国連総会の緊急特別会合で、ロシアを非難し軍の即時撤退などを求める決議が賛成多数で

          採択された後、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は記者団に対し「 きょう

          世界の大多数が ロシアによる いわれのない戦争を非難するという、明確で統一された声を

          発した。ロシアが孤立していることや、ロシアが断念するまでその代償は増え続けることを

          示した 」と述べ、圧倒的多数の支持を得て 決議が採択されたことの意義を強調しました。
              そのうえで「 ウクライナの状況は 日々深刻さを増しており、ウクライナの人々を助け、

          ロシアの責任を追及するために 私たちはできるかぎりのことをしなければならない。国連の

          真の力と真の目的をすべての人に示そう 」と述べ、国際社会の結束を訴えました。

 

        ウクライナ国連大使 “悪を止める壁作り若い世代守る”

            採決にあたって、ウクライナのキスリツァ国連大使は演説で、ロシアの軍事侵攻を非難した

          うえで「 ウクライナでの流血の事態を、自分の戦争ではないと考える人がいるかもしれない

          が、それは間違いだ。悪は決して止まらない。今回の決議は、それを止める壁を作るための

          ものだ。ウクライナ で止め、それ以上進まないように。若い世代を守るために 」と述べました。
    そして最後に「 すべての責任ある加盟国に決議案を支持するよう求める 」と述べると、

          総会議場から大きな拍手が沸き起こりました。

 

        ロシア国連大使  “軍事行動は終了せず”

            決議の採決を前に演説したロシアのネベンジャ国連大使は「 この決議案では、われわれの

          軍事行動の終了につながらない。それどころか ウクライナの過激派を勢いづかせ、市民を

          人質にとる策を続けさせることに繋がる 」と述べ、決議案に賛成しないよう呼びかけました。
    そのうえで「 われわれの軍事作戦の目的は 達成されるだろう。われわれは 民間施設や市民

          を攻撃しない。インターネット上にある、多くの誤った情報を信じるべきではない 」と述べ、

          ウクライナ東部のロシア系住民を守るために軍事作戦を続けるという、従来の主張を繰り返し

          ました。

 

   NYで軍事侵攻への抗議デモ ロシア出身者も

     国連総会の緊急特別会合が開かれていたアメリカ ニューヨークでは、2日も、ロシアによる

    ウクライナへの軍事侵攻に抗議するデモが行われました。
             マンハッタンのタイムズスクエアには、ウクライナの国旗を持った人たちが多く集まり、

          国歌を歌うなどして 連帯の気持ちを示していました。
              ウクライナで生まれ、多くの親戚がウクライナにいるという54歳の男性は「 21世紀にも

           なって、このようなことが起こるなんて信じられないが、どんな連帯感でも 間違いなく

           助けになると思う。より多くの人や国、組織が連帯を示せば、明らかに違いが出てくる 」

          と話していました。
             ただ、国連総会での決議については「 この1週間、このテーマで 様々なことが決められ

    てきたが、国連には、それを実現する力がないと思う。残念ながら 何も変えられないのでは

          ないか 」という諦めのような声も聞かれました。
             また「 ウクライナを愛している 」というプラカードを持って デモに参加したロシア出身

    の男性は「 ロシアには プーチン大統領に反対する人がたくさんいるし、私も反対してきたが、

          私たちは 国家として負債を払うべきだと思う。国際社会の仲間がいなくなってしまったこと

          は恥ずべきことだ 」と話していました。

 

        松野官房長官「採択されたことを歓迎」

             松野官房長官は、記者会見で「 ロシアによる ウクライナ への侵略を最も強い言葉で遺憾とし、

           ロシア軍の即時、完全無条件の撤退を求めることなどを内容とする総会決議が採択された

           ことを歓迎する 」と述べました。
              そのうえで「 141か国が賛成して採択されたことは、国際社会で幅広く共有されている

           強い意思が改めて確認されたものと受け止めている。わが国は総会決議案の共同提案国と

           なり、賛成票を投じた。決議が着実に実施されることが重要だ 」と述べました。
              そして「 政府としては 引き続き G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携して、

           ロシアに対して 即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収して 国際法を順守するよう

           強く求めていく。国連でも、わが国の基本的立場を踏まえ積極的に貢献していきたい 」

           と述べました。

 

        国連総会、ロシア非難の決議案採択 141カ国が賛成 

                                            2023.02.24       CNN.