西村康稔 - Wikipedia

西村康稔氏の辞任報告にズッこけた

あなたは「場合によっては逮捕される男」ではないのか

          中川淳一郎 (全文)

               2024年01月13    デイリー新潮

 自民党の「パーティ券問題」の渦中にあり、経済産業相を辞任⊛した西村康稔氏が 同省を去る様子

をX(旧ツイッター)で報告したのですが、ズッこけました。

 

    ⊛ 2023年9月13日に発足した第2次改造内閣で 経産大臣留任。
      同年12月9日、自民党5派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、安倍派座長の塩谷立と5人衆の

       西村、松野、萩生田、高木、世耕の安倍派の中枢幹部の6人全員が直近5年間で それぞれ

       1千万円超~約100万円の裏金のキックバックを派閥から受け、政治資金収支報告書に記載していない

       疑いがあることが明らかとなり、12月14日、西村は経済産業大臣の辞表を提出し受理された。

 

 

        西村やすとし NISHIMURA Yasutoshi (@nishy03) / X (twitter.com)

 

   4枚の写真は (1)花束を持ち、見送る職員をバックに笑顔で手を振る

                    (2)同様に手を振り歩く。脇には拍手する職員

                    (3)真剣にスピーチをする

                    (4)スピーチ中一本締めをするかのようなポーズを取る

、です。 添えられた文章の一部には こうあります。

 

    〈 1年4ヶ月にわたり私を支えてくれた職員の皆さんから、拍手と温かい言葉で見送られ、

  涙の出る思いでした。改革の道半ばで退任することとなり残念な思いですが、

  まずは捜査に協力し、しかるべき時がくれば、しっかりと説明責を果たしたい 

 

 おい、この写真と文章さ、人望があり、大活躍により さらなる高みが期待される大臣が

内閣改造で 円満任期満了を迎えたようなものだろ! 

 

   あと、「 今 」説明せぇ! いいですか、貴殿は「 政治資金規正法違反疑惑により辞任した男 」

であり、「 場合によっては 逮捕される男 」なの!

 

 この次の投稿では、ASEAN各国の大臣と楽しそうなディナーの様子を投稿。

そこに添えた言葉は「 しばらく会えなくなることの別れを惜しみました 」とある。

「 しばらく 」って  また 経産相に復帰するつもりか?

 

 12月2日、万博会場視察時の会見で 自身の政治団体では「適正に処理している」と言っていたのに

辞任ってヘンでしょうよ。この人、本当に 後先考えない人なのでしょうね。

 

菅義偉内閣時代は 新型コロナウイルス感染症対策担当大臣でしたが、とんでもないことを言いだした。

    端的に言うと、こうです。

                  新型コロナウイルス感染症対策担当大臣(2020年3月6日 ~ 2021年10月4日)

             ( 第4次安倍第2次改造内閣/菅義偉内閣 )

  〈 休業要請に応じない店舗に対しては、金融機関に働きかけて カネを貸さないようにする 〉

 

 こんな強権ありますか? 野党は この暴言を批判し、菅首相は「承知していない」と突き放し、

結局西村氏が 撤回することとなりました。

 

 そして この男の空気の読めなさが徹底的に露呈したのが、同氏の著書『コロナとの死闘』(幻冬舎

・2022)です。書評を書くべく 仕方なく読んだのですが、ツッコミどころの連発で、人生でもっとも

苦痛な読書体験でした。アメリカの高校時代に 英語の小説を読まされたのよりも ツラかったです。

 

 飲食店を問題視したのは、

    (1)マスクナシの会話がある

    (2)特に大人数、長時間の酒を伴う会合は大声になる可能性がありリスクが高い

    (3)5人以上だとリスクが高まる

    (4)5人以上だとクラスターになる可能性が高いとのデータもある

、などが影響したのでしょう。

 で、新型コロナウイルスは 今も存在しますが、マスクして 4人以内で短時間の忘年会を心がけて

いる人っています? 西村さんだって ASEANの大臣とノーマスクで大宴会やったでしょうよ。

 

 とにかく、ヒド過ぎる本なのですよ。当時の自分が いかに頑張ったか、を振り返り、現在多数の人

が苦痛にあえぐ ワクチン後遺症(ワクチン薬害)にも言及せず。

 

 今は 自身の政治資金の不正については「適正に処理している」ですって。 経産省を にこやかに

去った様子を含め、これくらい鈍感な方でないと 大臣なんてなれないんだな、と思いました。

 

         中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
       1973(昭和48)年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、

       2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。

       著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』等。