2021/12/23 読売新聞オンライン
2番目の少なさ 通期見通し 最大の赤字か
総社市と広島県福山市を結ぶ井原線を運行する第3セクターの井原鉄道(井原市)は、
2021年度上半期(4~9月)の利用者が44万5881人と、1999年の開業以降では
2番目に少なかったと発表した。 通期の決算の見通しも、原油高による燃料費の増加などで、
2003年度以降で 最大の赤字になるとしている。 (矢沢寛茂)
利用者は 新型コロナウイルスの影響で 過去最低となった前年度同期より 4・5%増と
やや持ち直した。内訳は ▽ 通学定期 20万4300人(前年度同期比12・8%増) ▽通勤定期
13万8180人(同7・6%減) ▽ 一般・団体利用など 10万3401人(同7・8%増)
――― だった。
通勤の利用者は、マイカーへの切り替え や リモートワークの普及によって減ったとみられる。
コロナ禍前の19年度上半期との比較では、通学 と一般・団体利用も それぞれ 19・1%減、
45・1%減と、厳しい状況が続いている。
下半期も 利用者の大幅な回復が期待できず、定期などの旅客収入は 前年度同期より
7・4%減ると予測する。 また、県や沿線自治体からの コロナ対策の支援事業が、前年度の
5219万円から 1863万円と大幅に減る。 一方、支出では、燃料費(軽油)が原油高の影響など
で 前年度より 1500万円以上多い 3870万円に膨らむとみている。
このため、通期の業績予想は 6475万円の赤字となり、157万円のマイナスだった 20年度に
続き、2年連続の赤字となる見通し。 同社によると、線路や駅舎などの維持費を沿線自治体が負担
し、運行を同社が担う 「上下分離方式」となった03年度以降では、最大の赤字という。
同社は 「コロナ禍で経営環境は厳しいが、沿線の観光振興と一緒に誘客を促進するなど、定期
以外の増収を図りたい」としている。
国鉄井原線に赤信号 - しろみ茂平の話 (goo.ne.jp)