今はコロナウイルスとインフルエンザを比べてる場合じゃない!

                     GIZMODO(ギズモード)           3月12日

  https://www.gizmodo.jp/2020/03/stop-comparing-the-new-coronavirus-to-the-flu.html

    もしCOVID-19が国全体に広まった場合、インフルエンザよりはるかに多い人が死亡する可能性が

    あります。COVID-19の本当の致死率はまだ確定していませんが、COVID-19に対する素早い対応が

    評価された医療システムをもつ韓国を基準として考えた場合、致死率は 0.5パーセントほどです。

    もし COVID-19が、去年インフルエンザに感染したのと同じ 3500万人の米国人に感染した場合、

    死亡者数は 17万5000人となります。

 

 この主張の正しさを 以下に検証してみたい。

 

                                    

 

2020年 日本時間3月12日 午後6時現在     AFP集計          死者数/感染者数

                    感染者数         死亡者数      死亡率      人口(万人

115か国・地域       125,293人       4600人      3.7%

中国(除。香港・マカオ)       80,793                   3169        3.9

イタリア            12,462                    827         6.6           6055 (2017)

イラン               9,000                    354                 3.9          8116 (2017)

韓国                         7,869                       66         0.8      5185(2019)

フランス               2,281                     48        2.1          6712 (2017)

アメリカ                          1,101                     28        2.5    32717(2018)

 ・・・

   ※ 国によって、死者の集計方法や検査体制は異なる。      

 

〇 「致死率」という概念は 原理的に新型コロナに使えない。

 

 一般に ある病気の 死亡率と致死率 は、

   死亡率=[一定期間内の死亡者数]/[総人口]

          ・・・・ 多くは、10万人当たりの死亡者数

   致死率=[一定期間における死亡者数]/[一定期間における患者数]

 とされている。

 

  今 問題となっている 新型コロナによる死亡者数について考える場合、

 まだ、流行は終息していず、 しかも ウイルスに感染しても、 症状はすぐには出ず、また出ても軽微で、

 感染していることに気づかないまま日常生活をしている場合も多く、また 新型コロナによる死亡とは

 別の死因とされる場合もあり、あるいは PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査で 新型コロナの陰性or陽性

 とされても 必ずしも それが100%正しいとは限らない。

 ――― 等々、といったことのために、

 致死率における 「患者数」といった場合の 「患者」、つまり  「(このウイルスによる)症状がある者」 を 

 正確に特定することは原理的にもできない。

 

  それゆえ、このウイルスへの感染の有無を PCR検査で調べて、陽性だった者を このウイルスの

 感染者」とし、これを分母にとって、感染者のうち どれくらいの割合が死に至るかを知ることが、この場合

 は 最善ではないだろうか? 

  ( 但し、死亡原因が このウイルスによるものでなくても、「感染者の死亡」は このウイルスによる死亡とする。

   また、PCR検査をせずに、このウイルスで亡くなった場合は、 「感染者の死亡」 とカウントされない。 ) 

 

   ただ、ある国/地域において 、PCR検査を全員に施すことは現実的でないので、

 その時点における その国/地域の 感染者の実数  その国/地域の感染者数 とは一致せず、

 つねに、     A << ✕   (かなり X Aより大きい)、 したがって、

     [ある時までの死亡者数]/X    <  [ある時までの死亡者数]/A 

 である。 

 そこで、実際に 測定可能な  [ある時までの死亡者数]/A  の値を、今 仮に、

 この新型コロナウイルスによる「死亡率」 ということにする。 つまり、

      ある時までの「死亡率」 =  [ある時までの死亡者数]/A  

 ということにする。

  ただし、この値は その国/地域での 検査の密度や正確さに依存するため、 この値をもって 

 ある国/地域が 他のそれよりも、感染者が多いとか 死亡者が多い とかという比較には 直ちには

 使えないが、

 その国/地域での 感染(=PCR検査陽性)者における 死亡率の最大値を表している。つまり、

 実際の死亡率は つねに これより小さい。 

 

    ※ これは あくまで 検査した者の数字を云々しているだけで、 その国/地域で ある時点での

   このウイルスに感染した者の実数(=検査の有無にかかわらない真の感染者の数)ではないし、

   その死亡者数も 検査によって感染していたことが分かっている死亡者であって、検査を受けずに 

   このウイルスで死亡した者も 少なからずいるはずである。

    以上から言えることは、

   概ね、上の数値として出てくる 死亡率は、 実際の死亡率より かなり高めに出ており、実際は

   これよりも かなり低い はずだ ということである。

     ※ 感染して死亡しても、PCR検査をしなければ、新型ウイルスによる死亡者とはされないわけだが、

    ある国/地域で 通常より沢山の死亡者が出れば、大抵は 何らかの異常があると気付くはずで、

    わが国以外では、PCR検査が 直ちに実施されて、ウイルスの有無を知ろうとするはずである。

 

    この新型ウイルスの致死率の低さ と ステルス性が、

   このように 死亡率さへ アバウトになってしまうような事態を招いていて、

   これが 人々や各国政府に 適切な対処をできなくさせ、かつ 昨今の過剰とも思える対応をさせて

   いるのではないだろうか。

 

 

                           (2) につづく