(1915年4月に掲載したものを最新エディターで読みやすく編集しなおしました。）
私が私の子供たちに毎日読ませている章句があります―『中庸』第23章です。
『中庸』第23章
其次致曲 曲能有誠 誠則形 形則著 著則明 明則動 動則變 變則化 唯天下至誠 爲能化
（現代語訳）
小さなことも無視せずに最善を尽くさなければならない。
小さなことにも最善を尽くせば誠になる。
誠にいたれば、表面に染み出て、
表面に染み出れば見えるようになり、
表面に見えるようになると、たちどころに誠が明らかになって、
誠が明らかになれば、人を感動させて、
人を感動させれば、たちどころに世の中が動き出し、
人が動くことで、天下は至誠へ通じていく。
だから、ただ世の中で至誠を尽くす者のみが
己と世を変えることができる。
『中庸』－ 儒教（儒学）の基本思想を示した経典に『論語』『孟子』『大学』『中庸』の四書（ししょ）があります。著者は曾子（孔子の門人）の弟子の子思（前483-402）と言われており、中庸とそれを基礎づける「誠」を説いています。
懸命に頑張っても、頑張ってもなかなか結果が出なくて心が折れたとき、くやしい思いで胸が苦しいとき、分かってもらえなくて悲しいとき、惨めなとき… そんなときにこれを読むと心が慰められ、また勇気を奮い立たせることができます。
最善を尽くす。仕事において、人間関係において、日々の生活のなかで、誠を尽くす ― 最善を尽くして苦しいことを乗り越え、また乗り越えていくと魂は強くなり、輝きます。
苦しいとき、行き詰まったときに一つの言葉で救われることがあります。『中庸』第23章のこの章句は私にとって心を慰め、勇気を与えてくれる大切な言葉でます。また、何度も繰り返し読んでいるうちに心と精神が明るくなり、体まで元気になっていきます。そして願いも叶うようになります。
ぜひ皆さんもこれ（訳文）を声に出して読んで下さい。そしてそのあとで、あなたを守護するご先祖の神明様に氣を送って下さい。至誠を尽くされた方こそ、ご先祖の代表神明様です。
先祖の代表神明様はいつもあなたと共にあり、あなたが悲しいと同じように悲しみ、喜べば同じように喜ばれます。そしてあなたのことをいちばんよく知っておられます。その神明様を感じてみて下さい。
姜 顯奉 (ｶﾝ ﾋｮﾝﾎﾞﾝ）
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姜 顯奉著
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