12月に入り急に寒くなりました。先日、遅い午後、暖かく穏やかだったので多摩川にギシギシの根を採りに行きました。10月の台風19号の大雨で多摩川は水位が上がり、氾濫して大きな水害を受けた所もありました。

 

私たちは中央線の日野駅から川に向かいました。川の土手を歩いていると、川の砂州には急流でなぎ倒され、根っこが地表に露わになった木々がたくさん見えました。土手の両脇にはギシギシがたくさん生えていましたが、姜氏はそれらには目もくれずにどんどん歩いて行き、ある地点で土手を降りて砂州に向かって歩きました。

 

着いた場所にはギシギシが群生していました。姜氏はまずそこで、川の神明様にお酒と線香を捧げました。そして、ギシギシを採り始めました。そのとき、姜氏がその場所を選んだ理由が分かりました ― そこは砂地で、激流で砂が流されて根が地表に露出したギシギシがあったのです。

 

地中深くに伸びるギシギシの根は2~30センチもあります。でもその砂地では、ちょっと茎を持ち上げるだけで、根っこからすっと抜けました。もし土手でそれを掘るとすればシャベルが必要で、大変な労力と時間がかかったことでしょう。姜氏の恐るべき智慧のお陰で、短時間にたくさんのギシギシの根を採取することができました。

 

ギシギシを集めていると、(薄暗かったのですが)姜氏がクコの木を見つけ、それも取るように言われました。この時期は、新葉が出るときです。枝の先を折ろうとすると新しく伸びた部分がポキンと折れるので、簡単に若い葉の部分だけを採取できました。

 

その日のミッションが終わる頃には、夕日も沈み、西の低い空が濃いオレンジ色に染まり、空には三日月と一番星が出ていました。

 

 

【薬草 ― ギシギシ】

 

晩秋から冬にかけて採取します。

採取した根(太いもの)を水洗いして天日で乾燥させたものは生薬「羊蹄根(ようていこん)」と言われています。

(ギシギシを薬用として用いる場合は、主に根と果実を採取して使用します。)

 

ギシギシの根

・根を砕いて水虫、湿疹、かぶれ、インキンタムシ、たむし、ニキビ、痒み、などの患部に塗る。

 (乾燥した根は粉末にして、酢か焼酎で練って患部に塗る。)

・根の絞り汁を入れて沸かした湯(塩を少し加えてる)でを洗えば抜け毛防止に効果がある。

・アトピーには、スライスした根を煎じ(塩を少々加える)、それをお風呂に入れる。

・便秘、黄疸、高血圧、動脈硬化に効果がある。

胆汁の分泌促進

・胃痙攣

・利尿作用、止血作用、殺菌作用がある。

・滋養強壮

・耳痛

 

 

ギシギシの根(洗ったもの)


ギシギシの葉(若葉)

・胃潰瘍や腸のポリープ、気管支炎、肝炎、歯ぐきの炎症、皮膚病、水虫、消化不良、腸チフスに効果がある。

・体内の重金属を排出する力がある。

・虫下し、解毒作用がある。

 

昔は、胃や肺などの癌、脳腫瘍などに用いられていた記録があります。(毒性のあるものは殆どの癌に効くとされています。)

 

生命力のあるものは強い効能がありますが、毒性があるものが多いです。

ギシギシの葉にはシュウサン※が含まれているので、食べるときはアク抜き(米のとぎ汁で茹で、水に一日さらす)して調理します。

少し食べるなら気にすることはありません。

(※シュウサンは摂取しすぎると肝臓障害を起こす危険性がありまた、尿路結石を引き起こす恐れもあります。)

また、毒性のある薬草を食べるときはプロバイオティクスEMを使うと毒性が中和されます。

 

ギシギシの葉は独特なぬめりがあり、おひたし、酢味噌あえ、汁の実にしておいしくいただけます。

ただし、ギシギシの葉は体を冷やすので、一度にたくさん食べないように。

特に妊婦は医師に相談して下さい。

 

 

        12月10日                            4月19日

 

【薬草 ― クコ】

 

川の土手や空き地など、どこにでも見られます。

葉、花、実ともに薬効があり、赤い「クコの実」は薬膳に使われたり、美肌作りのスーパーフードとして知られており、「ゴジベリー」とも呼ばれています。

 

クコの葉の効用:

・滋養強壮。 気力のないとき、元気にさせる。

・疲労回復効果

・血管の壁を丈夫にする。

・動脈硬化の予防

・血圧降下、解熱効果

・老化防止

・癌の予防効果

・冷え性改善

・抜け毛防止

 

 クコの葉 

 

若い柔らかな葉を洗って乾燥して作ったお茶は栄養豊富でノンカフェインです。

クコの葉は毒性がないので、柔らかな葉をナムルやお浸しにしていただきます。

 

クコの実の効用:

クコの実には、抗酸化物質、必須アミノ酸、20種類以上のビタミン(ビタミンCはレモンの8倍)やミネラルを豊富に含んでいるそうです。となれば美肌づくりや抗老化に期待がもてます。

また、クコの実は「不老不死の実」と呼ばれ、楊貴妃も毎日食べていたそうです。 そしてあの徳川家康公も。

そして今、海外のセレブや女優 ミランダ・カーがエイジングケアとして愛食しているとか。

 

 乾燥したクコの実

 

 

 

 

 

 

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