先日、あるイベントで高野山参詣ハイキングに参加した。それは慈尊院(南海高野線九度山駅から徒歩20分)から高野山上西口の「大門」へ通じる「高野山町石道」(ちょういしみち)と呼ばれる参道を辿り、壇上伽藍までの山道、約23キロを行くハイキングだった。
早起きして大阪から2時間かけ、8時前に九度山駅に到着。九度山町役場で受付をしてリュックにつける番号札をもらった。実は、このところ脚に自信がなかったので参加を迷っていたのだが、事務局に問い合わせると毎年約800人が参加するという。それなら私も、と参加を決めた次第。その朝も老若男女いろんな人たちが集まっていた。
スタートは役場から15分歩いたところにある慈尊院で、そこでまず安全祈願が行われた。私は急いで友人から頼まれていた案内犬「ゴン」の本とお守りを買った。そのおかげで空海上人とゴンの銅像にご挨拶するのを忘れてしまった(心残り...)
ゴンと弘法大師像 購入した「ゴン」の本とお守り
三々五々参加者は出発。私は8時半にスタート… その前に慈尊院とゴンについて少し書こう。
空海上人と慈尊院
慈尊院は古くから空海上人※(774年-835年)の母公のお寺として知られる。空海上人の母公は讃岐(香川県)から高野山を一目見ようとやって来たが、当時高野山は女人禁制になっていたため、上人は母公を麓の寺に迎えられた。そして月に九度は山上より20数キロの山道を下って母公に会いに行かれたと伝えられている。
(「九度山」は名前の由来)しかし、調べていくうちにそのときの上人の状況からしてそれは難しかったのではないかと思えるのだ。資料によると、上人はその頃悪瘡(悪質なできもの)を病まれており、自身の死期を悟られ、五穀を断ち、入定の準備をしておられたからだ。そして母公はそのとき81歳、その母子の再会の喜び、そして別れはいかばかりだったことか。まもなくして、母公は翌年835年2月の初めに亡くなられ、上人はそれから2か月も経たない3月21日、高野山において入定された。享年62歳だった。
※ 空海上人は入定されて87年後に「弘法大師」の贈り名を授かった。
高野山の案内犬ゴン
慈尊院で不思議な話がある。今から約30年前、白い野良犬がふらりと現れ、誰も教えたわけではないのにお遍路さんを見ると近寄って九度山駅と慈尊院の間を案内するようになった。その犬は慈尊院の鐘の音が気に入っている様子だったので「ゴン」と呼ばれるようになったそうだ。
しばらくすると、どこでその道を覚えたのか、ゴンはお遍路さんやハイキング客を慈尊院から高野山上の大門まで案内するようになった。朝8時頃に出発すると大門に着くのは午後2時から3時、案内が終わるとゴンはすぐさま獣道を一目散に走って慈尊院に向かい、帰ると日が暮れていた。そんなゴンの姿をみていた慈尊院の住職さんは寺にゴンの小屋を建ててやり、慈尊院で飼うようになった。
ゴンは別名「お大師さんの犬」と呼ばれていた。昔、1200年前、空海上人が伽藍を建てる場所を探していたところ、白と黒の犬※を連れた猟師※※が現われ、「犬に案内させましょう」と言ってそのまま姿が見えなくなった、という逸話がある。ゴンが空海上人を案内した犬の生まれ変わりだという話である。
※※ 猟師:高野山の守護神である狩場明神が猟師の姿で現れ、空海上人に高野の地を譲ったと伝えられている。
(余談だが、後日、白と黒の2匹の犬について姜氏に話したところ姜氏は即座に、白い犬は空海上人を霊的に守り、黒い犬は邪悪な魂から守ったんだね、と言われた。昔話や伝説には神様(神明様)が様々な姿で登場するが、神明界があることを知った今、昔話も伝説も実際にあった話で、決して空想だけの世界ではなかったということが分かり、私は昔話や伝説にますます興味を持つようになった。)
ゴンは参拝者たちを毒蛇やイノシシから守り、間違った道に行かないように先に行って教え、疲れた人には元気づけ、常に10メーターほど先を行き、振り返りながら人々を先導した。案内しているときは食べ物を差し出しても決して口にしなかったというから普通の犬ではない。
長く険しい山道を毎日のように往復したことでゴンの体は次第に疲弊していき、慈尊院に戻る時間がだんだん遅くなっていったという。そして1992年に約4年間務めた案内犬を引退し、10年後に老衰のために息を引きとった。
こちらの動画をぜひご覧下さい→ 高野山の案内犬ゴン 高野山開創1200年
記 by SK
高野山参詣ハイキング (II) につづく
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