黒猫と無力。 | Civaオフィシャルブログ「極天論」

黒猫と無力。

イベント前日の今日。

様々な用事を終わらせる為に、車で移動していた。


宗像の山道を走ってる時、ふと目の端を捉えた物体。
黒の仔猫が歩いていた。

子離れするにはまだ早い様に見えるサイズ。
運転中だった為、ひとまずスルーして山を越えるも、どうしても気になってUターン。

車通りの多い山道で、しかも下り坂。
トラックもたくさん通るのですでに轢かれてる可能性もある。


無事だったとしても、民家が近くには無く。
黒なので夜は特に危ない。

このままだと生存確率は極めて低い。


目の前の命に危険が迫っているのであれば、
後先なんて考えるつもりもない。

戻って見た所、反対車線のより道幅が無い所に移動していた。
道の端をひた走る教育を受けているわけじゃないみたいだ。

なんとか保護出来ないかと、車を止めて近付いてみると
ガードレールの奥の茂みに隠れてしまった。
本当に小さい仔猫で、眼には怯えの色が。

しばらく距離を置いて慣れさせようとする。
目を閉じて挨拶はしてくれる。

しかし、一定以上近付けば威嚇される。

食べ物も持っていないし、コンビニも無い。


さらに奥に逃げられるとそれも危ない。
八方塞がりだ。


俺の今の家は、頭数制限も無いので一匹くらいならきっとなんとかなる。
だけど、届かない。

その命に届かない。


次の予定に時間も無く、野生の野良がすんなり着いてくる事も考えられず、諦めて移動をする事にした。


後は、あの子がなんとか山を越えて、民家の軒下にでも逃げてくれればと祈るしか無かった。



祈るしか無い。願うしかない。
例えお金があっても、力があっても、あそこであの子を救える気がしない。
神様にでもならない限り。

知恵も知識も能力も時間も足りない。
自分の無力さに嫌になる。


今回だけじゃない。

何度も何度も後悔してきた。


しばらくは今日の後悔も消えないのだと思う。

それでも、諦めずに俺は今出来る全力で手を伸ばしたい。
それがいつか、今日見たあの子の命に届く事になるかもしれないから。







しかし、そもそもどうすれば救えたのか具体的な答えは欲しい。
常にシーチキンを一つ持ち歩いていればなんとかなったのか?
無理矢理捕まえれば良かったのか。