上富良野岳(1893m) | 独り言ちの山暦

独り言ちの山暦

「風の又三郎、又三郎、早く此さ飛んで来!」「この頂で赤道から北極までの大循環の自慢話を聴かせてくれ。」

 

2023.8.11。

8月に入ってからはスッキリとした天気が無いまま雨模様が続いた。

漸く天候が回復すると暑さも猛烈さをともない戻ってきた。

この日は「山の日」。

千葉から来た孫と山に向かった。

なぜか山登りが恒例化したように孫達もそれを楽しみにしているのだ。

どの山にしようか、迷ったがこの猛暑である。

熱中症が懸念される。あまり遠くの山は無理と判断。

十勝岳温泉から十勝岳に向かう途中の山、上富良野岳を目的地とした。

それでも水は充分に背負った。

6時15分に登山口をスタートしたが既に気温は24度である。

孫は小学3年生と幼稚園年長組である。

昨年も三段山に一緒に登っているが、それなりの頑張りは期待できると踏んだ。

3連休と言うこともあって登山者は多い。

それは安心感とともに少しは煩わしいことだ。

最初は慎重に歩き始めた。

「ユックリと、ユックリと歩くように」と後方から話しかける。

それでも孫たちはドンドンと先へと進む。

おいおい大丈夫かい?

途中でバテてしまうのではと心配になってくる。

上ホロ分岐過ぎてもそのスピードは落ちない。姿が見えなくなるほど先に

行ってしまう。

追い付こうと頑張っても中々追い付くことができない。

D尾根上にでる急斜面の階段前では声掛けも哀願調に変調した。

「頼むからユックリと」と。

子供たちの一年間はかくもこんなに素晴らしいものだろうか。こんなにも成長するも

のなのだ、と驚きに深いため息がでた。

翻って高齢者の一年間とはかくも残酷なものだろうか。この期間に情けないほどに

衰えがやってきたようだ。無念さに溜息が出た。

8時36分。それでも3人揃って頂上を踏んだ。

快晴、無風。

絶好の日和だ。

本州方面からの登山者も多いようだ。

頂上では寛いだ。

持参してきたオヤツをほうばるのが何より嬉しいらしい。

頂上から眺める絶景は彼らにはどう映ったのだろう。

そしてこころの襞に刻み付けられただろうか。

特に達成感は努力と労苦の先にあることを理解しただろうか。

頂上は涼しい。下界は30度超えだろう。

このまま座っていようか、と尋ねた。

「早く下山してアイスが食べたい」。

サッカークラブで練習している体力は食に獰猛のようだ。

下山もノンストップである。

階段は危ないので心配していたが杞憂で済んだ。

流石に幼稚園児は最後は疲れたようであったが無事に下山。

近場の温泉で汗を流しアイスを食べて登山は終了。

帰路では青い池に寄った。

驚くほどの観光客である。外国人数も夥しいようだ。

孫達にとっては然程の感動はないようである。「青いからどうした」的である。

孫達との登山。

あと何年続くのかはわからないが、荷物を持ってもらい背中を押してもらい

ながらの登山だけは避けたいものだ。

足手まといにはなりたくない。

その意地をもってもう少し頑張るか!そして登山の感動を共有できる

よう感性も磨こうと思う。

もう孫たちに教わる方が多くなってきたようだ。これも必然か。