シーキウシュナイ山~祖神(四等三角点) | 独り言ちの山暦

独り言ちの山暦

「風の又三郎、又三郎、早く此さ飛んで来!」「この頂で赤道から北極までの大循環の自慢話を聴かせてくれ。」

 

     2022.12.10。

     今冬初のスキー。

     まだ雪が少なくスキーは無理かな、と思いつつも調査を兼ねて近場の

     低山に行ってきた。

       隣町に位置するシーキウシュナイ山がメイン。

       想像以上の積雪にひと安心。いつものメンバーKAKU・KAWAさんの

       顔にも喜びが映えた。

       作業道を登る。

       「雪を漕ぐ」。この感触だ。雪は湿り気もあり若干重いが、雪中を歩く爽快

       感は素晴らしい。

        「そう言えば先日、『山日記のちみさん』がこの山を登っていたね」と

        KAWAさん。

        そうか、知らなかった。チェックしていないことに後悔。

        そんな会話を交わしながら雪を歩く。

       ややもすると汗をかく状態に。

       スキー歩きのエネルギー消費はなかなかのものだ。

       昨夜降り積もった雪で、木々のただずまいは冬本番を思わせる。

        頂上直下まで作業道は続いていた。

         穏やかな日和である。

         スキーも馴染んできた。帰路はこの作業道を一直線に滑り降りれば

         良いと思うとその分だけ心が弾んだ。

         作業道から外れ頂上に向かう。

         笹薮はまだ雪の下ではなかった。こうなるとスキーの運びも楽ではない。

        それでも距離としては僅かである。

       299mの頂上である。何もない。

       帰宅してから「山日記ちみさん」のブログを見ると、なんと頂上標識がある

       ではないか。

       きっと我々が気づくことない処に隠れていたのだろう。

        頂上での出会いにはあらゆる意味で期待はしていなかったので落胆はない。

        スキーでここまで登れたことに意味合いを見出した。

        時間はまだタップリとある。このまま帰るのでは物足りないね、と次を目指す

        ことにした。四等三角点「祖神 235.96m」。

        シーキウシュナイ山からは下った。

        正面に望む山は三面山だろうか。良い感じである。

        エゾ松の植林地をくぐり抜ける。

        今にも落雪が頭を直撃しそうで気が気ではない。

        でもクリスマスツリーの間を歩いているようで、それはそれなりに楽しいものだ。

         雑木林の中。静寂である。

         異世界に迷い込んだよな錯覚に陥る。

          時折、根曲竹にスキーを取られながらも気持ちを切らさずに歩き続けた。

         三角点に着いた。

         そこはこんもりと盛り上がった所だった。

         その他、特別に表現する術はなかった。

          標石を探したが見当たらない。

          まあいいだろう。

         所在ない時間だけを過ごした。

         それで山仲間にもラインを送った。「雪は良いぞ」とばかりに。

         さあ戻ろう。

     

         オンラインで注文した日本酒が今日届くのだ。

         地元の男山酒造が発売した「好都合」だ。冷にしようか熱燗か。

         帰る足がどうしても速まった。

        いい運動だった。

        消費エネルギーはどうだったろう。

        脳は総エネルギーの40%を消費するそうだ。そうだとすると家にいて

        難問を抱え頭を使い悩むことのほうが減量には有効かもしれない。

        だが健康という点では体を動かすことだろう。

        人間が獲得したものは「時間と空間と可能性の概念である」。

        いま生きている。だから時間と空間がある。その中で可能性を忘れずに

        活動し続けることが大切なのだ。

        次は何を、何処で。

       総行程距離4.807km。行動時間2時間51分。