以前の記事でもご紹介しましたが、今年はフィンランドの独立100周年の年ということで、Intercontinental Hotel Singapore で行われたコラボレーションイベント、Finland-Singapore Culinary Masters にお邪魔して来ました。

 

 

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(左から、Kari シェフ、Eric シェフ、Ericシェフの兄で今回の企画をした Beng Tongさん、駐シンガポールフィンランド大使のPaula Parviainenさん)

 

 

会場は、1階のレストラン、Ash & Elm。創立80周年を迎える、フィンランドを代表するレストラン、Savoyのエクゼクティブヘッドシェフ、Kari Aihinenさんと、Intercontinental Hotel のEric Neoエグゼクティブシェフが作った7コースのメニューを楽しみました。120席は完売、急遽席を増やしての開催となりました。

 

 

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今回はフィンランドの100周年記念イベントということで、ホスト側のEricシェフはゲストのKariシェフに花を持たせる形で、6皿がKariシェフのメニュー、1皿がEric シェフのメニューとなりました。

 

 

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一緒に提供されるのは、フィンランドの水。

 

 

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サンタクロースの公式ミネラルウォーターでもあるそうですが、一口飲んでみて、そのまろやかさにびっくり。水ですが、とろりとした感触。8000年前の氷河期に凍った水が、この形になったのだそうです。

 

Lamb Tartar, Pine Shoot Emulsion and Crispy Buckwheat

 

本来は、レインディアーと呼ばれる鹿の一種で作るそうですが、シンガポールでは輸入が禁止されているため、代わりに子羊の肉で。羊本来の野草のような香りが、松の葉のエマルジョンに合います。上にはソレルの葉を刻んで。しっかりと香ばしい蕎麦の実のクラッカーが、羊の香りが苦手な方にも食べやすく、全体を香り高く仕上げています。

 

 

Cured Arctic Char, Flying Fish Roe, Cucumber and Dill

 

フィンランド産のArctic Charは、岩魚や鮭の仲間。生を塩漬けにして、甘めのきゅうりのピクルス、生のカリフラワーのスライス、フレッシュなディルを漬け込んで作ったディルオイルで作ったマヨネーズとともに。上には、少し多肉植物のようなシャキシャキした感じと、牡蠣の後味のあるオイスターリーフ。そして、本来はフィンランド産の魚卵で、これに似た食感のものがあるそうですが、シンガポールでは手に入らないということで、トビコを使っていました。塩で少しねっとりとした食感が増した魚は、北欧風カルパッチョのような印象でした。カリカリの岩塩がアクセントに散らしてありました。

 

 

Braised King Crab, Sour Milk and Juniper

 

 

揚げたケールとバターソテーしたケール、そして酸味のあるヨーグルトのようなミルクソースに、青ネギのオイル、そしてフィンランド産のキングクラブ。上には、モルトを入れたパンをフライパンでバターとともに炒め、常温で乾燥させたものが。もっちりとした食感とほのかな甘みが面白かったです。そして、キングクラブはジュニパーベリーの香りをまとわせてあります。全体的に、深い森の香りや濃い緑の食材を使った、北欧らしさ溢れるモダンな料理という印象でした。

 

Buah Keluak Chicken Ravioli, Laksa Cream Sauce and Kaffir Lime

 

 

そして、Ericシェフからの一皿。脂肪分ひかえめのあっさりとしたココナッツミルクのラクサスープは、しっかりと唐辛子の辛味が効いています。もっちりしたラビオリの中にはブアクルアとカフィライムの葉、そして、上のクラッカーもカフィライムの葉のパウダーと、米粉をおかゆ状態にしたのものを乾燥させて作っています。

 

Gougeres Gratin

 

 

ライスコロッケのような、グジェールチーズを使ったこちらは、中にクルミやりんご、軽くソテーした玉ねぎなどが入っています。

 

Braised Finnish Premimu Pork Cheeks from Atria, Lovage, Celeriac and Chanterelle Puree

 

とても気に入ったのがこちら。真空調理器は使わないというKariシェフ、48時間かけて、70度のオーブンでじっくり煮込んだフィンランド産の豚の頰肉。その横には、しっかりと甘みが引き出された根セロリ、そしてシャンテレール茸の香り高いピュレ。実はこの一皿には、シンガポールらしさを表現するため、廣和興(Kwong woh hing sauce factory )の醤油が使われています。少しスモーキーな香りはベーコンから。イタリアンパセリのようなラビッジがしっかりとした緑の香り、根セロリのチップが食感のアクセントになっています。小さなオニオンも。

 

Liquorice Panna cotta, Sea Buckthorn Sorbet and Meringue

 

 

穏やかな甘みで、最後にほのかに苦味が残るリコリスのパンナコッタ。ミルククッキーのクランブル、健康食品としても注目を集めているという、グミの仲間、シーバックソーンのソルベ。少し、食用ホオズキやグーズベリーに似ている気がします。

 

最後にはフィンランドのオーガニックアイスクリームメーカー、JYMY Handcraftedが、フィンランドの松の若葉を手摘みで収穫したという松の葉味、フィンランドで愛されている、北部ラップランド産のLingonberry(リンゴンベリー)など、4種類のフレーバーを用意。 

 

 

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また、フィンランドのチーズメーカーValioが、7ヶ月熟成のKeisarinnaというチーズや9ヶ月熟成のエメンタール、6週間熟成のセミハードのブルーチーズを提供。

 

 

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フィンランドのウォッカメーカーLaplandiaも試飲ブースを用意。

 

 

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シンガポールを代表して、廣和興(Kwong woh hing sauce factory )が料理にも使われた代表商品の醤油や、シンガポールで唯一酢の醸造免許を持っていることから、様々な種類のフルーツの酢までが展示されていました。

 

 

 

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(2代目のSimon Wooさんの奥様、Daisyさんと、息子で3代目のDicksonさん)

 

 

 

 

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今回私は、Ericシェフのご家族と共にテーブルを囲ませていただきました。
 
(左はBeng Tongさんが大学で教えていた時の教え子でもある、MediacorpのJolene Tanさん、右端はStarhubでアジアコンテンツを担当している、末の弟のWei Chiさん。図らずもTV関係者が集まることに)

 

 

更に、訪れた方の中には、スペシャルゲストとして、シンガポールを代表するミュージシャン、Dick Leeさんの姿も。

 

シンガポールのFM局でDJをやっていた時に、若いシンガポール人のアシスタントの方が、「シンガポールへの愛があって大好き」と語っていたのを思い出します。

 

 

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とてもにこやかで素敵な方でした!

 

 

こうして華やかに行われたシンガポールでのイベント、今回の発起人、Beng Tongさんによると、逆にEricシェフがフィンランドを訪れるなど、これからの更なるコラボレーションも考えているとか。

 

 

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100周年を迎えた北欧フィンランドと、常夏のシンガポール。正反対の気候の遠く離れた国同士のコラボレーションが実現するのも、現代ならでは。また新しい展開も楽しみです!

 

 

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【DATA】

■Finland-Singapore Culinary Masters

日時:2017年11月10日 19:00〜(終了)

 

Ash & Elm(アッシュ・アンド・エルム)
住所:Intercontinental Hotel, 80 Middle Road, Singapore 188966
Tel:+65-6338-7600
アクセス:MRTブギス駅徒歩3分