アルゼンチン料理を世界に広めたいと、ロンドンとシンガポールでモダン・アルゼンチン料理を提供しているディエゴ・ジャケットシェフ。普段シンガポールのお店、Bochincheは、ヘッドシェフのFabriceさんに任せていますが、新メニューのお披露目のため、シンガポールにやって来たということで、新しく提供される夏のメニューをいただいて来ました!

Diego シェフとFabriceシェフについて、詳しくはこちら

 

 

様々なアラカルトメニューがありますが、それぞれを通常の3分の1程度のテイスティングポーションでいただきました。

 

スターターは、
Tomates ($17)

 

 

トマトと相性の良いスイカ、バッファローのモッツァレラ、バジルとドライにした黒オリーブの粉を加えたサラダ。スイカはスイカの自然のジュースに48時間漬け込んで、水っぽくならないように工夫されています。

 

Cangrejo ($21)

 

 

シンガポールで手に入るマッドクラブを蒸してほぐしたサラダ。そこに、カニ肉をブラウンバターに漬け込みコクを加えたもの、アルゼンチンらしい、Humita Nortenaと呼ばれる、トウモロコシにクミンやコリアンダー、マージョラムを加えたソースを添えてあります。ズッキーニのピクルスで酸味をプラス、コーンブレッドを薄く切り、メルバトーストのようにカリカリに仕上げて食感のアクセントにしてあります。

 

 

Crudo de carne ($19)

 

 

牛フィレ肉のカルパッチョ、白桃、マスタードシードにペコリーノチーズのクリームを添えて。

元々は肉を柔らかくする働きのあるパパイヤを使っていたそうですが、季節の白桃に変えて。白桃はシロップに漬け込んで、はっきりとした味わいに。ペコリーノと白桃の相性の良さが、牧草飼育後、穀物肥育したヒレ肉の、あっさりしながらも、穀物肥育独特の甘みのある肉質によく合っていました。

 

 

そして、アルゼンチンを代表する肉の炭焼き、アサード。こちらでも、強い火力が出せる炭焼きオーブンを使い、様々な肉料理を提供しています。

 

Codorniz ($21)

 

 

旨味はあるけれど肉質はやや硬いモモ肉は、柔らかくするためにゆっくりと油で火を通すコンフィに、柔らかい胸肉はスモークの香りを与えるためにさっとグリルした、2通りのウズラ。胸肉はパリパリとした皮の香ばしさとしっとりとした身が、モモ肉はしっかりとした旨味が楽しめます。 グリルした人参、チェリー、チェリーのジュースを煮詰めたソースを添えて。

 

Asado 250g Flank steak ($55)

 

 

Diego シェフが一番気に入っているという、牛の脇腹部分の肉、Flank steak。やや硬めの肉質のため、54度で4時間、低温調理してからグリルしています。しっかりとした肉の旨みが楽しめます。薄切りにしたジャガイモと酢漬けにしたキャベツの重ねて、グラタンのように焼き上げ、アサドに欠かせない、オレガノを主体としたソース、チミリュリソースをかけたチミチュリグラタンを添えて。繊細な層のジャガイモとキャベツ、内側は柔らかく、外は香ばしく焼きあがっていて、とても魅力的なサイドディッシュでした。

 

デザートは、

メニュー外で特別に出していただいた、赤ワインのソルベに、重曹を使ったカルメ焼きのようなものを添えて。奥行きのある味わいは、はちみつと、転化糖と糖蜜で作ったゴールデンシロップを使っているから。

 

 

Tres leches ($17)

 

 

スペイン語でとってもミルク、というユニークな名前のデザートは、ミルクたっぷりのスポンジケーキのような食感のケーキに、ミルククリームをしみ込ませて。「とろけるようなふわふわの食感を実現したかった」とDiegoシェフ。ヨーグルトのフォームを添えて。

 

また、アルゼンチンワインを始め、南米をテーマにしたカクテルも色々。こちらは、ペルーのピスコサワーをアレンジした、PISCO YERBA BUENA。

 

 

ピスコサワーの元になるぶどうの蒸溜酒、Barsol Pisco Alcholadoに、 イェルバ・マテ茶を漬け込んだベースに、卵白と自家製のシトラスのシロップを混ぜたもの。 ラベンダーやローズマリーを思わせるような香り高いハーブ感があり、エキゾティックでありながら、すっきりといただけるカクテルでした。

元々、Diegoシェフは母国アルゼンチンの食材の魅力を広めたいと、アルゼンチン料理の店を始めたというだけあって、去年はアルゼンチン政府と共に、アルゼンチン人のシェフを世界から集めたイベントを行うなど、多様なアルゼンチンの食材を世界に広めようと積極的に活動を行なっています。

 

最近注目の南米料理、その中でも珍しい、アルゼンチン人シェフが生み出すモダンアルゼンチン料理が楽しめるお店です。

 

 

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■Bochinche
営業時間:ランチ 12:00~14:30(平日)、11:00~15:00(土曜・日曜)、ディナー 18:00~22:30(月曜~木曜)~23:00(金曜・土曜。日曜のディナー営業はなし)、無休
住所:115 Amoy Street #01-02 Singapore 069935
電話:+65 6235 4990 
アクセス:MRTテロック・エア駅徒歩2分