アルジェリアで、日揮で働く日本人の方7名がテロの犠牲になりました。

みなとみらいに本社がある日揮は、私にとって、「地元の会社」という思いもあり、身近な会社で働く方々が亡くなったという気持ちです。

伝えられているように、空港を出る時から軍の護衛がついて移動すると言う、治安の悪いアルジェリアですが、対日感情は悪くないとか・・・。その理由は、今回の事件に巻き込まれた日揮を始め、多くの会社の技術者の方が、現地で人を育て、信頼関係を作って来たからでもあります。

逆に言うと、アフリカなど途上国でのプラントの建設や道路や水道等のインフラの整備は、欧米各国や中国・韓国などと、どの国が仕事を取るのかという国際的な競争です。

(ちなみに、昔カダフィ時代に訪れたリビアでは、「マンメイドリバー」と名付けられた巨大な灌漑用の水道の仕事を韓国の会社が請け負っていた記憶があります。)

アルジェリアが親日的であるというのは、その競争の中で、多くの技術者一人一人が長い年月をかけて、築き上げ、勝ち取って来たものでもあるのでしょう。

今回の事件を受けて、アルジェリア国内で道路建設を請け負っている鹿島建設も、従業員は夜間外出禁止となっているようですが、今後アルジェリアで、日本の企業が撤退したり、規模を縮小する可能性も出てくるのかも知れません。

それは、せっかくこれまで長い年月をかけて築き上げて来たものを、手放すことにつながります。

とはいえ、ご遺族の方の気持ちを考えると、同じリスクを負って、どなたか行ってください、とはとても言えません。

ただ、これから、代替エネルギーの活用ももっと進んで来るのかもしれませんが、今の所、資源のない日本が、石油や天然ガス等を手に入れるには、海外に出て行くしかありません。

駐在国の軍と接触して、情報を集める専門家である、自衛隊の駐在武官を赴任させると言う動きもあるようですが、とにかく、しっかりと日本の国が、働く人の安全を確保して、「世界で競争できる」日本を作って行かなくてはならないと思います。


寒い冬を暖かく、暗い夜を明るく。

私たちが便利な生活を過ごせている裏には、まさに命をかけて働いている人たちの存在があったのだと、今回の事件で、その事実を、改めて目の前に突きつけられた気がします。

3・11の原発事故の時のように・・・。

何の上に、豊かで便利な暮らしをできているのかを知り、
リスクを減らすには、どうしたら良いのかを、もっと考えて行かなくては、と思います。

亡くなられた方のうち、名前が伝えられている淵田六郎さんのフェイスブックのページを見つけました。イスラム圏によくある、床に大皿を置く食事風景のプロフィール写真。このアルジェリアのプラントでは行動が制限されていたようですが、比較的安全な地域では、現地にとけ込んで暮らしていたのだと思います。「次はアルジェリアの砂漠で星空を眺める事に期待を込め!」と書かれていました。

きっと、亡くなられたお一人お一人が、乾いた大地での仕事に誇りを感じられていたのでしょう。

亡くなられた皆様の、ご冥福をお祈り致します。