令和元年12月13日(金)
香川県高松市を拠点に活動しているインテリアコーディネーターの吉岡恭子です。

昔から美術館という空間に惹かれる。
もちろん展示してある作品を鑑賞しに行く事が目的ではあるけれど、美術館のあのなんとも言えない心が洗われるような静かでありながらも荘厳な雰囲気が堪らなく好きなのだ。
なので何処かに出向く際には必ずと言って良いほど、近くの美術館で何か展示をしていないか調べる。
先日は松山に行った際、愛媛県立美術館で千住博展が開催されており、行ってきた。



千住博の作品は何度か目にした事はあったが、こんなに心に響く作品群を目にしたのは初めてだったかも知れない。




撮影できるスポットはここだけだったので、ほかの写真はないが、今回の展覧会の一番の見処は「高野山金剛峰寺」の襖絵。この展覧会が終われば、襖絵は世界遺産、金剛峰寺に奉納され、門外不出になるという。
これは見に行くしかないでしょう!!

25メートルにも及ぶ千住博の代表作「瀧図」はそれはそれは見事で、まるで自分がその瀧の中にいて、水飛沫まで浴びているような感覚になった。
タイトスケジュールで訪れたが、本当に訪れてよかった。

美術館といえば、10月に香川インテリアコーディネーター協会のイベントで河内タカさんにお越し頂いた際、タカさんと好きな美術館の話で盛り上がった。タカさんと私が同じ美術館が好きだという事で、何だか嬉しかった。
それは上野にある法隆寺宝物館。


私は数年前、たまたまこの横(前)にある東京国立博物館表慶館にエルメス展を見に行ったのだが、まぁその時の人の多さに嫌になっていたところ、出口だと促されて出た裏口で、突如この美しい宝物館を目にした。雨がシトシト降っている日で、その雨足が宝物館の目の前にある水辺に弧を描いている様が美しく、誘われるように宝物館の中に入っていった。
建物を見て、直ぐに私の大好きな谷口吉生さんの建築だと分かった。谷口吉生さんの建築は水を上手く取り込んでいて、本当に美しい。そしてそのディテールたるや、もはや神の領域か?とさえ思う。
是非、上野に訪れる際は寄って欲しい。出来れば雨の日に。雨の日のあの美しさ、私も是非もう一度経験してみたい。影にひっそりと佇んでいるような、あの立地も素晴らしい美術館の一つ。

そういえば、先日宿泊したオークラ東京のロビーも谷口吉生さんだった。お父様である谷口吉郎さんがデザインしたロビー空間を谷口吉生さんがその意匠を引き継いだらしい。派手な装飾はないが、ただただ美しかった。



美術館から話は逸れたが、美しい物を見るということ。私の場合は仕事に直結する。美しい物を見ることで心は穏やかにも豊かにもなる。そしてそれが私の作品に反映される。
美術館は身近にある美しい物が集結した手っ取り早い場所だと思う。建物は美しいし、美しい作品を観れるし、いつも清潔に管理されているし、訪れている方々も基本は穏やかだ。
最近はそんな物を沢山見たので、たった今プランをしているモデルルームはとても穏やかで上質な空間になると思う。
ただ、、、リビングに敷くラグマットを柄物にするか白の無地にするか、私のたった今の最大の悩み、、、先程から答えが見つからず、ついブログを書く事に走ってしまった。
もう書き終わるけれど、それでもまだ答えは見つかっていない。笑

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