ペンネーム:京田辺のアラ古稀 一休
今年の「京の夏の旅」の中から、御室にある旧邸御室を見学してきました昭和12年に建てられた500坪の敷地に立つ数寄屋造りの邸宅だそうです。現在は国の登録有形文化財に指定されています
ちなみにこの邸宅は、現オーナーの父である山三製作所社長の山本三夫氏が大手酒造会社役員の四代目阿部喜兵衛氏から購入されたとのことです
そして二代目阿部喜兵衛氏は、連続テレビ小説「マッサン」のモデルとなった竹嶋政孝氏をスコットランドへ送り出した人だそうです
仁和寺前で市バスを降り、仁和寺の三門を背に京福電鉄御室駅まで下がっていくと、駅前には案内看板がありました
御室駅を南に過ぎて3つ目を西に行くと目指す「旧邸御室」がありました
大広間では、「庭鏡」ともいわれる、座卓に庭の木々が写り込む風景の美しさに圧倒されました
日本庭園が檜の座卓にまるで鏡のように映っていました
庭に降りて階段を登って行くと茶室「双庵」があり、背景の双ヶ岡にも行けるようでした
茶室から主屋を見ると、庭に出る敷石の鞍馬石の配置と大きさにあらためて立派な様子がよく分かりました
茶室「双庵」からは御室の山を眺望することができました
主屋に戻り、欄間の富士山や、琵琶床を見学し、昭和初期の意匠に感動しました
檜の座卓は、角度を変えると掛け軸をも写していました
また、浴室のガラス戸には、保津川下りの様子が描かれていましたガイドさんに見学を勧めていただきましたが、趣のあるガラス戸にしばらく見入りました
庭には15の灯籠があり、日本庭園の情緒を魅せていました
帰りに、玄関前の道を東に突き当たるまで歩くと、琳派の尾形光琳の実弟である尾形乾山に影響を与えたといわれる陶工 野々宮仁清の仁清窯跡の石碑がありました残念ながら現在、窯跡はなく石碑だけが往時を偲ばせていました
今回は珍しく写真撮影は室内外ともOKでしたので、美しい「庭鏡」などが撮影出来ましたまた、昭和初期の高貴な郊外邸宅が静かな周辺の住宅に溶け込んで、あたり一帯がいかにも京都らしさを醸していました
そして、以前から探していた陶工 仁清窯跡を訪れることもでき、大いに満足して帰路につきました